実際の調査の前に、インターネット上で地盤について調べられることを見ておきましょう。

前のページでは、地形図の見かたを勉強しました。
この02項では、地盤についてより詳しくわかるサイトを紹介します。

ページの最後には、この内容を説明した動画も入れましたので、記事を読むのが面倒な方は、動画をご覧ください。

朝日新聞の地盤についてのページは見やすくてお勧めです

地盤については自治体を筆頭に多くのサイトで見ることができますが、私がお勧めしたいのは朝日新聞の地盤について確認できるサイトです。
朝日新聞 揺れやすい地盤(別ウインドウで開きます)

朝日新聞揺れやすさが分かるサイト

朝日新聞の揺れやすさが分かるサイトで、当社がある場所を調べた結果表です。表層地盤増幅率が1.556と良い数値ではありませんが、首都圏としてみれば悪くない数値です。

使い方が簡単で、都道府県名、市区名、町名を入れるだけでその地域の揺れやすさの目安が分かります。
防災科学研究所の見解では、この増幅率が1.6以上であれば地盤が弱いと示しています。残念なことに首都圏では結構多くの地域が1.6以上の増幅率となっており、基本的に地震に強いエリアでないことが分かります。

さらに2.0以上の軟らかい地盤(このサイトで示している濃い赤色の部分)では、より注意が必要とされています。埋立地あたりでは、2.0以上のエリアが多く見受けられます。

首都圏で生活をする以上、本当に地盤が良い土地を手に入れるのはかなり困難です。できる範囲で硬い地盤、増幅率の低い数値のエリアに、目安として増幅率1.6以下のエリアを選ぶことをお勧めします。

地盤の強さと一緒に液状化の危険性も調べておきましょう

このサイトでもう1つ確認しておきたいのが、液状化のエリアです。地図の下の方に「液状化の被害があった地点」という項目があり、そのチェックボックスにチェックを入れると、地図上に液状化があった場所が赤や青の丸で示されます。

過去の液状化のエリアが次の地震で必ず液状化するというわけではありません。しかし何度も液状化しているエリアというのも確認されているため、一度液状化した地域は将来も液状化現象が起きる可能性が高いという説もあります。

過去の地震で液状化したエリアは、湾岸部に集中しており、ロケーション的には良い場所も多いのですが、液状化の危険も高いとあらかじめ知っておいてください。

液状化対策も完全なものは現時点ではありません

液状化対策として、固い地盤まで杭を打ったり、水が逃げる道などを作って建物が沈まないような工法も色々と研究されています。ただ、これらの対策の中で実際に効果があるのかどうか、疑問に思える工法もたくさんあります。実験では効果が認められても、実情はうまくいかないということが多々あるからです

また、戸建住宅であってもマンションであっても、その敷地のみ液状化対策の効果が出たとしても、水道やガスなどのインフラが液状化のせいで止まってしまえば、実際にはその場所に住むことが難しくなります。

液状化は敷地だけでなく広い範囲で影響が出ますので、敷地単体の対策だけですと対処しきれないことが多くあります。

もちろん液状化対策で効果があり、財産や命を守れるケースも多いので、それ自体否定するものではありませんが、液状化対策の技術に過度の信頼を置くことも危険ではないかと思います。ですのでより安全性を強く意識するのであれば、液状化を起こしやすそうなエリアは避けて選ぶ方が無難です。

液状化のエリアが分かりにくい場合は、各々の自治体のサイトを確認します

前述の朝日新聞のサイトだけでは、液状化の可能性のエリアが少しわかりにくいので、より詳しく知りたいという方は、下記のサイトも参照して下さい。
千葉県市町村別液状化しやすさマップ(別ウインドウで開きます)

千葉市の液状化しやすさマップ(巨大地震・震度6強の場合)

サイトでは、市町村別に液状化しやすいエリアに色を塗っています。巨大地震の場合や直下地震の場合など、ケースごとに液状化しやすい場所が微妙に異なります。

細かな地盤調査データも確認しましょう

朝日新聞のサイトでは大まかな地盤の強さを確認した後は、さらにこまかく地盤について調べていきます。これには地盤調査会社である(株)ジオテックが公開している「地形で見る軟弱地盤マップ」です。
ジオダス 地形で見る軟弱地盤マップ 千葉市花見川区

花見川区作新台近辺の地盤調査結果マップ

当社がある千葉市花見川区作新台近辺の地盤調査結果の概略です。同じようなエリアでも場所によって地盤補強が必要な場所とそうでない場所があります。ただ、必要な箇所の比率が高いエリアは、地盤が弱い可能性が高いと考えた方が良さそうです。

これはジオテックが実際に地盤調査を行った調査結果を公開しているサイトです。皆さんが購入を検討している土地その場所の地盤データがあれば確実ですが、そうでなくとも、近い場所の地盤データを見ることで、より安全なエリアかどうかの判断が付きやすくなります

本来であれば、土地の購入前に地盤調査を行い、地盤の状況を確認してから買うか買わないかと判断を行いたいところですが、日本ではそのような商習慣になっておりません。

交渉によっては、売買契約前に地盤調査を行うことが可能なケースもありますが、通常は不可とされている場合が多く、購入してから自分で調べなければならないことが大半です。

最終的に自分で調べるにしても、極力悪い地盤の土地を選ぶ率を減らすべく、上記のようなサイトで事前にチェックしておくことをお勧めします。

最近では(株)ジオテックだけでなく、ジャパンホームシールド(株)でも地盤調査データを公開しています。私も最近ではこちらの方を参考にすることが増えています。サイトのサービス名は「地盤サポートマップ」です。こちらも事前に見て置き、危険と思われるエリアはより注意してチェックするか、予め地盤改良費を見込んでおきましょう。

次のページはこちら 「03項.地震以外の災害の方が実は多い?」

このページの話を動画でも解説しています

このページで説明しました内容を、動画でも解説してみました。よろしければ動画もご確認ください。

この地盤に関するページと「3-01-01.地図や地形図の見かた・調べ方をマスターしましょう」の両方を見るだけでも、土地の見かたは大きく変わると思います。どれも無料で確認できるものですので、土地や戸建住宅の購入前には、このようなサイトをチェックし、不動産選びで失敗しない確率を高くしてほしいと思います。

ふくろう不動産ではお客様が購入予定の土地の地盤を事前に調べてお話しします

ふくろう不動産は事前の地盤検査こそできませんが、このような内容を個別に調べた上で、お客様に詳しくその土地の安全度合いを説明しています。

具体的には「土地情報レポート」という書類をお客様に見てもらっています。土地情報レポートについては「住宅用の土地の事前調査のレベルが上がりました」の記事をご確認ください。

またこのページでは土地のみの説明ですが、建物についても安全度合いについて詳しく説明しています。建物の安全度についても、このサイト上で多くのページを使い説明していますが、まずは「3-02-06.建物の壁の量によって安全性は大きく異なります」のページを見て頂くと良いと思います。

ふくろう不動産がどんな会社なのかは「ふくろう不動産とは」のページをご確認ください。

また、ふくろう不動産では皆様からのご質問やご相談を随時受け付けています。ご質問やご相談はもちろん無料です。ご相談を受けたからといって、後で当社からしつこい営業の連絡を行うこともありません。ご相談などは「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ご連絡下さい。

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