このページでは、ふくろう不動産が使用しているレーザー測定器と、それを使いどのような内容をチェックしているかについて、お話します。

まず、ふくろう不動産で使っている、レーザー測定器の1つ、レーザー墨出し器です。

ふくろう不動産が使用しているレーザー墨出し器

ふくろう不動産が使用しているレーザー墨出し器です。タジマのGT2BZ-Iという製品です。建物の水平・垂直のチェック用として使っています。

これで建物内の床や壁・柱の傾き度合いを調べます。床の傾きについては、この機械で水平線を出し、床からの高さの差で傾きをチェックします。

床の傾きは1000分の3以内であれば、通常は問題ありません。もし傾きが1000分の6以上あるようですと、何かしらの問題があると予想されます。1000分の3から6の間は判定としてはグレーですが、通常よりもより注意して建物をチェックする必要があります。

傾きを見ることで戸建住宅の構造に問題がないかどうかを確認します

床が傾いている、ということは戸建であればその建物に構造的な問題がある可能性が高くなります(マンションであれば、仕上げ精度の問題ですので、あまり構造とは関係がありません)。

床に傾きがあるということは、地盤に問題があり建物全体が傾いているのか、あるいは床下の束や大引などの構造材が弱く変形しているのか、どちらにしても構造上大きな問題を抱えている可能性が高くなります

一定の方向に下がっているのであれば、不同沈下などで建物全体が傾いている可能性がありますし、部屋の中央のみ下っている場合は、下の横架材がたわんでいる可能性があります。

もちろん単に施工精度が低いだけという可能性もありますが、そのような施工精度であれば他にどのような問題が隠れているか分かりません。どちらにしましても、床の傾きが大きな戸建住宅は注意しなければなりません。

構造に問題がある場合は、リフォームでも対応が難しいことがあります

ピサの斜塔

戸建住宅で傾きのある建物はお勧めできません。

問題があっても、リフォームすれば大丈夫、と考える人もいるかもしれませんが、構造に問題がある場合は、その解決は簡単ではありません。現在問題なく建っているけれども地震に対する力が弱いので耐震補強をする、という場合とは事情が異なります。

まず、地盤に問題がある場合は大掛かりな工事が必要となるケースがあります。工事によっては数百万円単位の費用が必要になります。

建物の方に問題がある場合でも、それが基礎なのか、束や大引なのか、材料が問題なのか施工精度が問題なのか、また床の構造自体に問題はないが、他の影響で床にダメージがあるのか、など様々な原因が考えられます。その原因を特定するのは専門家であっても簡単ではありません。

このような理由により、ふくろう不動産では床に傾きがある建物はお勧めできず、よほどの理由がない限りは購入を見送るよう提言しています。

戸建住宅の傾きは床の高さの差で確認します

床の傾きのチェックは簡単で、レーザー墨出し器で水平線を出し、横幅3mの距離で床からの高さの差がどのくらいあるかで見ています。3mの幅で高さが9mm(1,000分の3の傾き)以上差が出るようでしたら要注意です。

墨出し器で水平を確認

床からの高さの差をチェックすることで床の傾きを確認しています。3mの長さの範囲で9mm以内の差であれば問題ありません。

壁の傾きがある場合も戸建住宅の構造に問題がありそうです

床の傾きと同様に、壁・柱の傾きもチェックします。墨出し器では垂直の線も出せますので、こちらと柱の傾きを比較するだけで、ある程度の判断ができます。

墨出し器で垂直を確認

真壁であれば柱が見えますので、その柱の線とレーザー測定器の線をとりあえず合わせてみます。この建物ではぴったりと線が揃います。

また、垂直の線については昔ながらの下げ振りも併用して使っています。こちらの方が意外と分かりやすかったりします。

下げ振り

ローテクですが、この下げ振りも活用できます。工事中の建物であればピンで留めて鉛直を調べますが、お客様の家にピンを打つ訳にはいきませんので、手で押さえてチェックします。

柱や壁も床と同様に1000分の3以内であれば問題ないと考えています。これも1000分の6以上の傾きがあるようであれば、構造的な問題がある可能性が高いと考えています。ふくろう不動産ではこのような建物もお勧めしておりません。

建物の室内高さや部屋内側の距離もレーザー距離計で計測しています

こういった傾きを調べる機器以外で、距離を測る機器も使用しています。

ふくろう不動産が使用しているレーザー距離計

レーザー距離計です。測りにくい場所で重宝します。こちらはタジマのF04という機種です。小型の為、持ち運びに便利でちょっと測ってみたいときに役立ちます。

レーザー距離計は手が届かない高さを調べる時や、簡易的に長さを調べる時に重宝します。お客様と同行する初回の内覧会では、あまり詳しく調べる訳にもいきませんが、こちらは簡単に計測できますので、時々使用しています。3点計測もできますので、巻尺などを当てることができない部分の計測に役立つこともあります。

また、周辺の電柱の上にある変圧器からの距離もこれで調べることがあります。電磁波や低周波音が出ていないとも限らないので、一応こちらからの距離も調べるようにしています。

もっとも距離については最終的にはコンベックスや巻尺で最終的には確認します。実際にレーザー測定器との差が出ることはありませんが、どうしても自分の目で見ないと心配になってしまいますので、こちらも併用します。

巻尺とコンベックス

ローテクですが、必需品です。土地の間口などは必ず1度はこれで測ります。測定器の使い方を間違えるといった心配もこれならありません。

このような形でふくろう不動産では建物についてチェックしています。もちろんこのチェックで建物の構造について完全に分かるという訳ではありません。ただ、ある程度の精度で、構造的に問題がありそうな物件を対象から外すことができると考えています。

次のページはこちら 「2-07.放射能測定器で危険な土地は避ける」

建物の傾きをチェックする方法については、動画でも説明しています。その動画はこちらです。

よろしければ、動画もご確認ください。

ふくろう不動産では不動産仲介とは別に建物検査のみの業務も行っています

ふくろう不動産では、当社を通して売買契約を行うお客様にはこのような検査を無料で行っていますが、この検査業務のみであっても有料にて承っています。

新築や中古住宅を不動産会社から購入したり、別の仲介会社を通して購入したけれども、建物について不安、という方はこの検査サービスをご利用ください。検査サービスの内容は「6-03.戸建住宅のインスペクションの費用と内容について」のページをご確認ください。

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