引っ越しをして新しい住まいに住み始めてから、体調が悪くなったという方はいらっしゃいますか。体調が悪くなる原因が全て住まいにあるとは限りませんが、住まいの何らかの要素によって、人の体に悪い影響を与えているときがあります。

例えば、めまいがする、変に心臓がドキドキする、眠れなくなる、変に汗をかくようになる、倦怠感を感じる、全身にかゆみを感じる、といった症状が、新居に引っ越した後に出始めた場合には、住まいについても確認した方が良いと思います。

体調不良

その家に住み始めてから体の調子が歩くなった場合、その家や家の周りの環境が人の健康に悪影響を与えている可能性があります。

もし住まいに何かしらの問題がありそうな場合には、原因と思われるものについて調査してみるのが確実ですが、調査にはお金がかかります。また、そもそも問題のとらえ方を間違っていると調査自体が無駄になることもあります。

例えば、体調が悪いのは隣地の室外機の音のせいだ、と思って騒音測量を行ったとしても、実際に体調を悪くしているのが家電からの電磁波だった場合には、騒音測量には意味が無かったことになります。

そこで事前に、何の問題で体調を悪くしているのか、確認できることは確認し、高い確率がこれが問題だ、と思われる場合にのみ調査を依頼する方が無駄がありません。

また、対応策で体調が回復するのであれば、そもそも調査自体が必要ではなくなります。このページでは、そのような事前にできるチェック方法についてお話しします。

低周波音の問題で体調が悪いのではと疑われる場合にチェックすべきこと

最近は低周波音の被害を聞くようになりました。低周波音の発生源と思われるエコキュートやエネファームなどが増えているためではないかと思われます。

しかし、体調の悪さはこのエコキュートなどが原因だ、と思っていたら実は違うという可能性もあります。そこで低周波音被害ではないかと思われた場合、次の2つの方法を試してみるのが良いのではないかと思っています。

マスキングとして音楽を流し、症状が緩和されるかどうかを確かめましょう

音楽のイメージ

室内で音楽などを流し、マスキング効果が出るかどうかを確認しましょう。

低周波音とは周波数が100Hz以下の音のことです。そしてその中でも超低周波音と呼ばれる20Hz以下の音は普通の人の耳では聞くことができません。

しかしこの聞こえない音によって、体調を悪くすることもあります。この音自体が聞こえない音のため、体調不良の原因が超低周波音によるものなのかどうかの判断が付き難いと思います。そこで試してみたいのがマスキングです。

マスキングとは、通常聞こえている音を他の音がかき消すことです。低周波音被害を受けている方は、本来聞こえない音である超低周波音を感じていることがあるのですが、他の音を出すことでマスキング効果が表れ、少し気分が良くなることもあると聞きます。

ですのて、低周波音の問題かもしれないと思われた場合、音楽など他の音を鳴らし、体が楽になったかどうかを試してみるという方法があります。他の音があることで、体の調子が良くなるのであれば、それは低周波音の問題があった可能性が高くなります。

なおこの方法は一時的には有効ですが、だんだんマスキング効果が効かなくなるという話も聞きます。このマスキングが有効であると分かったのであれば、引き続き音の測定などを進めるようにし、実際に低周波音が出ていないかどうかを調べたり、音を出している機械を移動してもらうとか別の機械に交換してもらうなどの対策を取るべきだと思います。

またNPO法人である「STOP!低周波音被害」のサイトでも低周波音による被害であるかどうかを判断するためのページもあります(「低周波音被害チェック-突然の被害に1-」参照)。この体調不良は低周波音のせいではないか、と思われた時には、こちらのサイトも参考にすると良いと思います。

寝室を他の部屋に変えて、体調の変化を見てみましょう

寝室のイメージ

寝室を別の部屋に変えてみて、症状が変わらないかどうかを確認してみましょう。

他の試してみたい方法として、寝室の場所を変えるというやり方もあります。当たり前ですが、音の影響は距離が離れればその分弱くなります。

寝室が隣地の室外機のすぐ近くで音が感じられる場合、しばらくその室外機からなるべく遠く離れた場所で寝るようにし、それで体調が回復するようでしたら、その室外機が原因である可能性が高くなります。

