LEDでも蛍光球でもないCCFLという照明をご存知でしょうか

つい最近人から教えてもらうまで私は知らなかったのですが、LEDや蛍光灯とは違うCCFLという照明があります。光源は何であっても構わないという方にはどうでもよい話かもしれませんが、実はLEDの光が苦手という方は結構いらっしゃいます。以前化学物質過敏症の方とお話しした際にも、その方はLEDの光を見ていると気分が悪くなると言われていました。

では蛍光球にすれば良いではないかと思われるかもしれませんが、実はこの蛍光球でもダメという方が少数ですがいらっしゃいます。そうなりますと後は白熱電球しか選択肢は無いのですが、白熱電球は電気代が高いとか寿命が短いという欠点があります。過敏症の方や、どうしてもLEDや蛍光球が苦手という事であれば、白熱電球を使うのも仕方が無いと考えていましたが、別の選択肢としてCCFLを使うという方法があるかも、と考え今回試しに購入してみました。

そこでCCFLについて、感じた事、分かった事についてお話しします。

CCFLにはいくつか特徴があります

そもそもCCFLというものの存在自体知らない人が多いでしょう。CCFLとはCold Cathode Fluorescent Lampの略で、日本語で言えば冷陰極管となります。蛍光灯とは違う照明と言いましたが、タイプとしては蛍光灯の一種で電極の形式が違うという事のようです。私もこのあたりは詳しくありませんので、詳細は関連団体であるJCLAの「CCFLって何」(この団体及びこれらのサイトが見つからなくなりました:2019年6月22日時点。)というページを見て頂く方が早いと思います。

このCCFLの特徴をざっくりと言いますと、LEDと省エネ度合いや寿命は同程度で、光の質が高い、という事になるようです。光の質が高いとは、ちらつきが無いとか、紫外線の量が少ないとか、ブルーライトの量が少ないとか、様々な要素を含んでいます。

CCFLの特徴については販売代理店さんの1つであるファーストネーションズ(株)のサイトが分かりやすいと思いますので、こちらも参考に見てみると良いと思います。

このCCFLの性能や特徴について、私が確認できる点は多くありませんが、商品パッケージには、確かに長寿命であるとの表記がありました。

CFCLパッケージ

商品のパッケージの表記では、確かに長寿命をメリットして挙げていました。

他の特徴については、実際に商品を見たり取り付けて光を確認してみたいと思います。

CCFLを購入して取り付けてみました

さて、実際に購入したCCFLの電球型照明がこちらです。

購入したCCFL電球

TEKNOS(テクノス)のCCFL61Yという商品です。

私の事務所の照明は100W相当の照明ですので、同じ明るさ相当の商品を購入したかったのですが、CCFLでは100W相当の商品を見つける事ができませんでした(正確には商品はあったのですが、どれも品切れで購入することができませんでした)。ちなみに近所のホームセンターや電気店では見つける事が出来なかったため、ネットで購入しました。あまり一般的に出回っている商品ではないようです。

実際にパッケージを空けた中身が次の写真です。

CCFL照明の電球タイプ

LED球は丸型が多いのですが、こちらは円筒形です。

LED球は丸型が多く、下は放熱のためのフィンが付いている事が多いのですが、CCFLはあまり熱を出さないタイプのためフィンは無いようです。

CCFL電球の内側アップ

内側は蛍光球と同様に蛍光管が巻かれていますが、普通の蛍光管よりも径が細くなっています。

では実際に器具に取り付けて、明かりを確認してみましょう。

取り付けたCCFL照明

CCFL照明を取り付けて、明かりをつけてみました。

普段蛍光球を付けている場所に、CCFLを取り付けてみました。この商品は13Wですが60W相当、光束は700ルーメンです。13W使って700ルーメンですので、それ程明るくはないだろうと思っていたのですが、実際の明かりを見ますと想像以上に明るく感じます。

ルーメン数だけでは明るさは決まらないという話を聞いたことはあった(演色性の良い光源は明るさ感が高い等)のですが、CCFLの光とその周辺を見ますと、確かにそうかもしれないと思わされました。今のLED照明であれば、もっと低いワット数でもっと大きいルーメン数を出すことが出来るはずですが、実際の明るさがどうなのかをうまく比べなければならないかもしれません。

比較のために、このCCFLと一般的な蛍光球、LED電球を並べてみました。ただ、LED電球は白色で他は電球色、また、LEDと蛍光球は100W相当で、CCFLは60W相当なので純粋な比較はできません。

他の光源との比較

1番手前がCCFL60W相当、真ん中が蛍光球100W相当、奥がLED電球100W相当です。

同じ光を見ても、どう感じるかは人によって異なるでしょう。また、写真で見る光と実際に見る光でも感じ方は大きく異なります。ですので、今回はあくまでも私個人がどう感じたかという話をしたいと思います。

ちなみに私はLEDの光を直接見ると、目が少し痛いように感じるタイプです。そういったタイプの人間がどのように感じるかという前提で聞いてください。

まず奥のLED照明は、この3つでは1番遠くにあるのですが、それでも見ているとやはり目が痛いように感じます。これは100W相当でそもそも明るいという事もあるのですが、実は40W相当のLEDを見ても目が痛く感じますので、これは私の体質がそうなのだと思います。

そして、真ん中の蛍光球や手前のCCFLについては、目の痛みは全く感じません。そう考えますと、LEDを痛く感じる方は、蛍光球やCCFLに照明を代えるという方法は十分に検討できるのではないかと思います。

