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当社は不動産を買う人の立場に立つ不動産仲介会社という位置づけで活動しています。そのため売られている物件をお客様と同行して見に行くことが多いのですが、その売却物件の見せ方をもう少し変えてくれれば、こちらも勧めやすいのに、と思うことがよくあります。見せ方の問題と言っても、実は注意点は2つしかありません。

不動産屋的にとても良いと思う物件であっても、購入予定のお客様が最初に悪いイメージを持ってしまいますと、そのイメージを覆すのは簡単ではありません。

当社は買う側の立場に立っていることが多いため、見栄えが悪い物件は逆にお買い得なので強気の指値をしましょう、と話せることもありますので、見せ方が悪い物件は案外お買い得になることも多いのですが、売り主さんはこれで良いのだろうかと思うこともしばしばあります。

今回は買う方の立場から見て、売り主さん側はこんなあたりに気を付けてもらえばよいのに、と思う点についてお話します。

数千万円の買い物をするお客様に見せる物件がゴミ屋敷なのは論外です

ごみのイメージ

売り物件がごみ屋敷になっているのは論外です。

とにかく論外と思われるのは、やはりごみ屋敷です。私は曲がりなりにも不動産のプロですので、部屋の中にある荷物とは関係なく、不動産の価値を考えますが、一般のお客様はそうではありません。最初に見た印象が汚い、というイメージであれば、それだけで他のきれいな物件と比べても数百万円単位で安く見積もってしまうこともあります。

逆に考えると、案外お買い得物件だったりすることもありますので、買い手としては面白いのですが、売る側から見れば荷物の整理を惜しんでいるために、大きく損をしていると感じます。このあたりの話は「ゴミ屋敷は実はお買い得かもしれません」の記事でもお話ししていますので、よろしければこちらの記事もご覧ください。

空き家なのに荷物が置いたままの物件も良い印象を受けません

遺品整理のトラックのイメージ

空き家であれば、家具は整理して空けた方が良いイメージを出しやすいと思います。

ごみ屋敷とまでは言わなくても、空き家のはずなのに荷物が置いたままの物件も、あまり良い印象はありません。これは相続物件などでよくあるパターンです。

相続物件とは住んでいる方が亡くなられ、遺族の方が売りに出されているパターンです。遺族の方はすでに自分の住まいを持っていて別の場所で生活されている場合には、その不動産も家の中にある荷物もほとんどが不要のものとなってしまいます。

売りに出す前に、家の中の荷物を整理し、きれいにした状態で売りに出せば、その分高く売れる可能性も上がるのですが、面倒で手を付けないというパターンがよくあります。荷物を整理しない理由で1番多いのは、「遺品整理にも費用がかかるので、売買契約が終わり、手付金が入ればそのお金で業者を雇い、荷物を整理する予定です」という話です。

確かに荷物整理や不要品の撤収などを業者に頼むと結構な費用を取られます。戸建て住宅であれば20万円以上の費用がかかることもよくあります。しかし、手持ちのお金が全く無いのであれば、契約後の手付金をそれに充てるしかありませんが、ほとんどの場合はお金が無い訳ではなく、単に面倒なだけだったりします。

あるいは費用の持ち出しをしたくないので、契約まで待っているという方もいますが、最終的にかかる費用は契約前でも契約後でも変わりはありません。費用には変わりがなくても、売れる価格については大きく変わります。結局目先の損得や面倒さで、数十万円単位どころか数百万円単位で損をする可能性を高くしています。

売り主側の仲介会社にやる気がない場合も、良い価格では売れません

やる気がないイメージ

売り主側の仲介会社にやる気がない場合も問題です。

売り主さんの荷物の状況だけではなく、売り主さん側に付いている仲介会社にやる気が無い場合も、売れる値段は結局下がることになります。

ごみ屋敷の話や、荷物があると売りにくくなるというのは不動産仲介会社であれば、よく分かっている話のはずです。もちろん仲介会社の人が売り主さんに荷物を片付けたほうが良い、と話をしても売り主さんが話を聞かないという事はよくあります。

ですが、熱心な不動産会社であれば、荷物が多いことによるマイナス点を丁寧に売り主さんに説明するでしょう。しかし、売り主さんの機嫌を損ねないようにしたいと考えたり、そもそも高く売ろうという気がない仲介会社であれば、説明を詳しくすることもなく、そのままの状態で販売しようとします。

