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不動産は将来amazonやヤフオクで売られるようになり、今ある不動産仲介会社はすべて無くなるだろうという意見があります。有名なブロガーである「ちきりん」さんや堀江貴文さんなどがこういった話をされているようで、一時期不動産業界では話題になっていたようです。また、この話の中では、物件を紹介するだけで仲介手数料を取るだなんてふざけている、という話もあったようです。

この意見が正しいかどうかはさておき、ここ数か月でふくろう不動産を通して成約したお客様が購入した不動産について振り返ってみますと、当社が紹介した物件が1件もない事に気が付きました。これを聞きますと、ふくろう不動産で物件を紹介していないのにお客様が不動産を購入し、仲介手数料を取っているとはおかしいのではないか、と思われるかもしれません。

そこでこのページでは、当社:ふくろう不動産が通常どのような仕事をしているのか、お客様とどのような流れでどういう事を話しているのかについて、簡単に紹介したいと思います。

初回打ち合わせは当社で行い、不動産一般について説明します

不動産を買いたいと考えているお客様から、当社:ふくろう不動産に相談したいという連絡を頂いてから、当社とお客様とのお付き合いが始まります。お客様のほとんどは、ふくろう不動産のホームページか、ふくろう不動産のYouTubeを見て、当社の事を知って頂くようです。

事前にメールやお電話で打ち合わせすることもありますが、原則として初回の打ち合わせではお客様に当社まで来て頂き、社内で様々なデータなどを見ながら不動産の選び方や考え方について、当社から説明させてもらっています。

授業のイメージ

最初の打ち合わせは「授業」ではありませんが、似たような感じになります。不動産の選び方や考え方を説明する打ち合わせとなるからです。

ふくろう不動産の会社は千葉市にあるのですが、この場所がお客様の住んでいる場所や不動産を探している場所から離れていたとしても、最初の1回は必ず当社に来て頂けるようにお願いし、実際に来てもらっています。

私がお客様の元にお伺いするのではなく、わざわざ来て頂いているのは、レインズのデータを見てもらって相場を確認してもらうためと、検査機器を見てもらう事でどのような検査などを行うのかを知ってもらうためです。

レインズというのは、不動産会社のみ使う事が出来る不動産の検索システムの事ですが、こちらは不動産流通機構のルールにより、自社以外の場所で勝手に公開したり使用したりしてはいけない事になっています。そのため、お客様の家でレインズを接続するという事が出来ませんので、お客様にとっては面倒かもしれないのですが、わざわざ当社まで来て頂いています。

また当社ではたくさんの検査機器があります。低周波音測定器や電磁波測定器、サーモグラフィカメラなど土地や建物の問題を見つけるための機器類が10台以上あります。言葉で検査について説明するよりも、実際に機器を見てもらい、少し使ってもらう方が、検査内容を説明しやすいために、これらの機器を手に取って見てもらっています。

ふくろう不動産の測定機器等

ふくろう不動産で使用している検査機器の一部です。こういった機器を実際に見てもらう方が、検査の内容を皆さんに理解してもらいやすいと考えています。

このような事を1番最初の打ち合わせ時に行っています。お客様の要望や考え方によってもうち合わせにかかる時間は異なりますが、平均しますと初回打ち合わせは3時間強かかっています。そして3時間強の半分以上の時間は、私が不動産について説明しています。不動産の見かた、チェックポイントの一般的な事をお話ししているだけなのですが、データ等を見ながら説明しますので、どうしてもこれだけ時間がかかってしまいます。

こういった説明をさせて頂いた上で、実際にふくろう不動産に仕事を依頼するかどうかはもちろんお客様の判断になります。この時点では、私はお客様の名前とメールアドレスしか知りません。ですのでお客様がこの後、当社に仕事を頼まない事にしたとしても、当社からメール以外で連絡することはできません。突然の訪問や電話営業をしようと考えても、知らないものは連絡のしようがありません。

交渉成立のイメージ

ありがたいことに、打ち合わせ後は当社に仕事を頼んで頂けることが多いので、こちらから変な営業をする必要があまりありません。

ありがたいことに、当社にいらっしゃるお客様の7割以上は当社に仕事を頼んでくれています。当社に仕事を依頼されない3割弱のお客様についても、そのうち半分はしばらく不動産の購入を見送りますという方ですので、ふくろう不動産の営業方針がダメという話ではないのですが、3割弱のお客様は基本的にこの時のみの打ち合わせとなります。この3割弱のお客様に対し、こちらから連絡したり営業したりする事はありません。

