01項では街についてお話ししました。これは土地といいますか立地で資産価値がある程度決められてきますので、その点についてお話ししました。この02項では建物の資産価値はどうなのかについて、お話しします。

このページの後半では、この話を動画でもまとめています。動画の方が良いという方は、そちらをご覧ください。

建物の資産価値がどのくらいのものなのかは、あらかじめ知っておかないと、後で後悔することになりかねません。

日本では建物に資産性を期待することができません

立派な建物イメージ写真

りっぱな建物であっても、日本では古い建物にあまり資産価値が付きません。

建物の経済性については、「4節.経済的かという観点から見た建物(戸建)選び」でも説明しますが、建物自体はあまり資産性を望めません。特に戸建住宅の場合は、建築時に多額の費用をかけて建てたとしても、10年後、20年後の資産価値は普通の住宅とさほど差がつきません。

例外もありますが、建物はハウスメーカーが建てたとしても、建築家の設計であっても、一定期間経過した後の建物の資産価値はあまり差が出ないのです。

これは日本独自の状況のようで、海外では中古の方が価値が高いというケースもたくさんあるようです。

建物に費用をかけるのは経済性のためではなく、快適性アップのためです

だからと言って、建物にお金をかけてはいけないと言うつもりはありません。資産価値の差は出なくても、その期間の生活における快適性に大きな差が出るからです。

考えてみてください。最高の立地と思われる場所で、建物は安っぽく使い勝手も悪い戸建住宅に住んでいるケースを。経済性を考えればこのケースはとても優れています。10年後に売却しても、損が出ることはあまり無いでしょう。しかしその10年間の生活は楽しめたでしょうか。経済性ばかり優先しても生活の質が大きく下がっているのでは何のために住まいを買ったのか分からなくなってしまいます

戸建住宅は周辺環境や利便性以外の部分は、建物のレベルで快適性に大きな差が出ます。外装や内装の質感であったり、デザインであったり、温熱環境の快適さであったりと、かけられる費用によって大きく異なります。ただ、資産性については差が出ないということだけは念頭に置いて下さい。

建物はお金をかけても資産価値は変わらない

土地と建物について、イニシャルコストと将来の資産価値との関係を模式化したものです。実際にはこのケースに当てはまらないものもたくさんあります。

買う立場から見れば割安で住宅を手に入れることが可能です

安いイメージイラスト

建物は不当に安く評価されていると思います。しかし逆から見れば、お買い得という事になります。

一方建物を買う側から考えれば、これを逆手に取れば良い買い物ができる可能性が高くなります。戸建住宅は一定期間経過すると、評価額は大変安くなります。20年近く経過した建物であれば、評価額がゼロに近い金額となることも珍しくありません。

しかし実際には築20年であっても問題がない建物、しっかりとした建物も数多くあります。このあたりの見極めができれば、割安で戸建住宅を手に入れることが可能です。

経済的に、という考えで見れば、このやり方は結構お勧めです。資産価値はなくても利用価値の高い建物を割安で手に入れることも可能です。つまり経済的にどうかという視点で見れば、新築住宅よりも中古住宅の方がトクをするケースの方が圧倒的に多くなります

この章(第2章)は経済的かどうかという切り口で見ていますが、単に何でも安ければよいとは考えていません。安全性や快適性とのバランスを見つつ、どこにお金をかけるのが良いかを考えていくべきです。

ただ中古住宅は経済的に見るとメリットが多いので、あとは安全性と快適性をどうするか考え、うまくバランスが取れるのであれば、有力な選択肢として考えられます。

安全性はインスペクションか保険でまかなうことができます

健康診断のイメージ

インスペクションは建物健康診断のようなものだとお考えください。

安全性については、インスペクションを受けるか、瑕疵担保保険に加入することで対応が可能です。瑕疵担保保険は以前は新築のみでしたが、今では中古住宅であっても加入が可能となりました。

ただしこの保険は不動産の売買契約前に手続きをしなければならないなど、注意しなければならないことがいくつかあります。詳しくは仲介する不動産会社に確認しなければなりませんが、詳しくない営業マンも多くいますし、契約解除の可能性が高くなるため、瑕疵担保保険の加入を嫌がる営業マンや会社も結構あります。

しかし瑕疵保険などの内容にも詳しい不動産会社を選べば問題はありません。費用は検査と保険料を合わせて15万円くらいが目安でしょうか。金額はそれなりにかかりますが、中古住宅自体の価格が安くなっているため、これでも十分経済的にはトクと思われます。

