マンションは管理を買いましょう、とはよく聞く言葉です。ですが実際に何を見れば管理状況が分かるのかは、分かりにくいと思います。

マンションの管理状況は実は色々な場所で確認できるのですが、このページではベランダを見て分かることや、ベランダを見る時に何に注意したら良いかというお話をします。

ベランダは共用部分であるということを再度理解しましよう

まず、マンションのベランダは専有部分ではなく、共用部分だという事を理解しなければなりません。共用部分はマンション所有者全員の持ち物ということですので、勝手に改造したり、規約に反する使い方をしてはいけません。

ベランダに増築

ベランダ部分を勝手に増築して部屋にしてはいけません。

最近の分譲マンションで見ることはめったにありませんが、昔はベランダ部分に増築して部屋を広げるということがありました。ベランダは、火事の時の避難通路も兼ねていますので、人が通れないようなものをベランダ上に置くことはできません。ましてや建物を作ってはいけません。

また、マンションのペットのページでもお話ししましたが犬小屋の設置や犬のトイレの設置も禁止されているケースが多くあります。犬のブラッシングも不可となっていこともよくあります(「4-03-02.ペットに対する管理規約や使用細則を確認しておきましょう」参照)。

共用部分は使い方の取り決めがしっかりと決められている事が多いので、規約などは事前にきちんと確認しておきましょう。

ベランダの利用状況によってはいざという時に逃げることができません

さすがにベランダ部分への増築は、最近の分譲マンションではまずありません。しかし、避難に支障をきたすレベルのものが置かれていることが時々あります。ひどい場合には粗大ゴミ置き場となっていることもあります。

ベランダが粗大ゴミ置き場

ベランダが粗大ごみ置き場となっています。向かって左側の住戸からは右側の住戸の方へ逃げることはできないでしょう。

ここまで悪い例ではなくても、本来避難経路である横の目隠し部分にモノを置いている人は、それなりの確率でいます。マンションでは、いざ火事などの時にベランダから逃げなければならない時があります。その時には隣の目隠し部分を蹴破って逃げなければなりません。

しかし、ベランダの目隠し部分にモノが置かれている場合は、そのモノの大きさや置かれている状況によっては、その場所を通ることができなくなってしまいます。

この目隠し部分を蹴破って逃げるということはめったに起きないことでしょうが、そのめったに起きないことが起きた場合には生命の危険すらあります。隣地のベランダの使用状況は必ず確認するようにしましょう。

小型の倉庫や植栽

避難経路となる目隠し部分に、上の住戸は小型の物置、下の住戸では植栽があります。上の住戸は避難できないかもしれませんし、下の住戸は避難が可能であっても通りにくくなっています。

左右だけでなく、上下階のベランダもチェックします

ベランダは避難通路という面もありますので、両隣のベランダに、いざという時には目隠しを蹴破って棟ならなければなりませんから、両隣のベランダの使用状況は確認しておきましょう。そして可能であれば、自分で購入予定の上下の住戸のベランダも確認します。

避難経路と関係がないと思うかもしれませんが、下の階は避難経路となることもあります。

避難ばしごの降ろし口

マンションのベランダには、下のベランダに降りるための梯子を下すハッチがあります。

これは全ての住戸のベランダにある訳ではありませんが、同じ階のベランダのどこかには、下のベランダに降りるためのハッチがあります。そしてこのハッチから梯子を降ろし、下に降りることができます。

ですが下のベランダに倉庫や他の何かが置かれていると、その梯子が降りないことがあります。ハッチの形式によっては、梯子が降りないとハッチ自体が開かないタイプのものもあります。

ですので、自分の住戸にハッチがあればその下のベランダを、同じ階の他の住戸にハッチがある場合には、その下の住戸を見ておく必要があります。

では、自分のベランダにハッチが無い場合や上の住戸についてはどうでしょうか。避難経路と言う点で考えると、ベランダの使い方によって自分の避難経路に問題が出るということはありません。

しかし私は自分の住戸の上下階の人のベランダの使い方も見るように提言しています。それは上下階の住戸に住んでいる人が、どのようなタイプの人であるかを推測するためです。

