防火地域や準防火地域などの指定は、建物のデザインや金額に影響を与えます

用途地域の設定は都市計画法という法律で定められていますが、この都市計画法ではもう1つ気を付けなければならないことがあります。それは防火地域、準防火地域の指定です。

この指定範囲に住宅がある場合には、その建物の面積にもよりますが、建物の構造や仕様に規制がかかります。簡単に言えば、燃えやすい材料を使ってはいけないということです。

もっともこれらの地域内の建物すべての部分という訳ではなく、隣地からの距離などによって、細かく仕様が決められています。購入者の立場から見て、大きな問題はデザインと費用の問題です。

建築知識2013年10月号表紙画像

防火規制がある地域で、どうやって好みのデザインを作るかという内容で特集を組んだ専門誌もあります。
出典:エクスナレッジ

ドアや外壁で木製の材料が使えないケースがあります

まずデザインですが、たとえば木製の玄関を使いたい、と考えていても使えないケースがあります。外壁材やバルコニーの柵なども同様に使えないケースがあります。

ほかにも材料について規制を受けるため、思い通りのデザインにできないことがあります。ログハウスなどを検討されている人は特に注意が必要となります。

木製の外壁

防火地域などでは、木製の外壁やドアなどが使えないケースがよくあります。

2013年の夏以降防火サッシの価格が約2倍になりました

もう1点は費用です。最近費用の差が出ているものとして、サッシがあります。2014年時点では通常のサッシと耐火サッシでは金額が2倍近い差が出てきます。

一戸建てではサッシ工事だけで100万円近くかかることが良くありますが、これをすべて耐火サッシとしなければならない場合には200万円近い費用となることがあります。

以前はこれほど大きな差ではなかったのですが、2013年の夏頃を境に価格が大きく上がりました。理由はいくつかあるのですが、私が聞いている理由を書くのは差し障りがありますので、ここでは述べません。とにかく耐火サッシを使う場合は高くなるとお考えください。

1-3-11.サッシイラスト

防火地域などで使うサッシは通常のサッシの約2倍の値段だと考えてください。

もっとも最近では木材を使っても耐火や準耐火の認定が取れる方法がたくさんあるようです。ログハウスも準耐火の認定を取っているものもあります。それら1つ1つについて解説するわけにはいきませんので、目安として下記内容を覚えてください。
防火地域…木造戸建ては難しいので見送る
準防火地域…住宅建築は可能だが、上記の内容のようなデザインと費用に影響を与える
その他の地(法22条地域など)・・・基本的に通常通り

上記の目安は正確に言えば正しくありません。ですが一般の方が感覚として覚える分にはこれで十分ではないかと思います。

防火地域、準防火地域の指定は各自治体で公開しています。千葉であれば下記サイトで確認することができます。
千葉市 都市計画情報サービス

防火地域と準防火地域

防火地域などについても大体は自治体のサイトで確認できます。街の中心部は防火地域、その周辺は準防火地域といったイメージでとらえておけば良いと思います。

千葉市であれば千葉駅周辺はこういったエリアに入ります。大きなターミナル駅周辺はこのような指定が入っていることが多いです。またこのような指定地域は利便性が良いことが多いので、そのメリットとの兼ね合いになります。詳しくは不動産会社の営業員に確認してみましょう。

次のページはこちら  「12項.都市計画法や建築基準法以外で気を付けるべきこと」

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