このページでは購入対象としているマンションの売られている価格が相場通りなのかどうか、考えてみたいと思います。

不動産の価格は3つの要素から決まると言われています

3つのポーズ

マンションの価格を決める要素は3つあります。

そもそも不動産の価格はどのように決まるかという話ですが、不動産鑑定評価基準によると3つの価格から求めるもの、となっています。
3つの価格とは、積算価格、比準価格、収益価格の3つです。

原価の積み上げで決まる価格は供給者の論理で決まる価格です

積み上げのイメージ

新築のマンションであれば、この積み上げの感覚が価格に反映されます。

原価を積み上げていったらこの価格にしなければなりません、という供給側の論理で決まる価格が積算価格です。消費者目線で考えれば、いくら原価がかかっているかはどうでも良いと感じられるのですが、新築の分譲マンションなどは結構この原価の影響で価格が決まる部分があります。

例えば2007年前後の新築マンションは全体的に高い傾向にあったと言われていますが、その理由の1つに、2004年前後は土地などの仕入れ価格が高くなっていたため、その分マンションの新築価格に反映されたのではないかと言われています。

比準価格は周りの物件価格との比較から決まる価格です

比較のイメージ

中古マンションであれば、ほとんどは周りとの比較で価格が決まります。

それと比較すると、同じ時期である2007年前後に販売された中古マンションは、それ以前と比べると価格が上がってはいるものの新築マンション程の大きな差ではありません。中古マンションの場合は、原価積み上げではなく、比準価格、つまり周りの物件との比較で価格が決まることが多いからです。そういった意味では、中古物件の方が割と相場に近い価格で決まることが多いと言えそうです。

逆に新築の販売価格を考える時、この中古物件の価格を見ることで多少なりとも価格の妥当性が判断できます。新築マンションが中古価格と比べてあまりにも高い場合は割高の可能性があります。逆に時期によっては中古とほとんど変わらない価格で、新築マンションが売りに出されていることもありますので、その場合の新築マンションは割安の可能性が高いと言えます。

入ってくる家賃から利回りを計算して考える価格が収益価格です

他の価格の考え方の1つ、収益価格ですが、これは賃料などから利回りを計算して価格を出す方法です。この利回りは、投資物件の検討では必ず出てくる話です。

これは例えば家賃が月10万円のマンションが3,000万円で販売されていたとしたら、年間の家賃収入は120万円ですので、それを3,000万円で割った数値、4%が利回りとなります。実際にはこれに経費などを引いた数値である実質利回りで、投資をして良いかどうかを考えます。

もちろん利回りが高い方が割安な物件である可能性は高くなります。しかしその想定した家賃がずっと同じ金額で得られるかどうかは分かりませんので、単に利回りの数値だけで決める訳にはいきません。

ただ、マンションの場合、ある程度賃貸市場が確立しています。ですので、相場かどうかの判断基準として、利回りの計算は行った方が良いと思います。また何かトラブルが起きた場合、将来貸さなければならない、という自体も起こり得ます。その時のためにも予めどのくらい賃料が取れるのかも知っておいた方が良いと思います。

この章の部分を動画でも解説してみました

ここまでお話ししました内容の一部を動画でも説明してみました。その動画がこちらです。

よろしければ、動画も参考にしてください。

中古マンションの価格は比準価格で決まるケースが大半です

さて、比準価格ですが、これがマンションの相場を考える時に1番使われる方法です。

マンションの価格が相場と比べて高いどうかを判断する際には、新築同士で比べることもありますし、中古物件の価格と比較するという方法もあります。本来は同じ条件のもの、新築であれば新築同士を比較するのでしょうが、中古物件と比較して価格を判断する方法も有効です。と言いますか、資産性を考えるのであれば、必ず中古物件とも比較すべきです。

特に将来の資産価値を考える場合、つまり将来そのマンションを売却することになった場合、そのマンションは当然中古マンションです。その中古がいくらで取引されているかを知ることは、将来売却時の価格予想にもなります。

新築マンションの購入を考えている方は、新築同士で価格の比較を行いますが、中古との比較をされる方はあまり多くありません。最終的に新築を買うと決めている方であっても、資産性があるかどうかという観点から、中古物件の価格を調べてみると良いと思います。

問題なのは比較対象となる中古マンションの価格が正確に分からないことです

分からないイメージ

問題なのは周辺の不動産価格が正確には分からないということです。

この際に問題となるのは、中古物件の価格を正確に知ることが難しいことです。インターネット上で中古物件の情報が掲載されていますが、売り出し価格と実際の成約価格とは大きな差が出ていることがよくあります。成約価格は不動産仲介会社しかデータを持っていないことが多いので、一般の方が正確な情報を得ることが難しくなっています。

新築と中古を並行して探している方は、中古物件探しを依頼している仲介会社に確認すればそれで良いのですが、新築のみ探しているかは情報を得る手段がありません。

ただ、ざっくりとした内容で問題なければ、「REINS Market Infomation」というサイトで平米単価がいくらで契約されたかを確認することができます。新築のみ探していて、仲介会社と付き合いのない方はこちらを事前に見ておくと良いと思います。
「REINS Market Infomation」(別ウインドウで開きます)

