総支払額から購入可能金額を計算すると戸建住宅の方が高い物件が買えます

マンションの場合は戸建住宅と異なり、毎月管理費と修繕積立金を支払うことになります。また、自家用車を所有している場合には駐車場も借りますのでその費用もかかります。

これらの費用は戸建住宅にはない費用です。このこと自体は皆さんも理解されていると思います。ですが、この管理費と修繕積立金などを購入価格に換算するといくらになるかを考えたことはあるでしょうか。

同じ支払では戸建住宅の価格の66%相当のマンションしか買えないこともあります

2015年1月時点のフラット35の千葉銀行設定の金利は1.72%となっています(20年超、9割以下、手数料定額の場合)。これを次の条件で借り入れしたとしましょう。

返済期間:25年
金利:1.72%
ボーナス返済なし

これですと月々の支払いは8万2,100円となりました。
戸建住宅であれば、原則としてこの支払いで2,000万円の借入ができるということになります。

2000万円の借入で25年返済

2,000万円を25年返済として考えた場合、月々の支払いは82,100円という計算になりました。
出典:住宅金融支援機構

もしこれがマンションで、管理費などの費用を込みで同じ支払と考えた場合はどうでしょう。これも仮に1か月あたりの費用が、
管理費:1万円
修繕積立金:8,000円
駐車場代:1万円
とすると、合計で2万8,000円の費用が月々かかります。

先程の8万2,100円からこの2万8,000円を引くと残りは5万4,100円ですね。この支払額でできる借入金額は1,318万円となりました。借入金額は66%です。

1318万円の借入で25年返済

先程の例と実際には月々の支払額は同じです。ですが、管理費などを差し引くとローン返済分は54,100円となり、借入金額は1,318万円に減ります。

マンションと戸建住宅を同じ価格で検討してはいけません

もし頭金として用意できる金額が500万円あったとすれば1,808万円のマンションを購入する支払能力があるのであれば、2,500万円の戸建住宅を購入できます。

実際に月々払っている金額は同じです。ですので本来はマンションと戸建住宅を同じ価格で高いか安いかの比較をしてはいけないのです。
(厳密には固定資産税や都市計画税などが違いますので、もう少し細かな計算が必要です)

マンションには管理費や修繕積立金がかかるということはみんな知っています。しかし、この支払い分がいくらの借り入れに相当するかを計算する人はあまりいません。先程のシミュレーションでは借入金額に682万円の差が出ました。

この金額差は金利と借入期間によって異なってきます。金利は安ければ安いほど、また返済期間は長ければ長いほど価格差は大きくなります。イメージしやすいように一覧表を作ってみましょう。

返済額1万円当たりの借入相当額

返済額が1万円増えると、借入金がいくら増えるかの目安表です(あくまでも概算です)。

皆さんがどのくらいの金利で借り入れされるかは分かりませんが、仮に平均1.8%とすると、25年返済で1万円あたりで241万円の借入額の差になります。

管理費と修繕積立金が合計で2万円あれば、482万円の差です。このマンションが3,000万円だとすると、3,482万円の戸建住宅を買っても、月々の支払いは変わりません

35年返済で考えている人は、3,622万円の戸建住宅を買う場合と変わらないことを理解しておく必要があります。マンションと戸建住宅の両方を検討している人は、単に価格だけではなく、支払額で高いか安いかを見なければなりません

清掃(管理人イメージ)

管理費があることを知っていても、それがローン相当でいくらに該当するかを計算する人はあまりいません。

駐車場の料金が高いマンションは特に注意が必要です

特に駐車場については注意が必要です。上のシミュレーションでは駐車場の料金を1万円で計算しましたが、少し立地が良いマンションであれば2~3万円の駐車料金も珍しくありません。

駐車場代が2万円を超えるとなると、管理費や修繕積立金と合わせると借入相当額は1,000万円近くになります。このくらい金額差が出ると、少し利便性が悪くなる戸建住宅と比較できるようになります。どちらを選ぶかは皆さんの価値観によりますが、比較できる、ということを知っていた方が良いでしょう。

個人的な見解では、車好きでずっと自動車を所有していたいという方にはマンションはあまりお勧めできません。駐車場代を考えると戸建の方が割安になることが多い点や、マンションの敷地内駐車場には問題を含んでいるものも多いからです(「2-05-07.マンションの敷地内駐車場に問題が潜んでいることがあります」参照)。

自動車イメージ

私は車好きの方にはあまりマンションをお勧めしていません。立地の良いマンションは駐車場代が高く、それをローン換算すると結構な金額になるからです。

マンションはババ抜きの要素があるため、資産性を考えればなるべく立地の良いマンションを買うべきです。そして立地が良いということは車が無くても不便はありません。そして、マンションの敷地内に駐車場がなければ、駐車場管理のための管理費や修繕費を浮かすことができます。

結果としてますます資産性が高いマンションになりやすいのです。購入するのであれば、このようなマンションを選ぶべきだと思います。そしてこういったマンションを選ぶ方は、本当に趣味の一環としてお金を掛けられる人だけが車を持つ、ということにした方が経済性は優れていると思います。

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ふくろう不動産では管理費や修繕金も踏まえた資金計算と物件提案を行います

ふくろう不動産は千葉市花見川区にある売買仲介専門の不動産会社です。お客様がマンションをご希望されている場合には、管理費や修繕積立金の内容も見たうえで、お客様に物件の提案を行っています。

管理費についての注意点は、「2-05-06.マンションの管理内容によって資産性も変わる」のページを、修繕積立金については、「2-05-05.マンションの経済性を考えるために修繕積立金について深く理解する」のページも参考にしてください。

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