不動産登記簿とは、その不動産に関する権利などが一般の人にも分かるように登記所が作成した書類だと考えてください。

以前は実際の所有者と登記簿上の所有者が違うことも多く、中間省略登記(本当の所有者の登記を飛ばして登記すること)というものも行われていましたが、2005年の不動産登記法の改正により、この中間省略登記はあまり行われなくなりました。

ですので、登記簿に記載されている人が所有者であり、それ以外の方と契約するという場合は、通常以上の注意が必要です。基本的には登記者以外の方と契約するイレギュラーの契約はお勧めしません

普通は必要ありませんが、登記簿を見ることで気が付くこともあります

通常は一般の方が登記簿を見ることはあまりありません。登記簿に書かれている内容の大半は売り情報に記載されていますし、実際の契約書と重要事項説明書に必要な内容は書かれています。

詐欺的な会社やよほど変な会社でない限りは、この内容が間違っていることはありませんが、念を入れるという意味と、登記簿を見ることで今まで気が付いていなかった契約内容に気が付くこともありますので、なるべく登記簿も確認するようにしてください。

例えばなぜ頻繁に所有者が変わっているのか、ですとか、なぜ抵当権の設定者がこんなにたくさんいるのか、という状況が分かれば、その不動産がどんな理由でどんな動きをしてきたかが分かることもあります。

登記簿自体は自分で取り寄せなくても、仲介会社が取得していますので、写しを見せてもらえば問題ありません。

複雑のイメージ

所有権者や抵当権者などがあまりにも頻繁に変わっているようだと、その物件には何かあるかもしれません。

このページでは土地の登記簿の見かたを学びます。建物の登記簿の見かたは、建物編であるこちら「3-02-01.建物の登記簿からも安全性が確認できます」のページをご参照ください。

登記簿の表題部では実際の土地と合っているかどうかの確認をします

まず表題部を見てみましょう。所在の後に地番と書かれた欄があります。地番とはその土地に登記所が付けた番号のことで、通常使われる住居表示とは異なります

そのため地番だけでは該当する土地なのかどうかが分かりませんので、ブルーマップと呼ばれる地図などで、該当する土地と同じ場所を指しているのかどうかを確認します。

ブルーマップは不動産会社の営業員に見せてもらえばよいでしょう。この地番は番号が何番であれ、実際に購入を検討している場所と同じ場所を指しているかどうかを確認するためのものです。ブルーマップなどと照らし合わせ、対象とする土地であれば、問題ありません。

ブルーマップ参考例

ブルーマップはこのような形になっており、法務局などで閲覧が可能です。黒字が通常使う住居表示、青字が地番です。実際にはこの家ごとに居住者の名字が入っています。

地目の項目によっては、費用や建設時期が変わる可能性があります

次に地目の項目を見ます。住宅地であれば、通常は「宅地」と書かれています。時々見受けられるのが「田」や「畑」という地目です。見た目は住宅地でも地目はこのような農地となっていることがあります。

住宅地として購入し、購入後に住宅を建てるのであれば、この「田」や「畑」から宅地に変更しなければなりません。その場合、農地転用許可などの手続きが必要となるケースがあり、一定の時間と費用がかかります

このような地目の土地を購入する場合は、地目の変更が可能なのか、費用と時間はどのくらいかかるのかを事前に営業マンに確認しておきましょう。

土地登記簿サンプル

登記簿の表題部では、地番、地目、地積を確認します。

公簿上の面積を「地積」欄で確認します

次に見るのは地積です。これは土地の面積のことです。
ただし、この面積は登記簿に記載されている面積であって、実際の土地の面積を保証するものではありません。この面積の元となる地積測量図などがあるかどうかを一緒に確認してください。

土地のイメージ写真

公的な土地の面積はこの登記簿で確認できます。しかし実際には面積が違うことがよくあります。

また、実測面積とこの登記上の地積があまりにも大きく違う場合には、その理由を確認するようにしてください。大きな違いがあった場合には、過去に何らかのトラブルがあった可能性もありますので、事前に知っておくに越したことはありません。

最後に売買契約を行う場合には、登記簿上の面積で契約するのか、実際の面積で契約を行うのか、事前に契約書の内容を読んで確認しておきましょう。実測面積での契約となった場合、後から測量し面積が変更となった場合、面積の差の分を精算することになります。

今までは登記簿上の面積で売買契約を行い、実測精算をしない方が一般的だったと思います。ですので、いざ実際に建物を建てようと思った時に、面積が足りないかもしれないというリスクは買主側が負うことになります。

このリスクを100%カバーすることは難しいのですが、対処策としては、地積測量図を見て、敷地の長さで測ることが可能な部分を測っておく、という方法があります。

我々は測量士ではありませんので、正確な測量はできませんが、測れる部分を測り、地積測量図と大きく異なるようですと、実際の面積が大きく異なるのではないかと推測することができます。敷地に面している部分は巻尺で簡単に測れますので、売主さん側に一言断った上で、測ってみると良いでしょう。

巻尺とコンベックス

土地の間口や奥行などは必ず1度はこれで測ります。測量図と大きく異なるようですと心配です。

ただ最近では実測をして境界確定をしてから、売買契約という方が一般的になってきました。この場合は、隣地所有者とも立会いを行ってもらい、境界石などを埋めてもらった上で、契約を進めることになります。こちらの方が買主にとって安全なのは言うまでもありません。

次のページはこちら  「14項.土地登記簿の甲区乙区を見てトラブルを防ぐ」

ふくろう不動産では簡易的に土地の辺の長さを測り、チェックしています

ふくろう不動産では、登記簿はもちろんお客様に確認してもらっています。また、レーザー距離計などを用いてざっくりとですが、敷地の辺の長さを計測しています。測量図との差があまりにも大きい場合、買主さんに注意を促すようにすることで、少しでもトラブルに巻き込まれる率を低くしています。

また、ふくろう不動産では皆様からのご質問やご相談を随時受け付けています。ご質問やご相談はもちろん無料です。ご質問などをされたからといって、後で当社から営業の連絡を行うこともありません。ご質問などは「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ご連絡下さい。

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