2015年2月の国会で、省エネ住宅エコポイントの制度が正式に承認されました。それを受けてこのページでは、この制度について簡単に説明したいと思います。

この省エネ住宅エコポイントは2015年10月21日の受付をもって、終了となった様子です。ですので、このページは過去の参考として読んでもらえますよう、お願いします。

平成24年に実施されていた住宅エコポイントと似ていますが、違う点もいくつかあります。住まいを購入しようとしている皆さんは、何を知っておけばよいのかについて、お話します。

現金ではなく、商品券などと交換できるシステムです

省エネ住宅ポイント交換可能商品

前回の制度もそうでしたが、今回のポイントも現金ではなく、地域振興券などの商品券と交換になるようです。
出典:国土交通省

他のポイント制度と同様に、補助は現金で支給される訳ではありません。地域振興券や商品券などで受け取る形式となります。

国が用意した資金を使い切れば終わりとなるシステムです

省エネ住宅ポイント対象期間

注意しなければならないのは、予算を使い切った段階で終わりとなる制度だということです。
出典:国土交通省

上の表では、工事の完了は予算成立日以降と書かれています。この予算は2015年2月3日に成立しましたので、この後に工事が完了した物件であれば、問題なく対象となります。

気を付けなければならないのは、終わる期限が明確ではないことです。これは予算の執行状況に応じて公表、と書かれていますが、要は予算を使い切った段階で終わる制度だということです。いつ予算を使い切ることになるかは誰にも分かりません。私の考えでは早ければ7月頃に終了するのではないかと思っています。

完成済み新築住宅にも省エネ住宅ポイントが使えます

従来制度との違い

表の中に赤字で書かれている部分が、以前の制度と違う点です。
出典:国土交通省

以前も住宅エコポイントがありました。ただその時の制度は震災後の復興支援という要素も含んでいましたし、国内の住宅のエコ性能を上げたいという意識が強い制度だったように感じます。

しかし、今回の制度はエコ性能を上げるとともに、景気対策という色合いも強くなっています。そのため、この省エネ住宅ポイントを発行する範囲が広くなっているため、今まで使えなかった建売住宅でも使用可能になりました。

上の図の赤字で書かれている部分が、前回の制度にはなく、今回から導入された部分ですが、以前の範囲はそのままで、さらに新たに適用できる範囲が増えたことが分かります。

リフォーム工事でも省エネ住宅ポイントが使えます

発行ポイント数

条件を満たした新築であれば一律30万ポイントもらえます。リフォームその内容ごとにポイントが付きます。
出典:国土交通省

エコ住宅と認められた新築住宅は一律30万ポイント、つまり30万円分の商品券などが支払われます。それと比べリフォームは、各々の改修ごとに決められたポイントが与えられます。リフォームの場合上限が30万ポイントとなっていますが、セットで耐震改修を行った場合には、別枠で15万ポイントが与えられるようです。

3種類以上という制限はあるもののエコ設備改修でもポイントが使えます

設備エコ改修

5種類の中から3つ以上設置しなければならないという条件があります。
出典:国土交通省

以前のエコポイント制度では、設備エコ改修だけではポイントを得られませんでした。しかし今回の制度では、指定された5種類の中から3つ以上選ばなければならないという制限があるものの、設備だけの改修であってもポイントを得ることができます。

すこし紛らわしいのは、「太陽熱利用システム」です。「太陽熱利用システム」は「太陽光発電」とは別物です。太陽光発電システムを導入しても、省エネ住宅ポイントは得られませんので、注意してください。

また、3つの設備の選択ですが、一般的には「節水型トイレ」と「節湯水栓」の2つにもう1つ何かを組み合わせることになると思います。先の2つは、今の新しいトイレや水栓であれば省エネタイプになっていますので、ほとんどの場合は新しいものに代えれば済みます。

後1つは皆さんの好みで決めることが多いかもしれませんが、効果的なのは「高効率給湯機」の中から「エコジョーズ」を選ぶか「高断熱浴槽」を選ぶのが良いのではないかと思います。

太陽熱利用システムは大掛かりなシステムですし、耐震性や防水性にも影響を与えます。その割には太陽光パネルを屋根に載せる工事の際に、耐震性などにあまり配慮されていない印象を受けます。新築時からきちんと計算されて組むシステムでないのであれば、リフォーム時に付けるには少しリスキーな設備だと思います。

また高効率給湯機は種類によっては騒音問題を引き起こす可能性があります「エコキュートの騒音問題を国が初めて認めました 」「3-02-20.給湯設備で知っておいた方が良いこと」参照)。
エコキュートの騒音問題は最近色々なところで話題になっています。またエコウィルもエンジンを使うため、それなりの音がします。これらの問題がはっきりとしないうちは、積極的に導入すべき設備ではないのではないかと私は思っています。

もちろん最終的な判断は皆さんが行うものですが、設備の選択にはそれなりにリスクがあるものだと知っておきましょう。

効果が高いと思われるのは窓の断熱改修です

断熱改修

コストパフォーマンスが1番高いのは窓の断熱改修ではないでしょうか。
出典:国土交通省

これは以前の制度にもありました。個人的には断熱改修、特に窓の断熱改修はとてもコストパフォーマンスが高いと思います。

中古住宅の欠点の1つに、断熱性が低い建物が多いということが挙げられます。そして断熱改修はそれなりにコストがかかります。ただ戸建住宅の場合熱が逃げていくのは窓が中心です(「3-02-18.プロもあまり詳しくない断熱について知っておきましょう」参照)。

窓から逃げていく熱を減らすだけでも快適性は大きく違います。そしてこの窓の断熱改修だけでも省エネ住宅ポイントが付きます。これをうまく使うことで、安い費用で快適性を大きく上げることが可能ではないかと思っています。

前回同様にセットで他の工事分にもポイントが付けられます

エコリフォームの対象工事プラス分

エコリフォームとプラスで耐震改修や中古住宅の購入資金にも使うことができます。
出典:国土交通省

また、エコリフォームとセットで行う工事や、中古住宅の購入資金に対してもポイントを付けられます。ただし元々のエコポイントの上限が30万ポイントですので、エコリフォーム分だけで使い切ってしまうケースの方が多いと思いますので、他の工事でポイントを使える可能性は低いかもしれません。

唯一の例外は耐震改修工事が入る場合です。この場合のみ、上限の30万ポイントとは別枠で15万ポイントを得ることができますので、もし購入した住宅が耐震上問題がある建物の場合には、こちらの制度を使えるかどうかを確認した方が良いと思います。

次のページはこちら 「2-05.経済的かという観点から見たマンション選び」

ふくろう不動産では補助金も含めてお客様が損しないように情報を提供しています

ふくろう不動産は売買仲介専門の不動産会社です。仲介業が中心ですので、省エネ住宅ポイントを使えるような工事を行う訳ではありません。

ただこのような補助金は知らないというだけで、単に申請をしなかっただけで損するということが良くあります。当社のお客様にはそのような損をしてほしくありませんので、分かる限りの情報をお客様にお知らせするようにしています。

他にも住まい給付金や長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金などもあります。

ふくろう不動産では、このような質問も含め、皆様からのご質問やご相談を随時受け付けています。ご相談の連絡をしたからと言って、後で当社からしつこい営業の連絡を行うこともありません。ご相談などは「お問い合わせフォーム」などをご利用の上、ご連絡ください。

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