このページでは、実際に建物の状態を見て、チェックする内容についてお話しします。戸建住宅の現地チェックシートは中古住宅の確認用として作ったあるものですが、新築住宅であっても基本は変わりません。

本来であれば建物は、建設途中を見なければ正確な内容が分かりません。しかし、建売住宅や中古住宅ではすでに建物ができあがっているため、完成した建物の姿から判断しなければなりません。

そのため100%正確な判断は難しいのですが、これらの内容をチェックすることで、ある程度精度の高い建物診断ができると思います。

1枚目のシートでは戸建住宅の構造の主要部分を確認します

戸建住宅現地チェックシートその1

戸建住宅の現地チェックシートです。これは住宅の構造によらず、この内容でチェックを行います。

1枚目のシートは重要な項目が多く入っています。基礎・外壁・屋根・床下と構造の重要な部分のチェックとなり、この部分に大きな問題があるようであれば、その物件を見送るつもりでチェックしなければなりません。

中古住宅を購入する場合、ある程度リフォームが必要となることがありますが、主要な構造体に問題がある場合、新築と変わらない費用がかかる恐れがあります。その建物を解体して新築する予定でない限りは、構造体に問題のある建物の購入はお勧めしません。

床下のチェックは特に重要です。施工精度は普段見えない部分で差が出ています。

床下を見て、土台や大引きなどの施工が雑にされていたり、配管のために木材が削られていたり、ゴミなどが捨てられているような床下であれば、見た目がどれほどきれいであっても、施工精度が良くありません。覗いてみるだけで構いませんので、必ずチェックしたい部分です。

2枚目のシートでは雨漏りと設備についてチェックします

続いて2枚目のシートです。

戸建住宅現地チェックシートその2

このシートでは、屋根裏や階段と、設備関係をチェックします。設備などは取り換えが効くものと、実質的に不可能なものがあります。例えば給湯器などは交換すれば済みものですが、配管に問題がある場合、交換できないケースもあります。設備系もしっかりと見ていくようにしましょう。

このシートも重要な項目がたくさんあります。屋根裏は屋根の雨漏りをチェックするために見ておきたい箇所です。雨漏り、水漏れなどは、その原因を突き止めるのが大変です。築年数が浅いのに雨漏りの跡がいくつか見受けられるようでしたら、見送ることも考えましょう。

設備に関しても細かく見ていきます。交換可能な設備であれば大きな問題にはなりませんが、配管などに問題がある場合には要注意です。

例えば排水管などが埋め殺し(耐圧盤など基礎コンクリートの下を排水管が通っている場合など)で、その排水管に問題がある場合には、修理が簡単にできません。なかなか排水管の位置やつながり状況を見るのは難しいのですが、できる範囲で構いませんので確認するようにしましょう。

ちなみにふくろう不動産では、こういった配管を見るために、長さが5mある工業用内視鏡を用意していますし、床下をチェックするための床下探査ロボットも利用しています。これですべての確認ができるわけではありませんが、通常よりもチェックできる範囲が広がります。

3枚目以降では各部屋の傾きや劣化の確認をします

続いて3枚目です。

戸建住宅現地チェックシートその3

このシートでは、内装や交換が比較的簡単な設備について見ていきます。設備は浴室のチェックが重要です。

3枚目のシートは部屋ごとの状況と他の設備です。3枚目といっても、実際には部屋ごとにチェックがありますので、このシートは5~6枚使います。

ですので最終的にはシートは10枚近くになります。内装の汚れや傷みについてはリフォーム前提であればそれほど気にする必要はありません。設備もこのシートでチェックする設備は大半は交換が容易です。

ただ、浴室については十分注意しましょう。最近の浴室はユニットバスになっていますが、昔の建物では在来浴室が中心でした。在来浴室はデザイン上は優れたものも多いのですが、防水という点でみるとユニットバスと比べ大きく劣ります。

見ただけでは分かりにくいと思いますが、図面と照らし合わせ、在来浴室であれば、周辺の基礎が高く立ち上がっているかどうかなどをチェックしましょう。在来浴室で周辺の基礎を立ち上げていない場合、その周りの構造体である柱が腐朽しているケースが結構な確率でありますので、より詳細な調査が必要になります。

浴室がユニットバスかどうかは壁と天井が一体型になっているかどうかなどで判断が付きます。ただハーフユニットは見ただけでは分かりにくいので、図面で確認することになります。

戸建住宅はこのようにチェックしなければならない内容がたくさんあります。ふくろう不動産では当社でこのチェックシートを記入し、お客様にお渡ししていますが、お客様自身もなるべくご自分の目で確認されることをお勧めします。

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