2回目の連絡はお客様から特定の物件について問い合わせが来ます

初回打ち合わせを終え、ふくろう不動産を通じて不動産を買いたいというお客様から、主にメールで連絡を頂きます。その際に、購入を検討している物件のリストや情報などを一緒に頂きます。

これはお客様自身がポータルサイト等を通して、ご自分で物件を調べ、その物件についてどう思うか、どういった物件なのかを調べてくれというものです。実は最近のお客様はほとんどこの方式を取っていらっしゃいますので、当社から物件を紹介するという事が最近ではほとんどありません。

メールをくれるイメージ

幸い当社に住まい探しを依頼される方は、自分で探した候補物件を連絡してくれます。

お客様は「suumo」「HOME’S」「at home」といったポータルサイトや地場の不動産会社のサイトから物件情報を見て、そのサイトのリンク等を送ってきます。その情報を見て、私はレインズを検索し、売り主さん側の仲介会社を調べ、電話して詳しい住所などを確認します。

売り物件の正確な住所を確認した後には、私にはいくつかのデスクワークが待っています。具体的には、
・GoogleMAPで現地の場所を確認
(周辺施設や駅からの距離を再確認。広告で掲載されている駅からの徒歩分数表示が間違っているケースは多々あります)
・ストリートビューで建物外観や道路状況を確認
・土地情報レポートの作成
(古地図と昔の航空写真のチェック、周辺の地盤調査結果のチェック、揺れやすさの度合いチェック
液状化のし易さのチェック、水害の可能性と標高チェック、他の災害の可能性の確認)
・現地の路線価を確認
(路線価と周辺の成約事例から相場を確認します)
・その他取引条件や資産価値に影響があると思われる内容の確認
(広告上では記載が無くても再建築不可物件というケースもよくあります)

といった内容をまとめます。チェックにかかる時間は1物件当たり短くても30分、長い場合には2時間近くかかる事もあります。私が良く知っているエリアであれば、時間は短くて済むのですが、よく把握していないエリアの場合、相場観などを把握するのに時間がかかる事があるからです。

土地情報レポートサンプル

お客様が検討している土地については、このようなレポートを毎回提出します。資料はジャパンホームシールドさんのシステムで作成しています。

こういった内容をまとめて、お客様にメールで物件についての報告を行います。この事前調査の段階で物件についての問題点が見つかる事も多く、この時点で候補物件の3割くらいは候補から外れます。価格が安いと思っていたら、急傾斜地崩壊危険個所の指定エリアであったり、周辺と比べて標高がとても低いエリアであったりすることが分かり、その時点でお客様が候補から外すという事が良くあるからです。

ちなみにお客様から指定があった物件の近くに、他の売り出し物件を見つけた場合にはその情報も同じように提供します。当社から物件紹介する部分があるとしたら、この時紹介する分のみです。

一般的にお客様からは1回の問い合わせで3件から5件の物件について尋ねてこられます。これらの物件1つ1つについて、上記の作業を行い、その結果を報告しています。こういったメールが日を空けて3回から5回くらい届くのが一般的です。ですので、最初の1週間は毎日のようにメールのやり取りがあります。

ちなみに今まで最も多く物件について聞いてこられた方は1度に23件分の物件について確認を求めてきました。すべてを確認するのに数日かかりましたが、それらの物件についてもチェックして報告しています。

また、時々ですが、1度も会って打ち合わせしたことが無いお客様からこの物件についてどう思うかとメールで質問される事があります。ご質問についてお答えはしていますが、正直お答えする内容はそれなりのレベルでしかなく、一般的な内容でしかお答えしていません。メールだけのお客様の場合は本気度合いや考え方が分かりませんし、私もよく知らない方に対して、実際にお会いしているお客様に対する調査と同レベルのものまで力をかけられないという事情もあります。また、事前説明をしていないお客様に対して、メールで説明できる内容は限られます。基礎知識がないと理解できない話も多いからです。

