特別な設備機器がなければ、磁場は問題がないケースが多いようです

このページでは、電磁波の1つである磁場について参考例を見ながら説明します。電場の測定では、触れている部分から影響を受けることが多いため、壁や床などに直接触れて電場を調べましたが、磁場の場合は壁や床に触れていても触れていなくてもあまり差はありません

空気中でも磁場は伝わるため、磁場を遮断することは現実的にはできません。磁場に影響を与えるのは電流が多く流れている場所からの距離です。ですので、電流が流れていると思われる場所からなるべく距離を取るということが、唯一できる磁場対策となります。

そうは言いましても、住宅内で問題があるくらい磁場が強い場所がそうある訳ではありません。電場を調べた住宅で磁場も調べてみましたが、ほとんどの場所では0.10~0.15mG(ミリガウス)の範囲内にあり、問題があるかもしれない基準値の3mGから大きく下回っています。

室内磁場の測定例

この住宅は住宅内のほとんどの場所では0.10から0.15mGの範囲内でした。危険があるかもしれないと言われる3mGから大きく下回る数値です。

引き込み線の幹線の近くは高い磁場を計測することも多いのですが、こちらの住宅では引き込み線の近くと思われる場所でも高い数値を計測することができませんでした。

しかし、この磁場は電気製品の使用状況にもよります。例えば使用していないテレビの前では0.12mGであった磁場は、スイッチを入れると0.27mGまで上がりました。しかし、基準値よりもはるかに低い数値です。

スイッチを入れる前のテレビ前の磁場

テレビの前の磁場ですが、スイッチを入れていない状態では電流が流れていないせいか、部屋の他の場所の磁場と同じ数値となっています。

スイッチ後のテレビ前の磁場

スイッチを入れると磁場の数値は2倍以上になりました。しかしテレビではそれほど大きな磁場は発生しないようです。

電子レンジは使用中に高い磁場を発生します

問題となりそうな数値が出たのは、やはり電子レンジです。色々な電気製品があるキッチンは寝室などと比べて磁場は高かったのですが、それでも0.37mGと低い数値でした。

電子レンジ使用前の磁場

使用していない状態の電子レンジ前の磁場です。キッチンは他の場所よりも磁場は高めでしたが、それでも問題ない数値内に収まっています。

それが電子レンジのスイッチを入れると267mGと急激に数値が上がりました。700倍以上の数値です。

使用中の電子レンジの磁場

スイッチを入れ、電子レンジを稼働させると急速に磁場が発生します。基準値から見ても90倍近い数値です。長時間レンジのそばにいる訳ではないでしょうが、使用中は近づかない方が体には良さそうです。

しかし磁場は距離を取るとその影響は急速に下がります。電子レンジから50cm離れてみると磁場は14mGと大幅に下がります。

50cm離れた場所での磁場

使用中の電子レンジから50cmほど離れてみました。離れるにつれ、急速に数値は下がり、50cm離れただけですが、磁場は20分の1程度に減りました。しかしこれでもまだ基準値よりは大きい数値です。

さらに1m近く離れると2.22mGと基準値より低い数値まで下がりました。

1m離れた場所での磁場

使用中の電子レンジから1m近く離れてみると、基準値である3mGを下回りました。このくらい離れていれば問題ないようです。全国電磁波測定士協会では、使用中の電子レンジからは1.2m以上離れることが望ましい、としています。

電子レンジは、使用中は1.2m近く離れれば問題ないと言われています。実際に測定した結果もそれに当てはまり、1m強離れれば電子レンジの磁場の影響は受けなくて済みそうです

pcやスマホからは高い磁場は計測できませんでした

他にもPCやスマートフォンなどの磁場を調べてみましたが、大きな数値は出ませんでした(もっともスマートフォンなどは高周波の電磁波を発していますが、この測定器では低周波の磁場しか測定できませんので、この結果だけを見て安全と言えるわけではありません)。

唯一少し高めの数値が出たのは、トイレの温水便座です。こちらのみ5.33mGとやや高い数値が出ました。しかし基準の何倍も高い訳ではなく、何時間も使用するものではないと思いますので、大きな問題にはならないのではないかと考えています。

便座の上の磁場

写真が少し見にくいですが、5.33mGとなっています。暖房便座の電源は入っていましたが暖房はONになっていませんdせいた。それでも多少は磁場が発生しているようです。

この計測は夏場に行いましたので、周りには夏に使う家電しかありません。実際には冬場で使う家電に問題があるものが多いので、そちらは電場も含め別のページで説明します。
「電気毛布の電磁波を計測してみました」参照)

IHクッキングヒーターや熱帯魚の水槽のポンプなどからは磁場を計測することがあります

またこの建物では使用されていませんでしたが、IHクッキングヒーターも大きな磁場を発生させるものがあります

IHクッキングヒーターはその機種によって磁場の発生は大きく異なり、あまり磁場を出さないものもあれば大きな磁場を発生させるものがあるようです。1つの目安はIHクッキングヒーターの製造年月日で、2008年頃がその境となっています。

2008年以降の商品から発生する磁場は、急速に小さなものになっているようです。逆に言えばこれ以前のIHクッキングヒーターは大きな磁場を発生している可能性があります。もちろんこれは機種によりますし、最新の商品でも磁場が大きなものがあるようですので、調べてみないと何とも言えません。

また、先日別の住宅の水槽に設置されているポンプから高い磁場を計測しました。それも700mG以上と電子レンジ以上の磁場です。

計測した家では、水槽はリビングの通り道で通常長い時間滞在する場所ではありませんので問題にはならないと思われますが、机の前やリビングソファの後ろなど滞在時間が長い場所の近くにポンプがある場合には注意が必要です。水槽のポンプもすべての製品について磁場が高いかどうかは分かりませんが、気になる方は距離をとるようにするか、電磁波測定士などに計測を依頼してみてください。

ふくろう不動産では電磁波の測定機器を常時備えています

ふくろう不動産では磁場測定器を使い、お客様が購入を検討されている土地や建物の磁場を簡易的に測定しています正式な測定ではありませんが、磁場の強い部分などがある程度分かります。その結果を踏まえ、不動産の選択に必要な情報を数多く提供できます。

また、家電製品について、この商品は磁場が出る、出やすいといった情報をある程度は把握していますお客様が選択に家電や住宅設備の選択に迷った際には、多少はアドバイスができます。当社を通して不動産売買を行うお客様には、計測の費用はかかりません。不動産選びで電磁波に注意して選びたい方は、ぜひふくろう不動産をご利用ください。

また、当社と仲介の取引が無い場合でも、電磁波のみの測定も有料ですが承っています。(「3-02.仲介業とは別に電磁波測定サービスも行っています」参照)ご興味があるようでしたら、こちらもお問い合わせください。

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