代表的なポイント2つの他に、細かな注意点が4つあります

土地の値段が高いのか安いのか判断するために、
1.成約価格を知ることで相場観を身に付ける(「2-03-01.その土地は高いのか安いのか」参照)
2.路線価図を見ることでその土地ならでは評価を調べる(「2-03-02.路線価図を目安に金額を判断しましょう」参照)

の2つを見てきました。
ですが、他にも注意しなければならないポイントはたくさんあります。
注意ポイントすべてを説明することはできませんが、代表的な注意点4つについて説明します。その4つとは
a)想定通りの建物が建つか
b)事故はなかったか
c)埋設物はないか
d)同じ前面道路でもその土地だけの違いはないか
です。

土地の面積が広くてもイメージする建物が建たないケースがあります

まずはa)の想定通りの建物が建つかどうか、です。言い方を変えると使える土地かどうかということになります。皆さんが土地を購入される場合、当然その上に建物を建てる訳ですが、土地によっては本来求めている建物が建たないこともあります。

変な家のイメージ

敷地の形状や法律の制限などによって、想定した建物が建たないことがよくあります。

例えば「間口が狭いため、建物の形が限定される」ですとか、「敷地の端に擁壁があり、敷地の端から○メートル離して建物を建てなければならない」といったケースです。

いわゆる旗竿地(敷地延長された土地;前面道路に2m強接しており、奥で広い敷地とつながっている)も面積の割には想定通りの建物が建たないということがあります。例えば竿の部分は敷地までの通路や駐車場として使うことはできますが、この部分に建物を建てることはほとんどできません。この場合、実際に使える、つまりは建物建築で使える部分を考えながら金額を補正して考えることになります。

またこれらの条件によっては、そもそも建物が建てられないという土地もあります。
法律の規制で建物が建てられない場合、例えば土地が市街化調整区域にある場合には、その土地に住宅を建てることは原則としてできません「3-01-09.街の発展度合いを予測するために都市計画図を事前に見ておきましょう」参照)。

新築の戸建住宅でも、市街化調整区域に建てられた戸建住宅は普通に販売されています(「3-02.戸建住宅や戸建て用の土地販売のチラシの見かたをマスターしましょう」参照)。その場合は将来建替えできるかどうかを、市役所などの公的な機関で確認しなければなりません。

また敷地に接している道路が建築基準法上認められた道路でなければ、同様に建物を建てることはできません(「3-01-07.道路の幅や状況によって家が建たないこともあります」参照)。

その場合の土地の値段は住宅地としてはゼロです。このような土地の場合には、仮に現在建物が建っていたとしても、建替えできない可能性が高い土地です。この条件は、仲介する不動産会社に必ず確認するようにしてください。

事故物件であれば、不動産の価格が大きく下がることもあります

次にb)の事故についてです。不動産でいう事故物件とは、その土地・建物で自殺者が出たり、殺人事件があったり、火災による焼死者がでたりした土地・建物のことです。

このような事故については、売主に告知義務があり、重要事項説明時に伝えなければならないことになっていますが、どこまで話さなければならないかという基準があまり明確ではありません。

事故物件の公開を行っているサイトもありますので、そちらも参考にしつつ、より詳しい情報を仲介業者に調べてもらうよう依頼しておきます。
事故物件公開サイト:大島てる

大島てるのサイト

出典:大島てる

埋設物が埋まっている場合は、不動産価格から撤去費用を引いて考えるべきです

何かが埋まっている

土地に何かが埋まっていると、撤去費用などが必要となることもあります。

c)の埋設物も意外とよくあります。代表的なものが浄化槽で、下水道が開通する前に利用しており、下水道が開通後は排管自体はつなぎ直したものの、浄化槽はそのまま埋めたまま、というケースです。

土地の購入後、新たに建物を建築する際にその浄化槽を掘り起し、その後地盤を固めるなどの作業が発生する分、通常の土地よりも後々余分な費用が発生します。その分売買価格から金額が下がっていないと結局その分損をすることになります。

ゴミ置き場など、その土地だけの条件を見落とさないようにするべきです

ゴミ置き場のイメージ

d)のその土地だけでの違いは細かな話ですが、人によっては大きなマイナスポイントになります。代表的なものはゴミ置き場の位置です。誰しも自宅の前がゴミ置き場であればよい気はしません。

夏場であればにおいも気になります。エリアにもよりますが、ゴミ置き場がきちんとした置き場としていれば見た目ですぐに分かりますが、単に電柱の下がゴミ置き場になっている場合、気が付かないこともあります

また、近隣の方との関係や境界で揉めている場合など、後からトラブルになりそうな状況であれば、その分売買価格を考え直すか、そもそも契約自体どうするかも考えなければなりません(「3-01-05.敷地の境界票・境界線は必ずチェックする必要があります」参照)。

実は他にも色々な条件によって、土地の価格は変わってきます、このページでは代表的な例を挙げましたが、実際の土地選びの際には、担当の不動産会社の営業マンに詳しく聞いてみてください。

次のページはこちら 「04項.インフラや道路付けによっても価格は異なる」

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