ふくろう不動産では不動産仲介業務とは別に、土地や建物のインスペクション業務を行っています。このインスペクション(建物検査・住宅診断)を当社では2種類のメニューを用意しています。2種類とは通常のインスペクションと、健康配慮型のインスペクションの2種類です。
通常のインスペクションの内容については「6-03.戸建住宅のインスペクションの費用と内容について」のページや「ホームインスペクション(建物検査)とは何かをご存知ですか?」のページを参照してください。そしてこのページでは健康に住めるための建物検査である、健康配慮型インスペクションについて、その内容を説明します。
健康配慮型のインスペクションは平日のみ承っています
最初のお断りですが、このタイプの検査、インスペクションにつきましては、土日や祝日は承る事が出来ません。当社は不動産の売買仲介が業務の中心となっており、週末のほとんどは物件のご案内や仲介の打ち合わせの予定が入っております。そのため原則としてお休みの日は、検査を行う事が出来ません。
この点は予めご了承頂けますよう、お願い申し上げます。
本当に低周波音や電磁波が問題であると思われる場合には、検査よりお引越しをお勧めします
検査の内容の前に、本当に検査をすべきかどうかをもう1度お考えになることもお勧めしております。と言いますのも、検査をしてもその状況が改善するとは限らないからです。さらに言えば、改善しない事の方が圧倒的に多くあります。
例えば低周波音の測定をし、実際に低周波での卓越周波数(人によって不快に感じる、特定の周波数のみ音圧レベルが高い状況)が計測できたとしましょう。その場合、体調の悪さは確かにその低周波音が問題であるかもしれません。
しかし、その低周波音が測定されたとしても、実際に打てる手はありません。まず音源の特定が簡単ではありません。部屋の中で低周波音が測定できたとしても、その原因がこれだと簡単に分かることはあまりありません。結局低周波音は計測できましたが、原因・音源は分かりません、という結論で終わる事も多々あります。
また、低周波音の音源が確定できたとしても、それを止める手段は基本的にありません。法律で低周波音に対する明確な規定が無いため、音源を出している人に話をしても、その人がその音の原因となる機器を止めなければ、それで終わりです。
このような状況を考えますと、低周波音の検査自体にあまり大きな意味はありません。むしろ検査費用分だけ無駄になる事も多いため、それであれば、その費用をお引越しに使うほうが有益ではないかと思います。
今まで当社にこの低周波音や電磁波についての測定を依頼をされる方の大半は、ご家族を説得するためのデータとして使うという理由です。本人は低周波音等の過敏症で苦しんでいるのに、同居する家族が気のせいだと感じ、取り合わないという事もよくあります。このような場合にのみ検査は有効であることがあります。測定結果を見て、実際に低周波音が出ているという事が確認できるからです。
逆に言えば、このご家族に分かってもらう以外の効果はあまりありませんので、こういった理由で検査が必要だという方以外は、お引越しを検討される事をお勧めします。この内容をご理解された上で、検査をご依頼されるかどうかをご検討下さい。
健康配慮型インスペクションとは何かを説明します
まずは健康配慮型インスペクションについて説明します。通常のインスペクションは、建物の構造に問題がないか、違法な建物ではないか、耐久性はどうかなどについて調べます。これと比べ健康配慮型インスペクションは、住んでいる人の健康に問題を与える可能性があるものが、どのくらいあるのかを数値で確認し、その危険性を報告するものです。
なぜこのような検査をしているかと言えば、今の日本の法律では、人の健康に影響を与えるかもしれない問題に対して、明確な規定が無いために、人の体に悪いと思われるものが、そのまま住まいに残っていることが多いからです。
例えばシックハウス問題について、考えてみましょう。シックハウスとは、建材などに使われている塗料や接着剤から、空気中に化学物質が発散し、住んでいる人の健康を脅かす住まいのことです。
1990年頃から問題となっており、このシックハウスが原因で体を悪くする人が数多く出ていました。しかし、このシックハウス問題に対して、正式に法律で規制されたのは2003年になってからです。
問題ではないか、と言われ始めてから法律の整備まで10年以上かかっています。しかしその間にもシックハウスの被害を受ける方は増え続けていました。
人の体に何が悪い影響を与えているのかを確認するのに長い時間がかかりましたし、そこから法律の制定が行われるまではさらに長い時間がかかっています。