また、距離を置くことで体調が回復することが分かったのであれば、隣地の室外機などの位置を遠い場所に移してもらうことで、問題が解決することもあり得ます。逆に場所を変えても体調に変化が無い場合は、低周波音以外の問題があるかもしれません。

これは寝る場所の移動で試してみる方法ですが、可能であれば、しばらく別の場所に住むという方法もあります。それで体調が回復するようですと、やはりその家に何かしらの問題がある可能性が高くなります。できる範囲で色々と試してみることで、問題を特定できることもありますので、問題を感じる方は色々な方法を試してみてください。

なお、これらの判定方法は絶対的なものではありません。参考の1つとして考え、試してみてください。

電磁波の問題で体調が悪いと思われる場合にチェックすべきこと

低周波の電場の問題が起きないように、寝具や家電製品の位置を考えましょう

ベッドの位置

ベッドが壁に付いているのであれば、離してみるなど試してください。

低周波の電磁波のうち、電場は色々な場所で発生しています。この電場の影響を極力避けた生活をしてみて、体調が回復するようであれば、電場の問題があった可能性があります。

まずはベッドの位置です。電場は直接触れている部分に伝わりやすい性質をもちます。戸建住宅であれば壁の中にある電線のために、壁に大きな電場があることも多いのですが、ベッドをその壁に付けていると、ベッドにも大きな電場が発生しています。その場合には、ベッドと壁の間に隙間を空け、直接触れないようにするだけでも大きく電場を減らすことができます。

また、スマホに電源ケーブルを付け、枕元に置いている人もいると思います。目覚まし代わりにスマホを使っている人がこのような使い方をしていますが、電源ケーブルがつながっている部分には電場が発生しています。

それがベッド、特に頭の近くに置かれていると、眠っている間はずっと大きな電場を浴び続けることになります。スマホを目覚まし代わりにする場合でも、ベッド上に置かず、少し離れ場所に置くことをお勧めします。

他にも電源ケーブルをつないだままの家電製品は電場を発生させていることがよくあります。実際にその家電を使用していなくても、電源ケーブルがつながっているだけで電場は発生しています。

そして、その家電や電源ケーブルが触れている床や家具などにも電場が伝わります。普段使わない家電製品はコンセントを抜き、余計な電場は発生させないように注意した生活を送るべきです。

磁場が発生しそうな電気製品の近くに長時間いないように注意しましょう

IHクッキングヒーター

磁場が出ているのではないか、と思われる製品から離れて生活してみて、症状の違いを確認しましょう。

磁場の影響で体調を悪くすることもあります。磁場を強く発生させる家電製品はそれほど多くないのですが、怪しいと感じられる家電製品があるのであれば、しばらく使わずに済むような生活を試してみることをお勧めします。

また、磁場は発生源から距離を取ると影響が小さくなりますので、磁場が強いと思われる製品の近くに長時間いないように注意してみましょう。

代表的なものは使用中の電子レンジや、IHクッキングヒーターなど(機種にもよります)ですが、意外なものが高い磁場を出していることもあります。

例えば魚を観賞するための水槽のポンプですとか、電解水生成器などでも高い磁場を出していることもあります。こういった家電製品全てが高い磁場を出している訳ではないでしょうし、調べてみないと正確なことは分かりませんが、怪しいと感じた場合は、少し使用を控えて、体調がどうなるかを試してみるのが良いと思います。

また、建物の幹線(外の電線から分電盤まで繋がる電気線)からも強い磁場が発生しています。しかし、建物のどの部分を幹線が通っているかは調べてみないと分かりません。

ただ幹線は壁の中や床の下を通っていますので、調子が悪い場合には同じ部屋であっても寝る場所を変えるですとか、寝る部屋を変えるということも試してみると良いかもしれません。

直接触れる家電製品が影響を与えていないかどうかを考えましょう

カーペットに触れる

電気カーペットなど直接触れる電気製品も疑ってみましょう。

特に電場について言えることですが、直接体に触れる電気製品で強い電場や強い磁場を出すものがあると、その影響は大きく、体調を崩す原因になることもあります。直接触れる電気製品には、電気式の床暖房、電気カーペット、電気毛布などがあります。