快適性は浮いた費用である程度まではカバーできます

家具のイメージイラスト

中古住宅を買うことで浮いたお金を家具の購入などに回すことができます。家具は本当に室内の雰囲気を大きく変えます。

快適性についても、中古住宅を選ぶことによって浮いたお金である程度はカバーすることができます。デザイン的な要素について言えば、水廻りも含めた住宅設備の交換と家具の選択によって雰囲気を大きく変えることも可能です。

戸建住宅の構造的な分と雨漏りなどの問題がなければ、デザイン的なリフォームにそれほど大きな費用がかかる訳ではありません。リフォームの内容にもよりますが、300万円もあれば、かなり好みのデザインに変えることが可能です。

そして、新築と中古の戸建住宅の価格差は300万円よりはるかに大きな差となることが多いので、経済的に考えると、中古住宅を購入してリフォームする方がトクすることが多いようです。

雰囲気の良い家具や照明は本当に家の雰囲気を大きく変えます。これらの家具などの費用と、新築と中古の費用差を見つつ、どの選択が一番自分の快適度合いが高いのかを考えながら、新築にするのか中古にするのかを考えてもらえればと思います。

快適性のもう1つ大きな要素である温熱環境については、残念ながら新築と同レベルにするのは難しいと思われます。もちろん断熱改修も可能ですが、大掛かりなリフォーム工事となる可能性が高く、本来のメリットである経済性が大きく損なわれるからです。

もっとも最近ではこちらもある程度カバーできるようになってきました。内窓商品が増えてきたからです。断熱と言いますと断熱材を連想される方も多いと思いますが、一番熱損失が大きいのは窓です。

建物のつくりにもよりますが、冬場の熱損失の6割弱は窓から出ています。リフォーム用の内窓商品が増えてきたことで、温熱環境についてもある程度はカバーできるようになりました。

もちろん最終的に新築を選ぶか中古を選ぶかはお客様次第です。ただ、どちらが経済性と快適性などのバランスが取れていて、どちらが望ましいのか、ということを一度ゆっくり考えてみて良いと思います。

次のページはこちら 「03項.住宅ローンで破綻しやすいタイプの人は?」

また、このページで説明した内容を動画でも説明してみました。よろしければこちらもご覧ください。

ふくろう不動産では瑕疵担保保険に加入できる仕組みを整えています

このページでは、中古住宅の瑕疵担保保険の加入について、お話ししました。ただこの中古住宅向けである既存住宅瑕疵担保保険はあまり知れ渡っていません。

これは不動産の売買契約前に手続きをしなければならないことや、瑕疵担保保険に加入できなかった時には売買契約自体が解除となる可能性もあるため、不動産業者が積極的に勧めにくいからです。

しかし、ふくろう不動産は、買主のためのエージェントの立場で、なるべく瑕疵担保保険に加入することをお勧めしています。

またこの瑕疵保険に加入できるかどうかの検査と一緒に、フラット35というローンが使えるかどうかの適合確認も行うことが可能です。フラット35を使うことで、固定金利でローンの返済が可能となります。

ふくろう不動産は「既存住宅流通サポートサービス」という制度に登録しているため、大手不動産会社と比べても遜色のないこのようなサービスを受けることが可能です。

瑕疵保険に入れるかどうかの検査は税別で5万円から、フラット35の適合確認込みで6万円からこのサービスを受けることが可能です。実際に瑕疵保険に入ることになった場合は、合計で15万円くらいからとなります。詳しい金額については、お問い合わせください。検査費用は安いものではありませんが、それでも新築との価格差などを考えれば十分以上に元が取れる価格ではないかと思います。

さらに、瑕疵保険だけではなく、住宅設備の修理や保証サービスも行っています。こちらは修理金額の上限を決めたサービスとしていますので、ずるずるとお金が出ていくという危険がありません。これは設備ごとに金額を設定していますので、詳細はお問い合わせください。シロアリの検査や保証も行っています。

このような形で、中古住宅であってもお客様に危険が及ばないよう、様々なサービスを用意しています。ここで示しましたのは、買主であるお客様にご提案できるサービスの一部です。他にもお客様にメリットのあるサービスを多数用意しています。失敗しない不動産探しでは、ぜひふくろう不動産をご活用ください。連絡をお待ちしております。

またふくろう不動産では皆様からのご質問やご相談を随時受け付けています。ご相談などはもちろん無料です。「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ふくろう不動産までお気軽にご連絡ください。

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