コンセントの向きによっても電磁波(電場)の大きさが大きく異なります
日本の住宅には家電製品が数多くあるため、多くの電磁波を出しています。特に低周波の電場については、多くの家電製品から発生しています。「2-02.家電や電気引き込み線などから出る電磁波は健康に被害を与えますか?」のページでもお話ししましたように、電源ケーブルをつないだままにしていると強い電場を発生します。
家電製品を使用していなくても、電源ケーブルがつながったままですと、電場は発生したままです。これは電圧がかかっている部分に電場が発生するためです。
しかし、コンセントの差し方1つで、家電製品にもよりますが電場を下げることも可能です。このページではそのお話をしたいと思います。
実際にコンセントの向きを変えて、電場を調べてみました
実際にコンセントの向きを変えて、家電製品の電場について調べてみました。すべての家電製品で差が出るとは限らないのですが、コーヒーメーカーやオーブントースターなどは差が出やすいと言われています。
そこで今回はコーヒーメーカーの電場について調べてみました。
私が使用しているコーヒーメーカーの電場です。これはコンセントを入れただけで、使用のスイッチを入れていません。それでもコーヒーメーカーに電圧が掛かっているため、330V/mの電場が計測されました。
人の健康に問題ないと言われる電場の数値が25V/m未満であることを考えると、使用していない間でもこれだけの電場があるのは、健康に良い事とは思えません。
このコーヒーメーカーに触れていなければこの電場の影響を直接受けることはありませんが、コーヒーメーカーがテーブル上に置かれていれば、そのテーブルも電場を帯びることになりす。
これをコンセントの向きを変えて電源ケーブルをつなぐとどうなるでしょうか。分かりやすいように、コンセントの端に緑のシールを貼っておきました。上の写真ではコンセントの右側にシールが見えます。これを反転させてつないだものが、下の写真になります。
少し写真が見難いのですが、電場は30V/mにまで下がりました。基準である25V/mよりはまだ大きな数値となっているものの、先程の電場の大きさの11分の1まで下がっています。
単にコンセントの向きを変えるだけでもこんなに電場の量に差が出る事があるのです。
電場が下がる理由は、回線のスイッチの位置にあります
たんに差し込むコンセントのスイッチを反転させただけで、なぜこのように電場の強さが大きく変わるのでしょうか。そもそもコンセントには穴が2つありますが、両方の穴の部分に電圧が掛かっている訳ではありません。コンセントを良く見て見ますと、コンセントの穴の縦の長さは同じではありません。
穴の短い方には100Vの電圧が掛かっていて、長い方には全く電圧が掛かっていません。一般的にはこのようなルールになっているのですが、電気工事の際に逆に施工されるケースもままあるため、実際には逆になっている場合もあります。
どちらにしても、片側には電圧があり、反対側には掛かっていないという状態なのは間違いありません。このことを、家電製品に電気が流れる回路図で考えてみましょう。
上の図の1番右側は、家電のスイッチを入れた状態です。この場合は電流も流れており、スイッチがつながっていますので、家電製品全体に電場が発生しています。
ただスイッチを入れていない場合は、左側の図の2つのうちのどちらかになります。そして100Vの電圧がかかっている部分からスイッチが切れている部分にまで電圧がかかります。
回路図では赤く線を引いてある部分に電圧がかかっています。1番左の図は、0Vの側に近い部分に回路のスイッチがあるため、家電の大半に電圧がかかります。電場は電圧が掛かっている部分に発生するため、家電の大半に電場が発生しています。
しかしコンセントを反転させてつなげるとどうなるでしょうか。それが真ん中の図です。先程と電圧がかかる部分が反対となり、家電のほとんどの部分に電圧がかかりません。その結果電場の量が少なくなります。
そのため電場が発生する部分の量が、コンセントの向きによって、つまり100Vの電圧が掛かっている範囲が違うことによって、家電全体の電場の量が変わる訳です。
コンセントの反転効果が大きいのはOAタップです
このためコンセントをどの向きに差し込むかで、かかる電場の量が大きく変わります。
この効果が大きく出るのが、OAタップです。OAタップにはスイッチがあり、そのスイッチを切っているとそこから先には電気が通らないので電圧はかからず、電場も発生しないと思われがちです。
ですが、実際にOAタップのスイッチを切って、スイッチを切ったコンセントから出ているケーブルの電場を調べてみました。
タップのスイッチは切れていますが、それでもその切れているはずのコンセントにつないでいるケーブルからは640V/mと大きな電場が計測されます。
しかし、この後、タップ本体のコンセントを反転させてつなぎ、もう1度電場を計測してみました。
タップ本体のコンセントを反転させただけで、他は何も変えていません。しかし電場は70V/mまで下がりました。タップの回路上のスイッチの位置の違いで、このような結果の差が出るものと思われます。
問題はコンセントを見てどの向きであれば電場が下がるのかが分からないことです
このようにコンセントを入れる向きの違いによって、電磁波のうち電場の出方が本当に大きく変わります。コンセントの向きを変えるだけという大変簡単な方法なのですが、問題なのはどちらの向きで入れると電場が下がるのかが分からないことです。
私は1級電磁波測定士ですので、コンセントの向きを両方試してみて電場を計測し、電場の低い方を見つけるだけで済みます。しかし一般の方はこのような測定器を持っていませんので、簡単に判断することができません。
完全にタダでチェックできる方法は思いつきませんでしたが、安くできる方法として、検電器を使うというやり方があります。
上の写真の検電器は電場の数値こそ表示することができませんが、強い電場を感知すると警告音が出ます。電場の強さがどのくらいであれば警告音が出るかをある程度設定できますので、この設定を変えながら、コンセントの向きがどちらであれば、電場が強いかを判断することが可能です。
この検電器を使うことで、どのコンセントの向きであれば、電場量を減らすことができるかが判断できます。
この検電器はアマゾンなどでも購入可能で、価格を調べると5,000円強でした(エルマクリーン 検電器 RVD-5060)。電磁波測定士からも購入できますので、私にご連絡いただいても購入は可能です。近いうちに、購入できるサイトへのリンクも設定します。
この検電器があると、先程お話ししましたコンセントのどちらの穴が100Vなのかを判断することもできます。コンセントの向きなどは普段は気にすることはありませんが、オーディオ機器を設定される方は、どちらの向きでコンセントを入れるかで音質が異なると聞きますので、オーディを趣味とされている方にも役立つと思います。
あるいは、電磁波測定士に家の電磁波調査を依頼し、電場の量を測るときに一緒にコンセントの向きも見てもらうという方法もあります。
電磁波調査は測定士にとって価格は異なりますが、大体1万円台で調査が可能です。自分で検電器を購入するよりも高くなりますが、他の場所の電磁波の影響なども調べることもできますので、この方法も検討したいところです。
当社でも電磁波の調査を行っており、ホルムアルデヒドの濃度チェック2か所とセットで、12,000円(税抜)で行っています。ただ、測定場所によって価格は若干異なります。
コンセントの向きといったちょっとしたことでも、電磁波の影響は大きく変わります。こういったちょっとした事を知っているか知らないかでも、受ける電磁波の影響は大きく変わります。このサイトを読まれている皆さんには、なるべく多くの正確な知識を得て、健康な生活を送れるようになって欲しいと思っています。
また、当社では電磁波の測定だけではなく、ホルムアルデヒドや低周波音による被害が無いかどうかも確認できる体制を取っております。これらの調査も有料ですが行っています。ご興味がある方は「6-01.健康配慮型のインスペクションを行っています」のページもご確認ください。
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