ベランダに倉庫などを置いている人は、軽い気持ちで置いているのかもしれません。しかし目隠し部分を塞ぐことは、火事の時には人の生命すら左右する重大な規約違反です。

ですが違反をしている本人は悪いことをしているという意識がないため、かえって問題がやっかいです。悪いという意識が無いため、直そうという気持ちが出てこないからです。

中古マンションを購入する場合は、既に周りの住戸に人が住んでいるケースが多いと思いますが、両隣や上下階の住戸のベランダの使い方に問題がある場合は、通常以上に周辺の人がどんな人であるかのヒアリングを徹底するようにしてください。

ベランダの使い方が悪い人が、必ず人に迷惑をかけるタイプであると断言できる訳ではありませんが、それなりに自己中心的なタイプの方である可能性があります。

そのようなタイプの方が上下左右のどこかに住んでいる場合には、避難経路については問題が起きなくても、音の問題や他の問題でトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。

快適なマンション生活を送るためには、周辺の人とうまくやっていく必要があるのですが、隣人や上下階の方がこのタイプの方ですとうまく付き合える可能性が少し下がります。これが変な人であった場合、マンション生活の快適度合いは本当に大きく下がります。

近隣住戸の人となりを全て確認することはできませんが、見える範囲でどういった人であるかを推測することは可能です。ベランダの使い方にもそれなりに、その人の性格などが出てきますので、周辺のベランダを見ることができる範囲で、チェックしておきましょう。

マンションのベランダチェックは外から行います

ベランダは外から見る

ベランダは外から確認します。カメラの望遠レンズなどがあれば、なお確認しやすくなります。

このベランダのチェックですが、近くから見ることができれば問題ありませんが、隣の住戸を覗き込む訳にはいきません。また通常の目隠しは下の部分が開いており、その気になればそこから覗き見ることも可能ですが、人によっては、その隙間を塞いでいる方もいます。

仮に塞がれていなかったとしてもプライバシーの問題がありますので、覗き込みはお勧めしていません。また、上下階のベランダも確認しなければなりませんので、結局外から確認することになります。

これはマンションの手すりがどのようなタイプであるかにもよりますが、格子状の手すりや、半透明の板があるタイプであれば、外からでも十分確認できます。

コンクリートで覆われている場合には正確なチェックは難しくなりますが、それでもある程度の高さがあるモノが置かれているかどうかは確認できます。望遠カメラなどを使わなくても、普通のデジカメで撮影し、後から画像を拡大するだけでチェックが可能です。ぜひ試してみてください。

マンション全体のベランダの使用状況が悪い場合には更に注意が必要です

残念なことですが、どのマンションであっても100%問題なくベランダが使われているといこうとはあまりありません。ただ、このような使い方をしている人が1件ではなく、それなりに多いようであれば、管理体制に問題があるか、住人の意識に問題がある可能性があります。

問題があるベランダ

一定の率でベランダの使い方に問題がある方はいます。問題なのはそれが自分の住戸の近くなのか、その割合が高いのかです。

管理組合がきちんと機能している場合には、ベランダの使用方法に問題があると、すぐに改善要求が出されます。ただ管理組合や管理人さんが気が付かないことも多く、1件くらい問題があるマンションはよくあります。

しかしこれが複数の住戸で問題がある使い方をしている場合には、管理人のチェック能力が低いか、マンション全体として、住人のモラルが低い可能性があります。

ベランダで問題がある使い方をしている人が多いのであれば、そのマンションの購入を再度考えた方が良いかもしれません。金額や立地が条件に合ったとしても、周辺の方とうまく付き合えなければ、結局は快適度合いが下がります。

たかだかベランダの使い方1つで、と思われるかもしれませんが、一事が万事と言うこともあります。マンション購入は色々なバランスを見て決めなければなりませんが、管理能力が低いマンションは他にも色々なトラブルに巻き込まれることもあります。マンション購入は高い買い物ですので、念には念を入れて考えるようにしてほしいと思います。

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