公開情報をインターネット上で調べる場合は、suumoやHome’Sといった物件情報サイトや、マンションの価格に特化したサイトである「住まいサーフィン」などで調べることが可能です。特に住まいサーフィンはマンションのデータが豊富にそろっていますので、マンション購入を考えている方は、1度は見た方が良いと思います。

住まいサーフィントップ

新築・中古を問わずマンションの評価や査定額を公開しているサイトです。
出典:住まいサーフィン

比準価格は他の物件との比較で価格を考える方法ですが、その比較も簡単そうで意外と難しいものです。マンションはある程度はパターン化で考えられますが、それでも全く同じ物件という訳ではないため、少しの違いでいくらの金額差となるかは、一般の方が判断することは難しいかもしれません。

そこで査定の際に使われる評点表を基に、比較計算のやり方を覚えておきます。実際にはもっと細かな項目で査定を行いますが、とりあえず一般の方は大体このような感じ、と考えておけば問題ありません。

査定の考え方を知ることで、ある程度価格の付き方を理解できます

経過年数や徒歩分数による評点の違い

マンションの価格査定につかう評点表の参考例です。全ての会社でこのような評価方法を採っている訳ではありませんし、実際にはもっと細かな内容を詰めたうえで計算しています。しかし、金額差の目安には十分になるかと思います。

この評点は、他の細かな点数を合計して、比較対象のマンションとの評点比率で価格を計算するのですが、一般の方がこの評点だけを見て、その判断を行うことは難しいと思います。

そこでざっくりとした判断ですが、比較対象マンションと評点の差を、価格の差額率と考えて計算しても大きく違わないと思います。例えば築年数以外の条件が概ね同じであれば、
比較対象のマンション 築8年 評点4.0
購入検討のマンション 築6年 評点8.0
なのであれば、評点差は4.0ですので、比較対象としているマンションが2,000万円であれば、4%UPの2,080万円と考えるということです。この評点は原則としてマンションの専有面積当たりの単価で計算しますので、面積が異なれば、その分割り戻して計算を行います。

比較対象のマンション
築8年(評点4.0) 徒歩4分(評点3.0) 面積80平米 2,000万円
だとして、
購入対象のマンション
築6年(評点8.0) 徒歩8分(評-3.0点) 面積90平米
だと仮定します。

比較対象のマンションは平米単価が25万円になり、評点は4.0+3.0)ですので、7.0です。
購入対象のマンションは評点が8.0+(-3.0)ですので、評点5.0です。差は2.0ですので、比較対象のマンションの単価25万円より2%安いと考えると単価は24.5万円になります。

購入対象のマンションは面積が90平米ですので、このマンションの相場金額は2,205万円前後と想定されます。あくまでも想定ですが、何も基準が無く考えるよりも実際の相場に近い金額が導き出されると思います。

比較する場合、比較の基になっているマンションとの差は、もちろん築年数だけではありません。駅からの距離やマンションの主要開口部の向き、建物のレベルや周辺環境など色々な要素があります。

一般の方がすべてをチェックするのは大変ですので、とりあえずの比較では、築年数と距離のみ比較すればとりあえずは十分ではないかと思います。

上の表では、築年数と駅からの歩いた場合の分数のみ記載しましたが、立地がバス便の場合はバスの所要時間、バス停から歩いた場合にかかる分数、バスの運行頻度などが計算されます。

そういった細かな部分まで計算して比較したい方は次のページでより詳しい査定内容を記載しますので、そちらをご覧ください。ですが、まずは立地について考えるだけでも十分役に立ちます。

次のページはこちら 「2-05-03.マンションの相場を知るために査定内容を学ぶ」

ふくろう不動産ではマンションの実際の相場を報告したうえで、お客様に判断してもらっています

ふくろう不動産はお客さまが不動産購入で失敗しないために、様々なサービスを用意しています。このページではマンションの売買相場を知るための方法を提案していますが、ふくろう不動産ではお客さまが検討されているマンションの周辺の相場についてもきちんと調べ、その内容を報告しています

これは当たり前と思われるかもしれませんが、意外とそうではありません。一般的な不動産会社では相場観を口頭で説明されるケースが多いと思います。

ふくろう不動産では、過去1年の実際の取引事例を見てもらった上で、相場についての説明を行います。このようにお客様にきちんと相場や資産性について知っていただき、最終的な判断をしてもらっています。

また、他にも細かな項目についてを考え、各々の項目についてどういった金額評価をしているかも詳しくお客様に説明しています。詳細については、ふくろう不動産までご連絡ください。

また、ふくろう不動産では皆様からのご質問やご相談を随時受け付けています。ご質問やご相談はもちろん無料です。ご相談などを受けたからといって、後で当社からしつこい営業を行うこともありません。ご相談などは「お問い合わせフォーム」などをご利用の上、ご連絡ください。

不動産購入のご相談はふくろう不動産まで

CTAの画像
まずはメールにてご相談ください。