過敏症の症状が統合失調症と似ているからと言って同じものと考えてはいけません

当社には様々な過敏症の方から問い合わせの連絡等を頂きますが、その際に感じるのは周りの人の無理解さです。特に同じご家族の方の理解が無いと、過敏症の方は本当に苦しい思いをする事になるようです。

ご家族の理解が無い1番大きな理由は、過敏症の存在を知らないという点にあるように感じます。ご家族の方は「自分では感じないのに、その人だけが感じるというのは、その人が何かしらの病気ではないか」というように思うケースがあるように聞きます。

そして病気について調べていきますと、統合失調症の症状と似ている部分を見つけ、その人は過敏症ではなく統合失調症ではないか、と考えるケースもあります。

このケースについて、私が感じる事を少し述べたいと思います。

症状が同じでも原因が異なる事もある事を理解してもらうのは大変です

何かしらよく分からない病気になった場合に、ネットなどで症状から病気について調べるという方法は多くの皆さんが使われる手法だと思います。そのこと自体が悪いという話ではありません。

ただ、この方法の問題は、特定の病気に症状が似ているからといって、その病気であると簡単に考えてしまいがちだという点です。特に低周波音過敏症の方は、誤解を受けやすいように感じます。

低周波音過敏症の方は、ご本人は低周波音を感じられるのですが、他の方は同じ場所にいても特別な音や振動を感じる事ができません。そのため、過敏症の方が何らかの幻聴を聞いているのではないかと思い、その流れから統合失調症ではないか、と考えられるケースもあるようです。

統合失調症の症状はいくつかあるのですが、代表的なものに幻聴や妄想というものがあります。自分は聞こえない、この人は聞こえると主張している、つまりは幻聴ではないか、という考えの流れができます。ご家族の方がそのように考えてしまいますと、過敏症の方が家族内で孤立してしまうという事にもなり兼ねません。

孤立

過敏症の方が家族内で孤立してしまう事になり兼ねません。

そして1度そのように、つまり病気であると思われてしまうと、その後は過敏症の方がどんな主張をされても話を流されてしまうという事もあるようです。過敏症の方は、自分の症状が辛いという事と同じくらいのレベルで、家族に理解されない事が辛いと話される方が数多くいます。

当社では低周波音や電磁波の測定業務も行っているのですが、正直なところ、この仕事はあまり乗り気がしません。実際に低周波音を測定できたとしても、その後の対策がほとんど取れないため、単に低周波音がありました、このような電磁波がありました、という話だけで終わってしまう事が多いからです。

ただ、このお話をしてもご依頼される方の理由の中に、対策は無くても良いので、低周波音や電磁波があるという事を示してくれるだけで良いから、と言われる事があります。

つまり、実際の対策を立てる以前の問題として、ご家族の方に本人の思い込みではなく、確かに低周波音が発生しているのだ、という事や強い電磁波があるのだ、という事を理解してもらいたい、という理由のようです。

普通は建物内でこのような問題があるという結果が出ると悲しい話のはずですが、過敏症の方から見れば、自分の主張が証明された、という事で、むしろ喜ばれるケースがあります。そのようなシーンを見ますと、本当に周りの理解の無さに苦労されているのだなと思い知らされます。

一方で過敏症ではなく本当に統合失調症ではないかという事も考えましょう

しかし、その一方で、これは本当に低周波音の問題なのだろうか、電磁波の問題なのだろうか、と考えさせられるようなケースもそれなりにあります。

当社には過敏症の方からご質問やご相談の連絡を受ける事も多くあるのですが、過敏症の方にはそれなりのパターンがあります。例えば低周波音過敏症と思われるパターンとしては、近くに音源と思われるものがあるとか、マスキングの効果がはっきりと出ている等、典型的なパターンだなと思わされることがよくあります(マスキングについては「第3章.住まいが健康に悪い影響を及ぼしていると思われる場合にはどうしますか?」の記事をご参照ください)。

その一方で、明らかに論理展開がおかしいとか、電話の話し方自体が普通ではない等、その方の妄想ではないか、と思われるようなケースも時々あります。

統合失調症

ご連絡頂く方の何割かは、過敏症ではなく別の病気なのでは、と感じさせられます。

このような方の場合、本来は電磁波とか低周波音とかの計測をして、実際には問題があると思われるような数値が出ているかいないという事を確認したり、数値が出ないのであれば別の問題ではないか、と考えるべきだと思うのですが、そのような話の展開にはなりません。このようなタイプの方は、自分の話が絶対的に正しいと主張されるため、計測結果の内容には納得しないからです。

このタイプの方は、本当に統合失調症や、他の病気ではないかとという事を疑う方が良さそうですし、診断も受けるべきではないかと思うのですが、ご本人にその意思が全くないため、病院に行くという選択肢は出てこないようです。

私は医者ではありませんので、私から統合失調症ではないですか、と申し上げる事は出来ないのですが、ご自身で色々と調べた結果、統合失調症の可能性があるのであれば、1度診断を受けてみるという事もお勧めしたいと思います。

ちなみに過敏症の話や統合失調症の話は、ネット上で色々と出ていますが、内容がおかしなものも多数出ています。特に掲示板関連のサイトでは、明らかに間違っていると思われる情報が堂々と語られている事もありますので、注意が必要です。

病気に関しては極力公的なサイトを確認する方が安心です。統合失調症については「みんなのメンタルヘルス(厚生労働省)」等が参考になりますので、自分は違うと思っている方でも、ぜひ1度目を通しておくべきだと思います。

統合失調症の発症率は100人に1人程度と割と発症率が高い病気です。低周波音過敏症は正確なデータがありませんが、恐らく数千人に1人という率と思われる事を考えますと、確率だけ考えれば統合失調症になる率の方が高いという事になります。

この記事が過敏症等に悩んでいる方の少しでも参考になればと思います。

この記事についてのご意見やご質問等がありましたら「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ご連絡ください。また、当社は不動産仲介業務が本業であり、会社に不在というケースが多々あります。ですのでご連絡は電話ではなく、極力メールで頂けますよう、お願い申し上げます。

過敏症に関するご質問やご相談で、折り返し電話を下さいというメッセージには一切対応しておりませんので、その点も予めご了承ください。

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