本来不動産会社が得る仲介手数料は、売買代金が高い方が手数料も高くなりますので、高く売りたいと不動産会社は考えるはず、と皆さんはお考えかもしれませんが、必ずしもそうではありません。荷物を整理することの説明や手間、場合によっては手伝わされるという状況を考えると、価格は下がっても良いからそのままで販売を進めようとすることはよくあるからです。

遠いイメージ

不動産会社が売却物件がある現地より遠い場合も、やる気が落ちていることがあります。

また、これも相続物件でよくある話ですが、仲介する不動産会社が売却不動産の現地から遠方にある場合には、なお売る気は弱くなります。これは遺族の方が、自分の生活圏から近い不動産会社に売却を依頼するときに起きます。

不動産会社の営業マンは、その売却物件を案内しようと思っても、事務所から現地まで片道2時間かかる物件であれば、すぐに案内しようという気があまり起きません。成約するかどうかも分からない案内で半日から1日近く時間を費やされるのは、やはり面倒だと感じるからでしょう。

実際に私がお客様と現地を見たいと不動産会社に連絡を取った時に、断られたこともあります。さすがに面倒だから見せません、とまでは言いませんが、何かしらの理由を付けて、内見させないようにされました。

もちろん遠方の物件を持つすべての不動産会社がそうだという話ではありません。片道3時間かかる距離にある物件を丁寧に案内してくれた不動産会社もあります。ですが、一定の割合で、あまりやる気がない不動産仲介会社があるのも事実ですし、売却物件から不動産会社の事務所まで距離が離れるごとに、その比率は高くなるような印象を受けます。

不動産を購入するときにはまだしも、売却するときには、なるべく売却物件から近い場所にある不動産会社の中から選ぶ方が、より高く売れる可能性を上げてくれると思います。

別の理由で、不動産売却時には不動産会社選びが重要という観点もあります。こちらは「第1章.その不動産が高く売れるかどうかは不動産会社の方針に左右されます」の記事をご覧ください。

物件の内見時に売り主側の人が誰も立ち会わない場合にも損をしやすいと思います

一般的に不動産の売り物件を見る内見の時には、売り主さんか売り主さん側の不動産会社のどちらか、またはその両方が同席します。ですが、すでに空き家になっている場合は、「鍵だけ預けますので、勝手に物件を見ていってください」と売り主側の不動産会社から言われることもあります。

この場合にも、不動産の売却価格にマイナスになることがあります。

雑草取りのイメージ

エントランス周りに雑草がないだけでも、ずいぶんイメージは違うのですが。

まずは物件の手入れがされていないことが多いので、見る物件自体が汚く見えることが多いことです。

例えばエントランスから入り口のドアに行くまでの間に、人の背の高さほどの雑草が生えていることがよくあります。不動産会社は売り物件を多く抱えていますので、すべての物件について定期的にメンテナンスをすることはできません。

ですが、内見時に同行することにすれば、内見予定時刻よりも早く現地に着くことでしょう。そして、さすがに問題があるような見栄えの悪さは、多少は手を入れることができます。このケースであれば、目立つ雑草をいくらか引き抜くだけです。このようなちょっとした対策も立てられず、放置している物件を見せていては、高く売れるはずもありません。

雨戸を開けるイメージ

購入検討者が見に来る前に、雨戸が開けられているとイメージがずいぶん違います。

また、買主側のみで内見する場合は、ドアや窓はもちろん、雨戸もすべて閉まっています。そのため、家の中に入った時点では真っ暗で、空気もよどんでいます。その建物の最初の印象は良いものではありません。

さらにこの場合は、買い手側の不動産会社の営業マンが各部屋の雨戸を開けるのですが、お客様自身が手伝ってくれて雨戸を開けてくれることもよくあります。しかし、古い建物で、空き家になってから時間が経っている建物の雨戸は簡単に開かなかったりします。単に雨戸のロックの開け方が分からないこともあれば、少し錆びついていたり、動きが悪くなっていたりで、雨戸を開けるだけで大変な労力がかかるときもあります。

これが単に不動産会社の営業マンが疲れるだけであれば、問題はありません。問題なのはお客様がなかなか雨戸を開けられず、イライラした気分になってしまうことです。最初に室内を見た印象が暗く、雨戸を開ける際にイラついた後に物件を見て、その物件に良い印象を感じるでしょうか。

