ひとつ前のページでは建物の構造上壁が大変重要である旨の説明をしました。このページでは壁だけでなく床も構造上大きな要素であるため、どのような建物に注意しなければならないかを説明します。

建築基準法では床の剛性についての決めごとはありません

構造の話になると壁を強くすれば充分ではないかと思われがちです。建築基準法でも壁についての解説はありますが床の強さについては特に触れられていません。

床の剛性について説明があるのは住宅性能表示の2や3の基準であり、性能表示の1のレベルである建築基準法では床の剛性についての取り決めはありません

しかし床は単純に重さを支えているだけではありません。地震や風など横からの力を耐力壁に伝える役割もしています。ですので、吹き抜けなど床が無い部分については構造的に弱くなりがちです。

小さな吹き抜けであれば問題ありませんが、一辺が4m以上の大きな吹き抜けでは特別な補強を行わないと構造的には弱くなってしまいます

吹き抜けの説明図

大きな吹き抜けは解放感がありますが、構造という点から見れば弱くなります。

床も壁と同様に床倍率という考えがあります

また床も単純にあれば良いというものでもありません。耐力壁と同じように床にも硬さが必要で、そのつくり方によって硬さ=剛性は異なります。

床のつくり方は根太を入れるかどうかで分けられ、一般的には根太を入れずに構造用合板などを直接梁などの横架材に釘で打ち付ける方が剛性が高くなります。最近はこの床のつくり方が増えているようです。

もう1つは根太を使う方法で、この根太の梁をどのように組むかでも床の剛性は異なります。少し専門的になりますので詳しく覚える必要はありませんが、床にはこのように剛性が高いものと低いものがあると覚えておけば良いでしょう。

半欠けの写真

根太と梁をお互い少しずつ欠き込んで繋げています。根太レス工法と比べると床の剛性は弱くなります。

埋木の写真

半欠けの床ですので、根太レス工法よりは剛性は低いのですが、埋木などで少しでも剛性が上がるようにしています。

上の写真は、1階の天井がそのまま2階の床となっています。半欠きと呼ばれる根太を使った組み方で根太を付けずに構造用合板を貼ったタイプよりも床剛性は落ちます。その代わりに根太に太い木材を使い、埋木で根太が動くことを防ぎ、剛性を上げているようです。

中古住宅ではこういった床組は床材など仕上げ材があるため直接見ることは難しくなっていますが、1階天井面から確認できる場所があれば、見てみることでどのような床になっているかが分かります。

図面があればどのような床にしているのか、また何mmの構造用合板を床に貼っているかなど書かれていますので判断ができますが、中古住宅で図面がなければこういった判断ができません。その場合は吹き抜けの有無や、2階床に傾きやたわみがないかどうかのみで判断することになります。

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このページでお話ししました内容の一部を動画でも説明しています

このページでお話ししました内容の一部を動画でも解説してみました。その動画がこちらです。

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ふくろう不動産では家の傾きなどを見ることで剛性の目安を考えます

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