ですので、本当に不動産を探したいという方は、一度当社まで来て頂き、話を聞いてもらった方が良いと思っています。

候補に残った物件の現地確認を行います

上記作業を経て、候補に残った物件については、まずは私が1人で現地を確認しに行きます。データ上では問題が無くても、現地を見ると大きな問題が見つかる事も多いからです。(もっとも遠方の場合は事前の現地確認は無く、お客様との内覧と一緒にチェックを行う事もあります。)

現地調査のイメージ

現地にはカメラと磁場測定器などをもって下見に行きます。カタログデータだけでは分からない点は、下見時にチェックします。

現地で見つかる問題でよくあるのは、
・土地の高低差の問題
・接道の問題
・周辺環境の問題
などが定番です。

土地の高低差とは、道路や隣地との間に擁壁があるケースですが、これらの擁壁に問題が見つかる事も良くあります。擁壁が傾いていたり、ひびが入り補修が必要と思われる事も割と良くあります。

接道の問題も多く、販売チラシ上では問題が無いように見えても、実際には道路に2m以上接していないと思われる土地もよく見かけます。

周辺環境については、隣地があばら家になっていたり、敷地の前がごみ置き場になっていたりという事もあります。

こういった状況を写真に撮り、写真と状況についてお客様にメールで報告します。また、現地チェックの際には電磁波測定器の1つである磁場測定器を持っていき、磁場に問題がないかどうかもチェックしています。高圧線の近くにある敷地はもちろんですが、他に何に変わった施設が無いにも関わらず、磁場が高いエリアがなぜか時々あったりします。その際にもお客様にその旨報告し、リスクが高いと判断されれば、その物件も候補から外れることになります。

また、率は少ないとはいえ、隣地にエコキュートやエネファームがあった場合には低周波音による被害の可能性がある旨注意喚起します。このあたりの考えはお客様によっても異なりますが、考えられる危険性についてはすべて説明するようにしています。

こういった事前チェックの段階で、更に3割近くは購入候補から外れることになります。

更に残った候補物件について、お客様と一緒に内見します

こうした事前チェックを経て、候補に残った物件については、私とお客様とで内覧しに現地に伺いします。土地であれば外から見るだけですが、中古の戸建住宅や中古マンションであれば、中も見る事になります。

住宅の内部

実際に内見する前に、色々な過程を踏んでいます。お客様の内見練習がてら、すぐに見に行くというケースも一応はあります。

お客様には建物の質感や日当たりを確認してもらう訳ですが、その間に私は技術的な内容をなるべく多くチェックするようにしています。具体的には基礎のひびの入り方や室内の軋み、雨漏りの有無について、目視で出来る範囲でのチェックを行います。

お客様が物件を気に入った場合には、後で本格的な調査を行うのですが、その前に目視だけでも問題が分かる事も良くあります。内見する家が空き家である場合には、床下や屋根裏を確認することもあります。

お客様が物件を気に入った場合でも、基礎のひびなどが多数見つかった場合などには、その旨注意喚起します。問題が大きいと思われた場合には候補から外れる事もありますが、問題の大きさが分からない場合には、この後の建物検査の結果を見て判断しようとなる場合もあります。

法的なチェックと技術的なチェックを行います

お客様の内覧を経て、残った候補物件については、法的なチェックと技術的なチェックを行います。

法的なチェックとは登記簿などによる権利関係はもちろん、道路や隣地の関係性で問題にならないかどうかをチェックします。特に道路自体やその接道にリスクがありそうな場合には測量図や筆界確認書の有無やその作成予定等を確認します。中古住宅ではその時点では境界について問題が出ないとしても、将来建物を立て直す際に、境界について不明確ですとトラブルを引き起こす可能性が高くなります。このあたりは売り主さん側の不動産会社とやり取りしつつ、書類を確認します。

実際には書類だけでは確認できない事も多いので、法務局に行き追加資料を取り寄せたり、市役所の建築課や道路課、開発課に事実関係の確認を取りに行くこともあります。本来であれば売り主さん側の不動産会社が資料をすべて用意し、役所などへの確認ができているべきものなのですが、残念な事にこういった確認に無頓着な不動産会社はたくさんあるため、確認できない事も結構あります。だからと言って法的な要因が不確実なまま契約を進める事はできませんので、当社側で別に調査を行う事になります。