これもすべての製品に当てはまるとは限りませんが、高い電場、高い磁場を出している製品もたくさんあります。もし体調の悪さを感じるようであれば、これらの機器の使用を1度控えてみて、体調の変化を試してみてください。

残念なことですが、電磁波が出ません、と書かれている製品でも高い電磁波、電場や磁場が出ていることがあります。おかしいと感じられた場合には、利用を取りやめ、体調の変化を注意深く見るべきだと思います。

電磁波については、「日本電磁波協会」のサイトも参考になります。気になる方はこちらのサイトもチェックしてみてください。

空気中の化学物質の影響と思われる場合にチェックすべきこと

カーテン

新しく取り換えたカーテンから化学物質が出ているということもあります。

一時期大きな問題となったシックハウス症候群ですが、最近はあまり聞かなくなりました。ただ、完全に無くなった訳ではありません。

建築基準法で使われる建材についての規制はあるものの、どのくらいの精度でルールが守られているかは分かりませんし、リフォームなどで使われる建材や、家具などから化学物質を発散していることもあります。

室内にある化学物質については、室内の化学物質濃度を調べることは可能ですが、どの部材、建材などから化学物質が出ているかを判断することは簡単ではありません。ですので対策は基本的に2つです。1つは部屋の換気を徹底すること、もう1つは怪しい製品を一時的に外すことです。

どの部材から化学物質が出ているとしても、部屋の換気は有効です。24時間換気システムがある場合にはそれを止めないように、また普通の換気扇であっても頻繁に使い、窓や扉などを空けている時間を増やし、なるべく室内の空気を入れ替えるようにしてみましょう。

怪しい部材を外すというのは、建築部材以外からでも化学物質が出ていることがありますので、可能性のありそうなものを部屋に置かないということです。部屋から何かを外すことで症状が出なくなるようであれば、その外したものが化学物質を発散させている可能性が高くなります。

具体的には、新しいカーテン、新しいカーペット、新しいワックス類、防虫剤・芳香剤・消臭剤などの薬品系、整髪料や香水などの化粧品類、ストーブやファンヒーターなどの暖房類、タバコなどが該当します。意外とこのようなものでシックハウス症候群のような症状が出ることもありますので、怪しいと感じられるものはその部屋から出すようにしてください。

こういった対策でシックハウスについての問題が出なくなるのであれば、それで問題ありません。逆に問題が続くようであれば、外せない建材から何か化学物質が出ているか、あるいはシックハウス以外の問題で体調を悪くしているかもしれません。

色々と試して改善しない場合には測定などを検討してみましょう

こういった対応策をとっても、体調が回復しない場合には、住まいの問題ではなく、別の問題なのかもしれません。また、当てはまるものがあれば、その当てはまった問題が住まいにある可能性が高くなります。

状況がよく分からないうちに結論を出してしまうよりも、いろいろ試しながら、住まいの問題があるのか、または別の問題があるのかを確認していく方が、結局は問題の解決が早くなるのではないかと思います。

このページでお話ししました、低周波音、低周波の電磁波、ホルムアルデヒドの濃度については、当社でも調査可能です(「6-01.健康配慮型のインスペクションを行っています」参照)。

ホルムアルデヒド検知器(カバー入り)

ふくろう不動産では厚生労働省指定のホルムアルデヒド検知器を使用しています。

ただこれは、すぐに頼みましょうという話ではなく、本当にこういった問題があるのかどうかを確認した後に、調査を頼むかどうかを決めた方が確実ですし、無駄なお金を使わずに済みます。

住まいが健康に影響を与えているのではないか、と思われた場合には、ぜひこのページでお話ししましたことを試してみてください。

また、ふくろう不動産では随時皆さまからのご質問やご相談を受け付けています。ご相談などはもちろん無料です。ご相談されたからと言って、後で当社からしつこい営業の連絡をすることもありません。ご相談などは「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ご連絡をお願いします。

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