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3-02-11.戸建住宅の屋根は形と材料と劣化状況を確認しましょう

この記事の所要時間: 1015

戸建住宅の屋根は安全性や経済性に関わる重要な要素です

このページでは戸建住宅の屋根で注意しなければならないポイントについて解説します。新築住宅を建築する際に屋根で考えることと言えば、どういった材料にするか形をどうするかの2つのではないかと思います。

屋根は陸屋根より傾斜屋根の方が防水上安全です

屋根の形は、傾斜を付ける形の屋根であれば切妻、寄棟、片流れの3つで概ねカバーできると思います。これとは別に屋上を設けたい家では陸屋根という傾斜が無い屋根を作るケースもあります。

安全という切り口から考えれば、屋根はシンプルな形の傾斜屋根の方が安全です。最近は屋上を有意義に使うために陸屋根が作られるケースも増えているようですが、雨漏りのしやすさでは傾斜屋根には劣ります。

傾斜がある屋根であれば水は当然下に流れていく訳ですが、陸屋根であれば防水シートが100%防水機能を受け持つことになります。通常の傾斜屋根であれば多少の不備があっても水が入りにくいのですが、陸屋根は防水施工に少しでも問題があればそこから水が入る可能性があります

陸屋根の例1

陸屋根は屋根面を有効に利用できるというメリットがあります。しかし傾斜屋根と比べると、防水性には劣る可能性が高くなります。

また陸屋根は、屋上として使用することによる劣化や、屋根面が水平であるがために、水が長時間滞留したり、紫外線も多く受けたりと屋根面にとって良いことがあまりありません。

さらに屋上緑化などを行うため土も入れてしまうと日常の湿気が高くなり、躯体が腐朽する可能性など問題が起きる可能性がさらに高くなります。

一部の建築家はキューブ型といった真四角の建物を好みますが、防水性能をどう考えているか疑問に思える建物もたくさんあります。安全と言う面からみれば、通常の傾斜屋根の方がお勧めです。

雨漏りしやすい建物についてのページもありますので、よろしければそちらも参考にしてください。
「4-02-01.雨漏りしやすいタイプの戸建住宅について知っておきましょう」参照)

屋根に谷ができる形の屋根は雨漏りの危険性が高くなります

また傾斜屋根と言っても屋根の形状が複雑な場合は問題です。特に問題になりやすいのは屋根面に谷がある場合です。

谷がある屋根の形

谷があるタイプの形の屋根は、谷が無い形の屋根と比べると、施工が複雑になることと、水が一部部分に集まりやすい形になりますので、その分雨漏りの可能性が高くなります。

L字形の建物ではその接合部分が谷上になるのですが、その部分は水が集まりやすいため、通常以上に気を付けて防水対策を行わなければなりません。しかし、形が複雑なため、防水工事や板金工事でミスが出やすいため、この部分は雨漏りしやすい部分となります。

また屋根の通常の部分よりも水が多く流れる場所であるため劣化も早い場所になります。谷部分は金属で板金工事を行うことが多いのですがその金属部分にサビなどが発生すれば将来穴が空くこともあります

その下の防水層がきちんとしていれば、すぐに雨漏りとなる訳ではありませんが、それでも一般の屋根よりも雨漏りの可能性は高くなります。形状はとにかくシンプルな方が防水と言う面では安全な形です。

片流れの屋根は開けている方の壁の防水が気になります

通常の傾斜屋根で谷がない簡単な形であれば、危険は少ないのですが、片流れの屋根については風向きによって壁面に雨が大量に当たることがあります。

片流れの屋根は高くなっている方の1面が屋根と壁の間に雨が当たりやすいため、この部分の防水を念入りに行わなければなりません。これもその際ミスがあれば雨漏りの原因になります。

この片流れの屋根は太陽光発電パネルを設置しやすいという理由からここ数年急激に増えています。住宅金融支援機構では5年毎に屋根の形についても調査を行っていますが、平成24年度には初めて片流れの屋根形式が寄棟の形式よりも数が上回りました。
「フラット35住宅仕様実態調査報告 屋根について」より

屋根の形状調査報告

10年以上前は寄棟が一番多い形式でしたが、最近では切妻、片流れに次ぐ3番目の形式となりました。太陽光パネルの普及が進んだことや、屋根裏の活用がしやすい屋根形状が好まれたためと思われます。

太陽光パネルを入れる場合は片流れの方が太陽の向きを考えて広くパネルを設置でき、便利という利点はあります。ただ、防水面を考えるとパネルの設置はリスクが高くなりますし、片流れ自体も寄棟や切妻と比べると漏水リスクは少し高くなりますので、その点は予め知っておいた方が良いと思います。

個人的な意見としては太陽光パネルを設置しない普通の切妻形の屋根が安全面では一番すぐれているのではないかと思っています。

太陽光パネルを設置する場合の注意点などについては「4-02-02.太陽光発電システムにはデメリットも多くあります」のページも参考にしてください。

屋根材は今やスレート瓦が主流です

次に屋根の材料について考えてみます。
先程と同じ統計で屋根材についても調査結果があります。

屋根葺き材の材料調査報告

スレート瓦が1番多いのですが、全国で見れば粘土瓦と金属屋根もそれなりにシェアがあります。

粘土瓦、いわゆる普通の瓦が予想よりも多いな、と思っていましたが、首都圏だけで見ればやはり圧倒的にスレート瓦の方が多くなります。

屋根葺き材の材料エリア別

首都圏だけで見れば、3分の2がスレート瓦です。デザインの問題もありますが、コストの影響が大きいのではないかと思います。

粘土瓦は重いため構造上不利ですが、実質的には違いが無いケースが大半です

安全性という切り口で考えれば、粘土瓦はスレート瓦や金属よりも重いため、他の条件が同じであれば耐震性は弱くなります

ただし、他の条件が同じであれば、という前提があまり成り立ちません。建売住宅などはほとんどがスレート瓦を採用しています。スレート瓦は材料自体のコストが安いうえに、粘土瓦よりも傾斜の緩い屋根を作ることが可能であるため、トータルでコストを下げることが可能だからです。