ちょっとしたこと、と思われるかもしれませんが、このちょっとしたことが、物件から受ける印象に大きな差が出ます。少なくとも、私の経験から言えば、それなりに大きな差が出ます。物件の現状がよく分かって良い、という面もありますが、感情的に悪い部分が残るのは良いことではありません。

売り主側の不動産会社の営業マンが立ち合うのであれば、事前にその営業マンが現地に先に入り、雨戸や窓を開け、空気の入れ替えを行うでしょう。これだけでも、最初の悪いイメージを大きく減らすことができます。

鍵のイメージ

鍵を預かりに行くだけでも手間なのですが、その際に横柄な対応をされると良いイメージは付きません。

もう1つは本当に細かな話ですが、お客様側だけで物件を見に行く場合には、買い手側の不動産会社が物件のカギを受け取りに行き、内見の後には、また返しに行きます。そして、鍵を預かる不動産会社の事務所が物件から近ければそれほどの手間ではありませんが、結構遠方にある場合もよくあります。

事務所が遠方にある場合は、鍵の受け渡しは結構手間だったりします。そしてその鍵の受け渡しの扱いが、結構ぞんざいに扱われることがよくあります。その場合、買い手側の不動産会社の営業マンは、その会社に良いイメージを持つことはありません。

悪いイメージが物件の説明にそのまま出るかどうかは、営業マンによって異なります。しかし、少なくともその物件を積極的に売ろうという気力は欠けると思います。私自身このような扱いをされることは良くありますが、物件の説明は不動産会社とは別だから、と自分に言い聞かせてから物件を案内するようにしています。

しかし、売り主側の不動産仲介会社がこのような応対であれば、買主側の不動産会社で快く思う人はいないでしょう。これは本当に些細なことですが、このようなことも成約や売買価格に影響することもあります。

不動産会社が他の不動産会社にどんな応対をするかを一般の方が判断することは難しいでしょう。ですので、この部分は不動産会社選びの参考にはならないかもしれません。しかしその不動産会社の社員がお客様以外に対してどのような言葉使いをしているのか、どのような応対をしているのかを見る機会があれば、見ておけば何となく感じはつかめるのではないかと思います。

結局はどの不動産会社に売却を依頼するかでほとんどが決まります

会社のイメージ

どの不動産会社に売却を依頼するかが重要です。

ここまでお話ししました内容で分かるように、結局はどの不動産会社に売却を依頼するかで、このあたりの問題が起きるかどうかの差が出ます。売り主さんにきちんと状況を説明し、買いたいお客様がいる場合にはきちんと応対してくれる不動産会社であれば、問題の半分以上は解決されています。

よく不動産の売り物件の見せ方で、きれいにしておきましょうとか、スリッパを用意しておきましょうとか、メリットが目立つような見せ方を考えましょうという話を聞きます。もちろんそれは間違いではありませんが、ここまでお話ししてきたように、見せ方以前の問題で損をする、つまりは売却価格が下がることがよくあります。

売却を得意とする不動産会社であれば、このあたりの話を詳しく教えてくれるでしょう。

このページの話をまとめますと、
空き家の場合は荷物を置かない
物件の内見時には不動産会社の営業マンか売り主自身が立ち会う
の2点を守れば良いという簡単な内容です。

しかし、この簡単なことが守られていない物件がいかに多いかを考えますと、損をしている売り主さんは多いのだろうなと物件案内をする度に感じます。

ふくろう不動産は買い手側の立場に立つ不動産会社ではありますが

ふくろうのイメージ

ご相談の連絡はいつでも受け付けています。

当社:ふくろう不動産は不動産を買いたいという方のためのサービスを特化させている会社です。ですので、不動産を売却しようとしている方からの相談は少ないのですが、それでもご相談があれば、このような話を含め、詳しい話をさせて頂いています。

当社も不動産会社ではありますので、不動産の売却の仲介を行うことも可能ですが、購入のお客様優先の営業体制を取っているため、売却依頼を受けられないケースもあります。それでもご相談自体は受けていますし、費用がかかるものではありませんので、不動産の売却で悩んでいることがありましたら、ご相談の連絡を頂ければと思います。

ご連絡には「お問い合わせフォーム」のご利用が便利です。また、ご連絡されたからと言って、当社からしつこい営業を行うこともありませんので、ご安心ください。