2015年3月8日に政府は電気火災を減らすという目的で、感震ブレーカーの設置を建て主に要請することを決めたというニュースを見ました。

最終的にどのような形式で感震ブレーカーの設置の普及を目指すのかは分かりませんが、このページではその前の話、電気火災について説明したいと思います。

放火を除けば電気火災はタバコの火に次ぐ発生原因となっています

火事のイメージ

電気器具による火事の件数は決して少なくありません。

火事と言えば、たばこやコンロ、石油ストーブなどから起きるというイメージがあります。そして、この火事の危険が少ないという理由でオール電化住宅を選ぶ方も多いと聞きます。

ガスや石油などの暖房器具を使う場合よりは電気器具の方が火災の危険性が少ないかもしれませんが、電気が火災について安全かといえば、決してそうではありません。

統計資料を見ますと、原因にコンロとかストーブなどと書かれており、これがすべてガスコンロや石油ストーブと思ってしまいがちですが、コンロにはIHクッキングコンロが、ストーブには電気ストーブも含まれています。

そこで、電気製品による火災、という切り口でまとめてみると、電気火災はたばこに次ぐ火災原因となっています。
未然に防ごう!電気器具火災 総務省消防庁より

消防庁の動画で様々な電気火災の事例が紹介されています

消防庁が公開している電気火災の事例では「電気ストーブ」「電気こたつ」「IHコンロ」「電子レンジ」「延長コード」「コンセント」などからの出火事例について解説されています。

こんなところからでも火が出るのか、と驚かされる動画も多いので、ぜひ1度ご覧になってみてください。

電気火災を防ぐには

出典:消防庁

電気火災の原因は意外とコンセントや照明などが上位にきます

電気火災の原因

出典:東京消防庁

電気火災の原因は電気ストーブや電気クッキングヒーターは予想できましたが、「コンセント」「蛍光灯」「差し込みプラグ」「白熱電球」などの理由もそれなりの原因となっています。

コンセント周りで起きるトラッキング現象には注意しましょう

コンセントや差し込みプラグでの火事が多いのは、トラッキング現象による火災が多いためと思われます。

トラッキング現象とはプラグに付いているほこりなどがスパークを繰り返し、そのうちに発火することで火が出る現象のことです。冷蔵庫の後ろでほこりだらけになったコードをイメージすると良いでしょうか。

電源をつなぎっぱなしでほこりが溜まっている場所で起きやすいため、定期的にプラグを掃除するなどの対策が必要になります。

火事が起きやすいコード周り

延長コードがまとめて縛られているため、熱を持ちやすくなっています。またコンセントが集中しているのも良くありません。

また普段使っていない電気製品はコンセントを抜いておくと、火事の危険を減らせます。また、たこ足配線や、延長コードを束ねておくなどして、1部分に熱が集まりやすい設置の仕方をしていると、そこから発火する可能性が高くなります。

照明器具が原因で起きる火事には理由が複数あります

照明器具もあまり火事とは関係が無さそうに感じるだけに、意外な気がします。しかしいくつかの理由があって、照明器具からも火事を起こす可能性があります。

照明器具自体が劣化して、発火することがあります

理由の1つ目は照明器具自体の劣化です。照明器具の寿命は設備としては長い方ですが、機械ですので劣化は避けられず、この器具自体が熱を持ったり発火したりすることがあります。

また照明器具自体の不良で火が出るケースも、まれにですがあるようです。これを避けようと考えると、照明は人の目が届く場所に設置し、焦げているにおいなどを感じたらすぐに点検する、という対処が必要だと思います。

この観点から考えると建築家住宅でも多く使われている間接照明は、普段目に付かないだけに通常以上の注意が必要となります。

照明器具の近くには燃えやすいものは近づけないようにしましょう

理由の2つ目は証明の近くに燃えやすいものがあるケースです。照明器具はそれ自体結構な熱を持ちます。

LED電球などは熱が出ないと考えている人も多いと思いますが、それは間違いです。LED電球もそれなりに高い熱を出します

そもそもLED電球でよく見かけるプラスチックのひだは熱を発散させやすくするものです。前面では熱が低くても、後ろの部分で高い熱を出していることもありますので、LEDだから安心という訳ではありません。

この照明器具自体に熱があるため、衣類や寝具、紙製品などが近くにあると、それが燃え、火事になることがあります。照明器具のすぐそばで洗濯物を干している状況も、火事を起こしやすくしています。

また、照明をDIYで変更する際に、燃えやすいカバーなどを付けることで火がつくケースもあるようです。照明器具は火事とイメージが結びつき難いので簡単に考えている人も多いと思います。その油断がこの火事理由の多さにつながっているのではないかと思います。

また先程注意を促した間接照明についても、照明の周りに燃えやすいものが無いか、ほこりなどが溜まらないか、熱が逃げるような設計がされているかどうかなど、考えられた設計であるかどうかに注意しましょう。

照明器具の安定器に不具合が出るケースがあります

これはランプ型の蛍光球からLED球に交換する際に起きやすい事故です。

蛍光灯用の照明器具には安定器と呼ばれる放電を安定させる装置が付いています。しかし、この蛍光灯用機器のランプをLED球に交換すると、安定器が正しく動かず、回路に過電流を流してしまい、発火するという可能性があります。

これを避けるために、元々蛍光灯専用の照明器具を使っている場合には、その取扱説明書などを良く読んで確認し、問題がありそうであれば、LED球への変更をあきらめるか、照明器具自体を変更するかにして、無理な球の交換を行わないようにしてください。

照明器具サンプル

照明器具も良く見てみると、火災のおそれありと書かれています。また指定以外のランプも使用禁止と書かれています。見落としがちですが、照明器具はもともとそのような製品なのです。

この記事の一部を動画でも解説してみました

このページでお話ししました内容の一部を動画でも解説してみました。その動画がこちらです。

よろしければ、動画もご確認ください。

ちょっとした知識で災害を避けることができます

ここまでお話ししてきたように、電気火災はちょっとした注意で防ぐことができます。ただこの注意も知らないと気を付けることもできません。

消防庁のサイトでは他にもいろいろな火事の原因や注意点について書かれています。動画も多く掲載され、分かりやすく作られていますので、ぜひ1度目を通しておくことをお勧めします。

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