健康配慮型のインスペクションと言われても、どのようなものかイメージが湧きにくいと思います。そこでこのページでは、健康配慮型インスペクションを受けた場合に、どのような報告書が作成されるのかを見て頂き、そこからインスペクション、検査の内容を分かって頂きたいと思います。

騒音の元や気になる家電製品などのヒアリングは事前に行います

検査に先立ち、お客様から特に何を注意して調べて欲しいのかをお伺いします。同時に周辺の建物や設備についてもお伺いします。そのお伺いした内容によって、訪問する日時は異なってきます。

診断調査概要ページ

例えば隣地のエコキュートが気になる、という方であれば、原則として夜にお伺いすることになります。エコキュートは深夜に稼働していることが多いためです。

夜の11時頃に音源と思われる機器が動いていることが多いのであればその時間帯に、また夜間ずっと気になってしまう、という方であれば、夜の11時頃から翌朝5時頃まで時間をかけて、低周波音を測定します(この場合は私は測定器を1度セットして、翌朝測定器の回収に再度お伺いしています)。また、付近の工場の音が気になる、という方ですと工場の機械が稼働していると思われる平日の昼にお伺いすることになります。

また送電線の電磁波が気になるという方であれば、磁場の発生が強いと思われる時間帯で設定します。夏であれば午後1時頃ですし、冬であれば夕方7時頃の測定をお勧めしています。このあたりの時間帯が磁場の発生量が多いと思われるからです。

このような形で、何を気にしているかによって、お伺いする時間は異なってきます。また雨や風の日は音の計測が難しくなるため、天候が悪いと予想される日は避けるようにしてます。

地図や天候

当社側でも確認できる周辺状況を調べておきます。

現地の写真

測定する現地に着きましたら、気になる機器については写真を撮っておきます。可能な範囲で現地からの距離も確認します。

低周波音を含めた音量測量はデータとグラフで説明します

超低周波音の測定グラフ

人の耳にでは感知しにくい超低周波音を周波数ごとにグラフでまとめて報告します。

低周波音については、卓越周波数が見られるかどうかを確認しています。またA特性やG特性ではなく、数値を調整しないZ特性での音圧を測定し、データとしてまとめています。

可聴域の音圧グラフ

可聴域全域についてもグラフにして報告します。耳でもうるさいと感じられる音であれば、A特性の音圧もセットで測定します。

これらの音圧が測定されたらといって、それがそのまま人の健康に直結しているとは限りません。ただ、そもそもその部屋に卓越周波数のある音が届いているのか、考える要素の1つとして見ていただければと思います。

この卓越周波数がある低周波音があった場合、対策は難しいのですが、自宅のエコキュートであればヒートポンプの位置を移す、隣地のエコキュートであれば、移してもらうよう交渉することになります。

あまり知られていないかもしれませんが、(社)日本冷凍空調工業会では、エコキュートなどのヒートポンプ給湯機の据付けガイドを発行しています。そのガイドによると、隣地の寝室側にヒートポンプを付けないことを推奨しています。

法的に強制力があるものではないかもしれませんが、ある程度公的なものとしてこの推奨例を主張するのが良いのではないかと思います。

低周波音など音が出るのはヒートポンプ給湯機の方ですので、貯湯タンクは近くにあっても問題になりません。隣地の方のお風呂の近くに貯湯タンクがあれば、給湯機自体は遠くても、お湯が冷めて使えない、という事にはならないと思います。

電磁波については、問題がありそうな部分と注意点を解説します

電磁波測定結果

電場と磁場は、場所ごと測定し、その測定結果を報告します。

電磁波については、場所ごとに電場と磁場の両方を測定します。磁場は特別な家電製品などが無い場合には問題が無いケースが多いのですが、電場については場所によって大きな数値を出していることがあります。

大きな電場がある場所では、長い時間その場所に居ない、使用していない場合には電源コードを外す、電場カットの製品を入れる、などの対処法があります。

電場カットの製品を入れる以外はお金がかからない対象方法です。それもちょっとしたことで、この電場の悪影響を避けることも可能です。まずはどの場所が電磁波が強いのか、危ない場所なのかを把握することが重要だと思います。

ホルムアルデヒドの濃度は、数値で示し、安全圏内であるかどうかを判定します

ホルムアルデヒド測定結果

室内の主要2か所のホルムアルデヒド測定を行っています。

化学物質のチェックは、ホルムアルデヒドの調査です。滞在時間が長いと思われるリビングと寝室の2か所で測定しています。

お客様のご要望があれば、子ども部屋や他の部屋の測定に変更可能です。1か所あたりの測定に30分かかりますので、あまりまず多く測定できないのですが、可能なかぎり調べて報告するようにしています。

シックハウスについては「3-02-22.シックハウスはもう無いと思っていませんか」のページもご参照ください。

床の傾きがある場合には、どの部分が何パーセント傾いているかを示します

寝室の傾きチェック

家の傾きについても、滞在時間の長いリビングと寝室についてチェックします。

床の傾きも、滞在時間の長い部屋についてチェックします。健康配慮型のインスペクションなのになぜ床の傾きをチェックするかと言えば、この傾きがあるために体調を悪くすることも多いと聞くからです。

短い時間であれば問題がなくても、長時間傾いた空間で生活することで三半規管や他の部位に影響を与え、体調を悪くすることも考えられます。時間の関係上、1,2か所しか測定することができませんが、念のために傾きも調べておく方が望ましいと考えています。

ふくろう不動産の健康配慮型インスペクションの報告書はこのような構成となっています

当社の健康配慮型のインスペクションはこのような報告書で皆様に説明しています。このページで取り上げたのは報告書の一部ですが、実際には測定する場所が多いために、もっと写真や記述が増えます。ただ、このような内容で報告されるということが分かって頂ければと思います。

これらの測定はすべて精度の高い測定機器で行っております。測定機器の内容については「6-01.健康配慮型のインスペクションを行っています」のページをご参照ください。

こちらの健康配慮型インスペクションの費用は、千葉県内であれば58,000円プラス消費税です。東京都、神奈川県、埼玉県であれば、68,000円プラス消費税となります。

またこの環境配慮型インスペクションについての内容や、そもそも引っ越しをしてから体調が悪くなった、という方からのご相談を常に受け付けています。これらの相談はもちろん無料ですし、当社からその後しつこい影響を行うこともありません。ご相談したい方は「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ご連絡をお願いします。

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