さらに構造体も粘土瓦と比べて弱い構造体でも建築基準法の規定を満たすため、さらに安く建物を作ることが可能だからです。

例えば建築基準法上で1階の壁は床面積1平米あたり、スレート瓦の建物では29cmの長さの構造壁が必要ですが、粘土瓦では33cmと10%以上余分に構造壁を取らなければなりません。

全ての建売住宅がそうだとは言いませんが、コストとの兼ね合いで構造は最低レベルで良い、として建築すれば、必要な耐力壁も最低限の設置となります。その結果、現実的には粘土瓦の建物もスレート瓦の建物も構造的な安全性はそれほど違わないことが多いと思われます。

最近不人気の粘土瓦ですがメリットもあります

長期的な点を考えると粘土瓦も充分にメリットがあります。メリットの1つは耐久性です。

粘土瓦は割れたりしない限りは原則として交換や表面に塗料を塗り直すという必要がありません。そのため粘土瓦は1度屋根を葺くとその後のメンテナンスコストがあまりかからないため、経済的には他の屋根材よりも優れています

それと比べますと、スレート瓦は10~15年で表面の色が退色し、塗り直しなどが必要になるケースが良くあります。ただこれは美観上の問題で、色が悪くなったからといって、すぐに雨漏りするとか屋根が壊れ始めるということではありません。

金属屋根についてもその材料によって耐久性は大きく異なりますが、10年前後で塗り直しをしなければならない金属屋根も結構あります。こちらは放置しておくと屋根自他に穴があくこともありますので注意が必要です。

屋根はある程度傾斜がある方が防水上のメリットがあります

もう1点屋根の材料による違いは屋根の傾斜角度です。これも全ての建物に当てはまる訳ではありませんが、粘土瓦の方が屋根の傾斜が急です。

屋根の傾斜が急である方が屋根自体の面積も増え工事費が高くなるというデメリットがありますが、屋根は角度がある方が水はけが良いため雨漏りのリスクは低くなります

もっとも角度があり過ぎると、具体的には5寸勾配よりも急な傾斜の屋根になると、屋根の取り換えや塗り替えなどの際には足場を組まなければならなくなるため、ランニングコストが急激に高くなるというデメリットもあります。

こういった内容を考えれば、構造的に1番強いのはスレート瓦や金属屋根のように軽い材料で屋根を葺き、構造体は重い屋根でも耐えられる構造体とし、傾斜は5寸勾配と充分な傾斜を取る、という事になるのですが、残念ながらそういった建物はあまり見ることができません。しかし、屋根の見かたについては参考にしてもらえればと思います。

中古住宅の場合は屋根の形の変化もチェックします

最後に中古住宅の場合は、屋根の形の変化も確認します。中古住宅の屋根は実際に上って確認することができませんので、少し遠くから双眼鏡か何かで確認することになります。

棟がまっすぐではなく、波打っていたり、反っていたりする場合には構造体に何らかの問題が出ている可能性がありますので、より注意して建物をチェックする必要があります。

また屋根材が瓦系であれば割れていないか、ひび割れがないか、また金属系であればサビが発生していないか、穴が開いていないかなど見える範囲でチェックする必要があります。この材料の劣化が激しい場合は、建物の他の部分にも問題がある可能性が高いため、このような中古住宅は原則としてお勧めしません。

そもそも屋根材は簡単に割れるものではありません。それが割れているということは何かしらの問題が発生していると思われます。見にくい場所なので屋根の全ての部分をチェックすることは難しいかもしれませんが、できる範囲で見ておきたい場所です。

次のページはこちら 「3-02-12.カギと防犯の基礎知識を得ておきましょう」

このページの話を動画でも公開してみました

このページでお話ししました内容を動画でも説明してみました。その動画がこちらです。

よろしければ、動画もご確認ください。

ふくろう不動産では、屋根形状も含めた建物チェックを行っています

ふくろう不動産は売買仲介専門の不動産会社です。当社を通じて不動産の取引を行うお客様には、屋根の形状チェックも含めた建物診断を無料で行っています。このページでお話ししました屋根についてのチェックも行い、お客様に正しい情報を提供しています。

また、不動産仲介とは別に、建物診断のみを単体でも行っています。これは有料の建物診断ですが、雨漏りについては、サーモグラフィカメラを使用し、雨漏りの有無をチェックしています。

詳しくは「6-03.戸建住宅のインスペクションの費用と内容について」のページをご覧ください。また、建物診断とは何かを知りたい方は「ホームインスペクション(建物検査)とは何かをご存知ですか?」のページをご覧ください。

また、ふくろう不動産では皆さまからのご質問やご相談を随時受け付けています。ご相談などはもちろん無料です。ご相談を受けたからといって、後で当社からしつこい営業の連絡をすることもありません。ご相談などは「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ご連絡をお願いします。

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