CCFLと蛍光球の比較

CCFLと普通の蛍光球でも微妙に印象が違います。

一般的な蛍光球と比べても、CCFLは微妙に印象が違います。ただ、どちらが良いとか悪いといった感触はありません。情報では蛍光球はちらつきがありますが、CCFLではちらつきが出ないという話があります。ただ、私が自分で直接見た限りでは、特にちらつきの差は感じませんでした。

ちなみに左が60W相当のCCFLで右が100W相当の蛍光球ですが、明るさの差をほとんど感じません。むしろ60W相当のCCFLの方が明るいと感じる位です。もっともこれは右の蛍光球が古いため、明るさが落ちてきているのかもしれません。

もっともCCFL商品パッケージの記載によれば、CCFLの寿命は蛍光球の5倍近くあります。少し時間が経って明るさが落ちる蛍光球よりも、現実的には使い勝手が良いかもしれません。

この2つは両方とも電球色なのですが、CCFLの方がより白色に近い印象があります。ただし、それがCCFLという性質によるものなのか、単に商品としての違いなのかは分かりません。

CCFLの電磁波を計測してみました

また、各々の照明の電磁波(低周波の磁場)についても測ってみました。一般的にLEDも蛍光球もそれほど強い磁場を出すことはありません。機器のすぐそばであれば多少磁場が出ていますが、少なくとも人が日常的にいる場所で基準値以上の磁場が出ていることはまずありません。

しかしなぜか蛍光灯や蛍光球から強い電磁波出ていると主張される方が結構いらっしゃいます。私が今まで計測した限りではそのような例はないのですが、特定の機種であれば磁場が出るのか、あるいは昔はそうだったのかは分かりませんが、何か情報をお持ちの方がいらっしゃったら、教えてもらえればと思います。

ただ、私が計測する限りではそのような強い電磁波を出している蛍光球の例はなく、今回の測定結果もその参考にしてもらえればと思います。

LED電球そばの磁場

LED電球のすぐ下では3.63mGの磁場が出ていました。

まずはLED電球の磁場です。こちらは3.63mG(ミリガウス)となりました。電磁波協会の基準値が3mG以下ですので、電球のすぐそばであれば、基準値を超えていることになります。実際に電球の場所によっては、5mGを超える時もあります。

ただ少し離せば基準値以下になりますし、人が日常いる高さまで下がりますと、0.2mG前後と他の場所と同じくらいの磁場にまで下がります。この数値であれば、電磁波過敏症の方でなければ問題にはならないと思います。

蛍光球そばの磁場

蛍光球の磁場はLEDよりは低いようです。

次に蛍光球の磁場について調べてみました。こちらは0.32mGとLEDよりもずいぶん低い数値です。この蛍光球に限らず、私は今まで蛍光球で高い電磁波を計測したことがありません。厳密に言えば、直管タイプの蛍光灯の場所によっては高い磁場が出ていることはあるのですが、少し離れれば問題が無い数値まで下がります。

もちろんどんなに低くてもこれはダメという過敏症の方がいらっしゃるかもしれませんが、一般的には問題が無い範囲内と思われます。

CCFL電球そばの磁場

CCFL電球のそばは他の2つよりも磁場が高いという結果が出ました。

最後にCCFLの磁場を測定したところ、19.46mGと他の2種類よりも高い磁場となりました。ちなみにもう少し近づけますと、30mG近い磁場も計測されました。

もちろんこのCCFLも人が日常的に人がいる高さまで下がりますと、0.2mG近くまで下がりましたので日常的な利用では問題にはならないと思いますが、機器としては高い磁場を出しているようです。

これがCCFLの特性なのか、この商品単体の問題なのか、CCFLと元の照明器具との相性の問題なのかは私には分かりません。ただ今回の計測については、このような結果になったという点はお話ししておくべきだと思いましたし、電磁波過敏症の方は注意して選ぶべきだと思います。

(追記:この記事をご覧になられた方の意見で、磁場が出るかどうかは商品によります、という意見がありました。製品基盤の中にEMI/EMCフィルターを採用している商品であるかどうかで磁場が出るかで無いかの違いがあるとの事です。最近の主流の製品ではフィルターが採用されており、その場合には磁場は出ないとのコメントでした。フィルターが付いていない=安物のCCFL商品であるとの事です。私はこの1つの機種でしか計測しておりませんので、この話の真偽は確認が出来ておりません。)

CCFLそばの高周波の電磁波

どの照明も高周波の強い電磁波は計測されません。

ちなみに参考までに3種類すべての照明の近くで高周波の電磁波について計測しましたが、どれも同じような数値で、強い電磁波は検出されませんでした。

CCFLが過敏症の方に有効かどうかは、実際に試してみないと分かりません

CCFLを購入して試してみた結果は以上です。実際には商品によっても違う点はあるでしょうし、取り付けた照明器具との相性もあると思いますので、これらの結果がどの時点でも正しいという話ではありません。

また個人的な印象としては、電磁波の内の磁場は強いという結果は出たものの、数十センチ離れれば問題ない数値になりますし、見た感じでは悪い印象はありません。もし蛍光球で何らかの問題があるという方は試してみても良いのではないかと思います。

ただ過敏症の方がどの商品や何について反応するかは本当に人によって異なります。今回の記事も何らかの参考になればとは思いますが、最終的に取り入れるかどうかは、実際に試してみて、問題がないかどうかを確認した上で、使用するかどうかを決めてもらえればと思います。

このページの話を動画でも解説してみました

この記事内でお話ししました内容を動画でも説明してみました。その動画がこちらです。

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  1. ピンバック: CCFLとLEDについてのコラム記事が掲載されました。 | 一般社団法人 やさしいあかりでつなぐ地方創生ネットワーク

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