この03節では、経済的かどうかという観点からの土地選びについてお話します。個別の土地についての見かたを中心に説明しますので、もっと広い範囲での土地選びについては、「01項.資産価値という面から見た街選びについて」をご参照ください。
このページの親ページである「第2章.最終的に安く済む住まいを手に入れるには」でも説明しましたように、購入時の価格だけを見て、その不動産が高かったのか安かったのかの判断はできません。
その不動産について、取得時のイニシャルコスト、保有時のランニングコスト、売却時の価格の3つをすべて照らし合わせて、初めて安かったのかどうかが分かります。
ただ、この3つの内容は、土地、戸建住宅、マンションによって、少しずつ見方が異なります。そこでこの第3節では土地について、高かったのか安かったのか、最終的に経済的なのかどうかを判断する方法を各項でお話しします。
土地の購入時の価格は、他の事例と比較することで判断します。マンションであれば、家賃から収益を考えて利回り計算を行うことで価格を決めることもありますが、土地だけですとその判断は難しく、現実的ではありません。不動産のプロであっても、土地から上物の想定を行い、採算が取れるかどうかを判断できる人はあまり多くはいません。
そこで、土地購入時の場合、通常は周辺の取引事例から判断することになります。
ただし、周辺の取引事例といっても、購入を検討している物件と全く同じ条件の取引事例というものはありません。最寄駅からの距離、道路付け、敷地の形や傾斜具合、近隣の状況、その土地に関わる法律の規制、売主の考え方など、数十個の要素が絡み合って価格が決まります。
しかしこの数十個の要素は、人によって重要視するポイントが異なるため、一律にいくらとは決めにくくなっています。
そこで選び方としては、まず最低限の安全を確保したうえで、細かな比較から価格を考えるという順番になります。最低限の安全とは、そもそも住宅が建たない土地は買わない、ということです。
これは物理的に建たない(敷地が小さすぎたり形が悪すぎる土地)場合や、法的に建てられない(接道条件を満たしていないなど)があります。こういった内容は「3章.その住まいは安全ですか」のページをご参照ください。
さて、選び方ですが、ポイントとしては条件をなるべく揃えて比較することです。同じ駅周辺であっても、徒歩2分の第2種住居地域と、徒歩15分の第1種低層住居専用地域とでは、どう比較して良いか分かりません。
最初に何を基準として条件をそろえるかは、購入者の価値観にもよりますので難しいのですが、私のお勧めは、用途地域を先に決め、その条件に合った土地同士で比較することです。
同じ用途地域であれば、建ぺい率や容積率などが同じ数値であることも多いため、土地面積が同じであれば、同じ面積の建物が建てられる可能性が高くなります。実際には道路斜線や北側斜線、土地の形状などの問題があるため、必ず同じ面積の建物が建てられるわけではありませんが、全く違う用途地域と比べれば、比較はしやすいと思います。
用途地域は、公開されている販売物件であれば記載されています。また、市町村などではサイト上に公開しているケースも多いので、興味がある地域の公共サイトは、ぜひ一度チェックしてみてください。
かなり前置きが長くなりましたが、具体的な土地の選び方について、下記の子ページにて説明しています。今までお話ししました内容を踏まえたうえで、下記ページを読んでいただければと思います。
詳細ページのリストは次の通りです
子ページの内容は次の通りとなります。
2-03-01.その土地は高いのか安いのかをどう判断しますか?
2-03-02.土地の値段の判断に迷う時には路線価図を目安にしましょう
2-03-03.他の条件を確認しないと、不動産価格が高いか安いか判断できません
2-03-04.インフラや道路付けによっても不動産の価格は異なります
2-03-05.土地や建物の取得時には税金がかかります
2-03-06.土地や建物を持っているだけでかかる税金があります
よろしければ、これらの記事もご参照ください。
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