しかし、その家に住む人は法律の整備まで待っている訳にはいきません。体を壊してしまい、仕事や生活に大きな影響が出てしまうのに、法律が整うまで我慢する、という訳にはいかないからです。
今でも法律の規制はありませんが、人の体に悪い影響を与えていると思われるものがいくつかあります。例えば低周波音、低周波の電磁波がそうです。これらについては、法律で明確な規定がある訳ではありません。
正しく言えば規定はあるのですが、これらの規定はとても甘いもので、実際にはこの規定値以下で体を壊す人が数多く出ていると言われています。
そして1度この過敏症に、例えば低周波音の過敏症や電磁波の過敏症になってしまうと、わずかな低周波音、わずかな電磁波を受けるだけで体調を悪くしてしまう体になってしまいます。
これらのことは完全に医学的に証明されている訳ではありません。しかし完全な証明を待っている間に体を悪くしてしまっても、誰も責任を取ってくれません。悲しいことですが、このような法律整備前の問題については、個人個人が対策を考えなければなりません。
この健康配慮型インスペクションでは、既に体調を悪くされた方が、その原因が住まいにあるのかどうかを確認したり、その住まいに長い時間をかけて住む小さな子どもがいる家庭に、問題がない家なのかどうかを確認するために使ってほしいサービスとして、立ち上げました。
健康配慮型インスペクションは、調査する建物がどのようなものであっても調査内容は変わりません。建物が一戸建てであってもマンションであっても同じ内容について調べます。
健康配慮型インスペクションで具体的に調査する内容は2つあります
家の中に低周波音や超低周波音が届いていないかを調べます
まずは寝室や居間で騒音測定を行います。これは超低周波音も含めた測定です。この部屋は静かだから大丈夫だと思っていても、聞こえない超低周波音が届いている可能性もあります。超低周波音は感知できなければ問題ない、という考え方もありますが、感知できるようになってしまう頃には、低周波音の過敏症になっていることもあります。
変に不安を煽るような話をするつもりは全くありませんが、念のために事前に調べられることは調べておいた方が良いと思います。
低周波音の問題については「低周波音の問題が少しずつ分かってきました」のページもご参照ください。
家の中の電磁波の大きさについて調べます
電磁波についても、滞在時間の長い寝室や居間の電場と磁場について調査します。電場は25V/m未満、磁場は3mG未満が望ましい電磁波の量ですが、実際にはこれらの数値を超えている場所はよくあります。
その場合には、健康に影響を与えないようにするにはどうしたら良いのか等について、アドバイスさせて頂きます。これはちょっとした対処で、電磁波の悪い影響を避けることができるからです。
具体的にはベッドの位置を変えたり、家電製品の使い方や利用場所を変えることで対処できることがよくあります。電磁波については「2-02-01.日本の住まいは世界トップレベルで電磁波が強く出ています」のページや「2-02-02.日本の住まいの電場の参考例」「2-02-03.日本の住まいの磁場の参考例」のページもご参照ください。
健康配慮型インスペクションの費用とかかる時間について説明します
この健康配慮型インスペクションの費用は、税抜58,000円からです。測定する場所が当社から遠方の場合には、これに1万円もしくは2万円上乗せされます。これに消費税が上乗せされます。また、場所が当社から見て遠方の場合には、申し訳ありませんがお断りさせて頂くこともあります。
インスペクションにかかる時間ですが、最低でも3時間、状況によっては夜から翌日明け方まで7、8時間かかる場合もあります(新築住宅・新築マンションの内覧会などで長時間の検査時間の確保が難しい場合でも2時間以上は確保してもらえるよう、交渉してください)。
これは低周波音の原因となっているのが、隣地のエコキュートであると思われた場合、そのエコキュートの稼働時間が深夜2時や3時であるケースが多いためです。事前でメールや電話などで状況をやり取りさせて頂き、計測しやすい時間帯でお伺いするようにしています。
お支払いは事前振込か、当日現金でのお支払いをお願いしております。詳しくはふくろう不動産までお問い合わせフォームでご連絡をお願いします。
事前にメール等でご連絡いただければ、ある程度判断できることもありますし、アドバイスできることもあります。無料のメール相談もお問い合わせフォームなどをご利用の上、ご連絡ください。