住宅情報サイトなどで物件を調べていると、物件詳細情報のページで、「都市計画」「用途地域」「建ぺい率」「容積率」という言葉が出てきます。これらは重要な内容ですので、簡単に読み流してはいけません。
住まいが建てられるのは市街化区域だけです
まず「都市計画」の欄ですが、住まいが建てられるのは原則として「市街化区域」だけです。例えばその土地が「市街化調整区域」にあった場合、原則として建物の建築はできません。
農業や漁業を行うために必要な建築物であったり、土産物店であったりと特別な用件を満たせば建築は可能ですが、通常の住宅を考えている人は該当しませんので、この地域は見送らなければなりません。
そのような土地は売られていないだろうと思われるかもしれませんが、結構な率で市街化調整区域の土地や戸建住宅が売られています。
お手元に戸建住宅のチラシなどがあるようでしたら、いくつか参考までに見てください。エリアにもよりますが、時々市街化調整区域で販売されている土地を見つけることができます。チラシの見かたについては「3-02.戸建住宅や戸建て用の土地販売のチラシの見かたをマスターしましょう」を参考にしてみてください。
また、「都市計画区域外(その他)」も住まいをお考えの方にはお勧めしないエリアです。こちらは建物の建築は可能ですが、インフラ設備、つまり上下水道や電気などが通っていないエリアも多数あります。
その場合、自分の費用でこのようなインフラを整備しなければなりません。仮にインフラが整備されていたとしても、メンテナンスの費用など考えなければならないことが多くあるため、特別な理由がない限りはお勧めできないエリアとなります。
用途地域も事前に見ておきましょう
「都市計画」の欄が市街化区域の場合、「用途地域」というものが設定されています。
用途地域は全部で12種類ありますが、工業専用地域でなければ住宅の建築は可能です。用途地域ごとにどんな建築物であれば建てられるかという決まりがあります。
用途地域のイメージが分かりやすいように、この用途地域はこんな感じといった表を下記に記載しました。なんとなくのイメージを感じていただければと思います。
住まいはもちろん住居系の用途地域がお勧めです
住居系の用途地域はたくさんありますが、街を見ていても第1種、第2種はあまり違いを感じません。一般の方はざっくりと、「低層住居系」「中高層住居系」「住居系」の3つで考えても問題はないと思います。
他の「準住居」「商業系」「工業系」は特別な理由がない限りは住宅用地としてお勧めしていません。普通に生活する分には住居系の方が生活しやすいと思います。
先に地図を見て、後に現地を見ることで用途地域のイメージを覚えましょう
しかし、表や絵を見ただけで強くイメージすることは結構難しいと思います。そこで、実際に購入を考えているエリアの用途地域図を見て、この用途地域はこういった雰囲気なんだ、と体感する方が確実です。
用途地域図は役所などで購入できますが、最近ではネット上に公開している自治体も多いので、そのサイトにアクセスすることで、無料で確認が可能です。千葉市でもネットで公開していますので、下記サイトも参考にして下さい。
千葉市地図情報システム
他のエリアであっても、地名と用途地域図といった検索ワードで調べることで、首都圏であれば大半の用途地域図を確認することができます。
用途地域を知ることで将来の姿をイメージしやすくなります
購入検討地の用途地域を確認することはあっても、用途地域図まで見る人はあまり多くありません。しかし私は、この用途地域図を事前に見ておくことをお勧めしています。
購入予定地の用途地域をピンポイントで確認しても、周辺環境が今後どのように変わっていきそうかということは通常分かりません。
しかし用途地域図を見ることで、周辺がどう変わる可能性があるのか、例えば高い建物が建つ可能性や、騒がしい商業施設の建設の可能性などを、ある程度推測することができます。
計画道路の有無と通る位置を知り、正体の騒音の可能性を予測しましょう
また、計画道路がどの場所にかかっているかの確認もできます。現在は静かな住宅地であっても、すぐ近くに計画道路が通っている場合、将来的には周辺の交通量が増え、騒音が激しいエリアになる可能性も出てきます。
上の地図でも右上から左下にかけて都市計画道路が通っているのがお分かりでしょうか。現地を見ても一部は道路、一部は通常の住宅が建っているだけで、この部分が将来大きな道路になる感じが全くしません。
購入対象地が都市計画道路上にあれば、買主に告知しなければなりませんが、近くを通るくらいですと何も知らないまま売買することもあり得ます。
しかし大きな道路が物件のすぐ近くを通ることで周辺環境が大きく変わることもあります。実際には計画道路は計画のみで実際に工事が行われないことも多いのですが、大きな道路が通る可能性があることは知っておくべきことだと思います。
このような内容は対象地を見ているだけでは分かりません。住まいは数十年単位で生活していく場所です。将来どのような形に変わっていくかを考えながら、場所を決めなければなりません。用途地域図はその予測のためにとても役に立つ地図です。事前に見ておくことを強くお勧めします。
次のページはこちら 「10項.建ぺい率や容積率についても把握する」
このページの内容の一部を動画でも説明しています
このページの話を動画でも説明してみました。その内容はこちらです。
よろしければ、動画もご確認ください。
ふくろう不動産では用途地域の説明をした上で、お客様に物件を選んでもらいっています
ふくろう不動産では、お客様に用途地域図の見かたやメリットデメリットなどを詳しく説明しています。こういった情報を知っていただいた上で、購入の判断をしてもらっています。ここでは書ききれない内容も多数ありますので、分からない点はどんどん質問していただきたいと思います。
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