基礎は言うまでもなく、建築構造上大変重要な部分です。この部分が弱いと他がどんなに良くても構造上強い建物にはなりません。このページではその基礎の見かたについて解説します。

完成してしまうと布基礎かベタ基礎かは区別がつきません

基礎は昔の建物ですと独立基礎という形式で、束石の上に直接柱を立てる形式のものもありますが、ここ数十年に建てられた建物ですと、ほとんどが布基礎やベタ基礎と呼ばれる横につながった形式の基礎です。

建物が完成してしまった後では、見た目で布基礎かベタ基礎かの区別は付きません。床下を見て、床にコンクリートが打たれていればベタ基礎ではないか、と思われるかもしれませんが、布基礎で防湿コンクリートを床に打っているだけ、ということもあります。ですので基礎の形状については図面で確認することになります。

基礎は工事前、工事中であれば色々と確認できることがありますが、中古住宅や建売住宅など完成してしまった建物については確認できることはあまり多くありません。

完成した基礎については、
1.ひび割れなどが入っていないか
2.床下で壊されていないか
3.鉄筋が入っているかどうか
くらいしかチェックできません。しかしこの3つを注意するだけでもある程度トラブルを防ぐことができますので、できる範囲でチェックしたいところです。

幅が0.5mm以上あるひび割れがある場合、その基礎に問題がある可能性があります

1.のひび割れですが、全てのひび割れが問題だということではありません。問題があるひび割れかどうかは、ひびの幅と深さで判断します。ひびの幅が0.5mm以上あるひびは何らかの問題がある可能性が高いと思われます。

逆に0.3mmに満たないひび割れは問題がある可能性は少ないと考えておいて良いと思います。この間の0.3~0.5mmについてはすぐに問題にはならないとしても、後々問題となる可能性があるため、修繕した方が良いと思われるレベルになります。この日々の幅はクラックスケールという器具で測ります。

クラックスケール

ひび割れの幅はこういったクラックスケールで測ります。写真の左側の線の太さとひびを合わせて、同じ太さのものがひびの幅となります。

通常のモノサシなどでは微妙なひびの幅が測れませんので、こういった器具で計測します。ホームセンターなどでも販売されており、高いものではありませんので気になる方は購入しても良いと思います。

基礎に奥まで貫通しているひび割れがある建物は構造上大きな問題がある可能性が大きいと思われます

ひびの深さも問題になります。基礎の表面から裏側まで貫通しているようなひび割れであれば構造に大きな問題を抱えていると言えます。逆に基礎の周りをモルタルで仕上げており、その基礎に入っているひびが数ミリということであれば、仕上げのモルタルだけにひびが入っており、構造上問題がないというケースもよくあります。

また先程0.3mm程度の幅のひび割れは問題が少ないと言いましたが、そのひびが大量に入っているようですと問題がある可能性もあります。

注意して見て、疑問に思うことがあれば不動産仲介業者や建物に詳しい人に確認するなどして、問題がないかどうか確認した方が良いでしょう。ざっと見るのであれば換気口の周りなどはひびが入りやすい場所ですので、ここから見ていくという方法もあります。

床下で基礎が壊されているケースが結構あります

2.の床下で壊されていないかどうかですが、これがまあまあの確率であったりします。基礎は建物の構造上大変重要な部分ですので、一度作った基礎は簡単に壊してはいけないものなのですが、床下に配管を通す際などに専門業者が平気で壊してしまうことが良くあるからです。

最初から配管計画がきちんとなされていればこのような事は起きないのですが、残念ながらとりあえず作ってしまい、後から配管を考え、他に配管をつなげる場所がないと、基礎を壊してつなげようとします。

こういった建物は基礎が弱くなり構造的に問題となるのはもちろんですが、一事が万事で他の箇所も無計画に作られている可能性が高いと考えられます。こういった建物は原則として選ばないようした方が良いと思います。

建物のインスペクションでは床下をチェックしない会社もありますが、床下は本当に重要なチェック部位ですので、極力床下をチェックするようにしましょう。

ふくろう不動産のインスペクションでは床下探査ロボットを使い、床下をチェックしています。(「6-03.戸建住宅のインスペクションの費用と内容について」参照)

床下探査ロボット

ロボットといっても、リモコンで動くローテクの機械です。撮影はスマホで遠隔操作します。

昔の戸建住宅では鉄筋が入っていない基礎もあります

3.の鉄筋の有無ですが、最近の建物で鉄筋が入っていないということはまずありえません。しかし昔の戸建住宅、時代で言えば1984年以前の建物にはそれなりに鉄筋が入っていない基礎の建物があります

これは1984年に住宅金融公庫が鉄筋を入れるように基礎の規定を作成したからですが、それ以前は建設会社ごとにつくりは大きく異なっていました。

また1984年以降であっても金融公庫を使わない建物や手抜きで作られた建物では鉄筋が入っていないケースもあります。また、建物の外周では鉄筋が入っていても、内側の基礎の立ち上がりには鉄筋が入っていないというケースもあります。古い建物を購入する場合は、建物の検査などを行い、鉄筋の有無なども調べた方が安全です。

基礎に当てた金属探知機

住宅の基礎コンクリート部分に金属探知機を当てた写真です。コンクリートの中に鉄筋が入っているため、ランプは赤く表示され、音が鳴ります。最近の住宅では密に鉄筋が入っているため、ほとんどの場所で音が鳴ります。

こういった床下や基礎のチェックについては「住宅の基礎のひび・クラックは幅とどの方向にひびが入っているかを確認しましょう」の記事でも解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

次のページはこちら 「3-02-09.水がある場所にシロアリがわく訳ではない」

このページでお話ししました内容の一部を動画でも説明してみました

今回お話ししました内容の一部を動画でも解説してみました。その動画がこちらです。

よろしければ動画もご確認ください。

ふくろう不動産では古い建物の基礎は金属探知機で鉄筋をチェックします

ふくろう不動産では建物が問題ないかどうかを確認するために、金属探知機を使用しています。古い建物では基礎に鉄筋が入っているかどうかを簡易的に確認するためにこの探知機を使用しています。

探知機は基礎や建物を壊すことが無く、かつ短時間で確認できますので、お客様が購入検討されている戸建住宅については必ずチェックするようにしています。当社で使用している金属探知機については、こちらのページをご参照ください。「2-03.金属探知機で分かること」

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