サーモ画像事例1

サーモグラフィカメラの調査等はこの段階で入ります。建物調査自体の時間は3時間程度ですが、その後の解析などは5時間位かかります。

並行して建物の検査も進めます。これはふくろう不動産独自で行っている検査で、サーモグラフィカメラによる雨漏り調査やレーザーレベルによる傾き調査などを行います。建物の築年数にもよりますが、古い建物ですと3割弱の建物には何かしらの問題が見つかります。この問題の重要度によって、本当にその不動産を買っても良いかどうかを、お客様と相談して決めています。

建物の調査内容については「第2章.技術的・経済的な土地建物チェックに優れています」のページと、その子ページを参考にしてみてください。

買付証明書を出し、契約準備を進めます

こういった様々な過程を経て、条件を満たした建物について買付証明書を出します。金額については指値をすることが多いのですが、その金額に納得してくれるかどうかは売り主さんの考え方に依ります。ただ、金額についてはお互いが相場を分かっていれば、それなりに合意できることが少なくありません。

契約のイメージ

単に物件を紹介してすぐに契約、という流れになるのではありません。

意外と問題になるのは他の条件についてです。例えば中古住宅を購入する場合には瑕疵担保保険の加入を勧める事が多いのですが、この検査の段取りで合意できない事もあります。売り主さん自身が検査を嫌がる事もあれば、間に入っている仲介会社が瑕疵保険や検査についての理解が無く、検査を受けられないという事もあるからです。

ただ、嫌がる理由は検査内容やシステムを理解していないためというケースも多いため、この場合には瑕疵保険検査の内容や費用負担などについて売り主さん側の不動産会社に説明し、何とか了解が取れるという事もあります。

こういった過程を長々と経て、最終的に契約に至るという流れになります。世間一般の不動産仲介会社とチェックする内容が異なる部分もあるため、普通よりも成約まで時間がかかるケースが多いように感じます。早い方でも最初のお打合せから2か月以上、遅い方であれば半年以上かかるというケースもあります。

不動産の物件を紹介したり営業したりする時間がありません

このような作業が当社では日常的に行われます。土日や祝日はお客様の内覧や打ち合わせに充てる事が多く、平日はメールのやり取りや現地調査、役所は法務局への確認作業などで時間が費やされます。

このページで説明しました内容は大まかな流れだけで、実際にはもっと細かな事を調べなければなりません。法律や税金について調べなければならない事もあれば、ローンについて金融機関に問い合わせなどをしなければならない事もあります。ごみ置き場の位置確認のために、町内会の役員を調べ連絡をすることもあります。

室内作業のイメージ

毎日下見や物件チェックをしているだけで、1日が終わってしまいます。

こういった様々な事を行っているだけで1日が終わってしまう事が多いため、お客様に対し営業の電話をしたり訪問をしたりという時間が取れることはあまりありません。嫌がられる営業を行わないという方針もあるのですが、それ以前に時間が無い、というのが実情だったりします。

同様に物件を探す時間もあまり取れていません。これは言い訳になってしまうのですが、こちらで物件を探して提案してもお客様の好みに合うかどうかがはっきりせず、探したりチェックしたりする時間が無駄になってしまう事が良くあります。それであれば、お客様から検討物件自体を提案してもらい、その提案物件そのものを調べたり、提案物件に近いものを紹介するほうが早いですし、お客様も無駄に物件を見なくても済みます。

当社:ふくろう不動産はこのような考えで活動を行っています。人によっては、物件の提案を行わないだなんて怠けている、とお考えになるかもしれません。私としても探せるのであればきちんと探したいと思うのですが、実際にはこのような流れになる事が多くなっています。

このようなふくろう不動産の営業・活動内容を良いと思わない方もいらっしゃると思います。ただ、もし物件の調査やチェックに十分な時間と納得できるだけの情報が欲しい、という方であれば、当社の活動スタイルがお役に立てると思います。

各々のチェック項目については、当社のサイトで紹介していますので、そちらをご覧ください。固定ページについては「サイトマップ」を、投稿ページについては「投稿ページ(ブログ)の一覧」のページからご確認ください。また、ふくろう不動産へのお問い合わせ、ご質問については「お問い合わせフォーム」のご利用が便利です。