土地を購入する前に建物の見積書が必要となるケースがあります
前のページでは借りる人の問題で住宅ローンが借りられないケースについて説明しました。
「2-02-04.住宅ローンが組めないケースがいろいろあります」
もう1つ、物件側の問題で住宅ローンが借りられないということがあります。ただこのケースはあまり多くありません。その土地で建物が建てられないといった状況でない限りは、それほど心配することはありません。
ただ、土地を購入し、その後建物を建てる場合で、かつ土地の購入にも住宅ローンを使う場合には注意が必要です。このページではその注意点について説明していきます。
金融機関は土地単体では住宅ローンを組んでくれず建物の見積書を要求します
土地を探している方は、その土地を単体で使う訳ではありません。ほとんどの場合はその土地の上に建物を建てます。
ですので、予算を考える場合には土地と建物の両方の金額を考えて土地にかけられるお金を考えなければなりません。このことはほとんどの方は理解していることと思います。
ただ、実際に土地を購入しようとした場合、なんとなく建物代にいくら、という話だけでは土地を買えないケースがあります。それは土地の購入で住宅ローンを利用する場合です。
このことについて、もう少し詳しく説明しましょう。
住宅ローンについて審査し、融資の実行を行うのは金融機関ですが、ほとんどの金融機関の住宅ローンは、土地だけでは融資をしてくれません。原則として土地と建物をセットで考え、融資を行うか否かの決定をします。そのため、土地の決済の前に、建物の見積書がないと、土地の分の融資も実行されません。
これが建売住宅や中古住宅のようにすでに建物が建っているのであれば、土地と建物をセットで契約を行う訳ですので、何の問題もありません。
問題になるのは、土地をとりあえず購入するが、建物をどの会社に頼み、いくらで契約するかが決まっていない場合です。つまり土地を購入し、後から自分の理想の家を建てたいと考えている人は、ほとんど該当します。
本来であれば建物の設計には長い時間をかけて間取りや材料などを考え、金額とのバランスを取って契約に至りたいのですが、金融機関はそういった時間を与えてくれません。
通常土地の契約から残金決済までの期間は長くて2ヶ月です。金融機関の審査時間が約1.5ヶ月と考えると、土地の契約時のすぐ後に建物の見積書ができていないと、結局土地代金の決済までに住宅ローンが間に合わないことになります。
さらに、一度住宅ローンの審査が通った後に、建物の工事金額が予想以上に上がることが分かり、融資金額の増額を希望しても、その希望はあまり通りません。理不尽な話を、と思われるかもしれませんが、これは金融機関の決めごとですので、お客様の努力ではどうしようにもありません。
建物の予算が確定していれば、後から資金が足りなくなることがありません
一方、土地購入時に建物の予算を確定しておくことは悪いことばかりではありません。
土地を探しているとどうしても目が肥えてきますので、より良い土地に目が奪われがちです。そこでつい多少の予算オーバーには目をつぶり良い土地を購入してしまいます。その結果、あとから予算のしわ寄せが建物にかかり、当初の予定と比べ、貧相な建物となってしまうことがあります。
資産価値という観点から見ますと、より良い土地の方が資産価値が落ちにくいという利点がありますが、生活の質という観点から見ますと、性能の高い建物の方がより安全で快適な生活を送ることができます。
家を買う場合にはこのバランスをどうとるかはその人の価値観にもより、結構重要なポイントでもあります。
なるべく早い段階で、少なくとも土地を買う前に、ある程度このバランスを考え、土地にいくら、建物にいくらと枠を決めておくと、実際に購入した後のイメージとのギャップを少なくすることができます。
また、建物については土地を購入してから施工会社を決めるよりも、先にどの会社で建築するかを決めておいた方が、建物代金で後からギャップに悩まされずに済みます。
ハウスメーカーや工務店、設計事務所はその会社によって得意としている価格帯があります。ある程度建物のイメージを固め、施工する会社を決めたうえで、建物代金の大枠を決め、その後に土地の予算を確保した方が、購入はスムーズにいきます。
そういった意味でも、先に施工会社を決め、その会社に頼むことを決めたうえで、土地を探し、土地購入時の見積もりもその会社にお願いすれば、問題になりません。
建設をお願いする会社の選び方については、「第4章 住まいの業界の人たちには各々得手不得手があります」でも説明していますので、こちらもご参照ください。
次のページはこちら 「06項.住宅ローンのタイプは一見分かりにくい」
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ふくろう不動産でも施工する建設会社や建築士などの紹介も可能です
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