換気設備については、チェックしなければならないポイントはそれほど多くありません。もっとも換気設備が熱交換型の1種換気となれば、確認しなければならないことも増えますが、普通の換気扇や普通の3種換気システム(給気は自然吸気で排気は機械換気)であれば、換気扇そのものが空気を吸い込んでいるか、排気は外に出ているか、給気口から空気を吸い込んでいるかを見れば十分です。
排気の換気扇はA4の紙を貼り付ける程度の力は必要です
住宅の換気扇であれば、特に風量チェックなどは行いません。一般的な排気能力を考えると、A4の紙1枚は吸いつけて離さない程度の能力があります。仮にこの換気扇が古くて壊れていたとしても、取り換え費用は数万円単位ですので、大きな問題になることはあまりありません。
換気扇に十分な能力があれば、A4の紙程度であれば簡単に貼り付きます。あとはこの排気がきちんと外までつながっていれば問題ありません。ただ、この排気ダクトが外れていたり、外の排気口までダクトがつながっていないという事は時々あります。
ユニットバスであれば、天井に点検口が付いていることが多く、そこから浴室の排気ダクトがつながっているかどうかを確認できるのですが、在来工法などで作られた浴室では、天井点検口がないケースも多く、その場合は排気状況を確認することは難しくなります。
天井点検口が無い場合、ダクトの接続を確認することができません。その場合には、外に付けられている排気口から空気が流れているかどうかを確認します。ただ、排気口も手が届かない場所にあることが多いので、長い棒の先に紙を付けて、空気の流れを確認することになります。
キッチンの排気も紙の貼り付きで確認ができます
キッチンの場合でも換気扇にA4の紙が貼り付く程度の力があれば、通常は充分な換気量があると思われます。ただ、キッチンにはレンジフードもありますので、きちんとレンジフード内の空気を排気しているかどうかも確認したいところです。
中古住宅のチェック時に実際に行うことはできませんが、何か煙が出るものがあれば、煙の流れである程度排気状況を確認することができます。ためしに自宅で蚊取り線香を焚いてみたのが次の写真です。
A4の紙を貼り付けるだけの力があれば、当然周辺の空気を外に出す力があります。煙の流れで見ても、明らかに換気扇方向へ流れ始めることが分かります。
換気扇単体であれば、変な低周波音は出ていないようです
当たり前ですが、換気扇は使用中に音が出ています。普通は利用時間は短時間ですので、気になる方は少ないと思いますが、2003年以降の住宅では24時間換気システムが取り付けられているため、寝ている時間まで動いているとなると、気になる方は気になると思います。
実際の換気システムの音は換気扇の機種の違いや、ダクトなどの設置によって音が異なりますので、どのシステムでどのくらい音が出ているかは簡単には判断できません。また、外の風の流れによっても音が異なることも多いため、1度の計測では分からないこともありそうです。
試しに壁付けの換気扇の音について調べてみました。それなりに音はうるさく、A特性でも50dB以上の音が出ています。
ただ幸いなことに、特定の周波数だけ音圧が高いということがありませんでしたので、低周波音被害が出やすいタイプの音ではない印象です。
ただ、1度低周波音を感じられるようになると、このような音でも不快に感じることもあるようですので、一律に大丈夫とも言えません。
低周波音を感じられる方は、24時間換気システムが入っていない家か、あるいはシステムがあったとしても、システムを手動で止めることができる家を選ぶ方が危険が少ないように感じます。
24時間換気システムは切ってはいけない、となってはいるのですが、実際にはうるさいので止めている、という方もたくさんいらっしゃるようです。
24時間換気システムは元々シックハウス対策のために考えられたものですが、それが今度は低周波音被害のような別の問題に影響するようになるのは皮肉な感じを受けます。
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換気システムなどについては、当社での調査事例が少ないため、まだ分からないことも多いのですが、より詳しい状況が分かり次第、このページも随時更新していきたいと思います。
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