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不動産会社のHP等やチラシ等を見ますと、宣伝文句の1つに「○○エリアで何十年」とか「地域の皆様に愛されて何十年」というコピーをよく見かけます。

この事自体は悪い事ではありませんし、設立してからそれ程年月が経っていない当社から見ますと、何十年も倒産せずに活動できているというのは素晴らしいと感じています。

その一方で、不動産会社の選び方を説明しているサイト等で地域密着型の不動産会社のメリットとして書かれている内容や、会社自体が主張している特典が、必ずしもメリットになっていない、と感じる事も多々あります。

このページでは、地域密着型の会社について感じたことについてお話しします。もちろんこれは地域密着型の会社の批判ではありませんし、すべての会社がこれからお話しする内容に該当するというものでもありません。ただ不動産を買おうとしている皆さんの、不動産会社選びの何かしらの参考になればと思います。

賃貸物件を探す場合には、地域密着型のメリットを大きく受けられるように感じます

不動産の売買の場合と賃貸の場合では、地域密着型の不動産会社を使うかどうかの判断に大きな違いがあるように感じます。あくまでも私見ですが、賃貸物件を探す場合には、地域密着型の不動産会社を使うメリットは大きいように感じます。

アパート

賃貸物件の場合には、地域密着型の不動産会社を使う意味は大きいかもしれません。

賃貸市場の場合、大家さんとの繋がりや連絡の確実さ、融通の利き易さ等、地域密着型の不動産会社ならではメリットが多数あると思います。もっともこれは、地域密着型だからという事では無く、直接大家さんと繋がっていて話が早いかどうかという点に依るものだと思います。

また、借りたい物件と不動産会社の店舗が近いケースが多いため、内見で鍵の貸し借りをするのも簡単で、手間もあまりかかりません。1日で近所の物件を複数見たい場合には、この店舗が近いというのはメリットが大きいものです。また、賃貸市場の場合は、その不動産会社しか取り扱っていないという物件も時々ありますので、それがメリットになる事もあります。

売買物件については、地域密着のメリットはあまり考え付きません

ここから先の内容は売買物件についてのみのお話だと考えて聞いてください。

賃貸物件と比べますと、売買物件については、地域密着型の不動産会社を使うメリットはあまり無いように感じます(あくまでも主観です)。売買については、売り物件情報は基本的にはレインズというシステムに登録し、公開しますのでどの会社であっても見る事ができる物件数に差はありません。逆にこれは大手だから取り扱い物件が多いという事にもなりませんので、取り扱い物件数については、大手チェーンでも地域密着の小規模会社でも違いはなく、どちらにもメリットデメリットは無いと私は考えています。

リスト

売買物件を紹介できる量は会社の大小には影響されません。

厳密に言いますと、完全に取り扱い物件量が同じかと言えば、若干違いが出る時もあります。それは両手取引狙いのために売り物件をレインズに登録せず、情報を囲い込んでいる場合があるからです。もっともこれは地域密着だからとか大手チェーン店だからとかは関係なく、どちらのタイプでも一定数囲い込みをしている例はあります。

ただ強いて言えば、地元の会社が地元だけで完結させるべく、情報の公開範囲を狭くしている例の方が多いように感じます。この場合は、その会社に行かなければ情報が分からないという事がありますし、情報があったとしてもその会社経由でなければその物件を買えないという事があります(他の仲介会社を入れないように手を尽くすからです)。

この観点から見ますと、地元密着の不動産会社を回って確認するという意味があるのですが、一方でこのような囲い込み、場合によっては法律違反であり、売主に対する不義でもある行為を行っている会社と取引するのが本当に安全なのかという問題も付いて回ります。

このあたりのお話については「何故バイヤーズエージェントが求められているのかを考えてみました」の記事や「不動産の用語解説008~両手取引とは何ですか~」の記事でも意見を述べていますので、よろしければこちらのページもご覧ください。

チェーン店以外は地域密着というくくり方では不動産会社の特徴は表せません

ちなみに、不動産会社の選び方のサイト等では、地域密着型と大手のチェーン等の多店舗展開型の2種類に分けて解説しているケースが多いようです。一般的にはその通りなのですが、これだけで不動産会社の特徴を表すには無理があります。この分けかたですと、大手イコールチェーン店、小規模イコール地域密着という切り口しかありません。

地域一番

小規模だから地域密着とは限らないはずなのですが…

ですが例えば当社:ふくろう不動産は小規模というより零細企業ですが、地域に全く密着していません。当社の仲介取引は地元よりも地元以外の方が多いのが実情です。他にも逆パターンで規模は大きくともある程度エリアを絞っているという会社もたくさんあります。

実のところ、不動産会社選びは大手か中小かというよりも、その会社がどのような方針で活動しているのか、どの位のノウハウがあるのかという切り口で考える方が分かり易いと思います。より正確に言えば、会社がというよりその店舗が、あるいは営業マンが、と言っても良いかもしれません。

チェーン店であっても店舗ごとに方針が大きく異なる事はありますし、更に言えば営業マンの違いで営業のやり方が全く異なるという事もあるからです。

当社でも様々なタイプの不動産仲介会社と取引がありますが、大手だからとか中小だからといって、決まったパターンがあるようには感じません。どのタイプの会社にも良い点と悪い点はありますし、同じチェーン店でも店舗によってものすごくやり方が違うと感じる事も良くあるからです。

率直に言って、大手チェーン店か地域密着かで不動産会社選びを考えるのは意味が無いと思っています。

よく聞く大手や中小の特徴は当てはまらないケースも多々あります

よく大手不動産会社の特徴として
・大手だから安心できる
・法律違反がなく、契約内容も整備されている
・取り扱い物件が多く、広いエリアがカバーされている
という話が出てきます。

私見ではありますが、大手だから安心できるという話にあまり根拠は感じません。差し障りがありますので詳しくはお話しできませんが、大手でも法的にギリギリだなと思われるような取引を行っている事もあります。

法律のチェック等についても、大手と中小で差がある訳ではありません。どちらも契約書や重説は協会等のひな形を使いますので、文面に違いはありません。より詳しく言えば、特記事項にどこまで細かく内容を記載するかの違いはあります。ただこれはお客様との為と言うよりは、将来不動産会社が訴えられない為に報告事項が増えているという面の方が大きく、大手であればよりお客様のためになる文面になっているという話では無いように感じます。

取り扱い物件については、レインズというシステムがある以上、基本的には大手も中小も情報量は同じはずです。非公開物件をどの位押さえているかについては、あまり会社の規模は関係がありません。

逆に中小や地元密着会社の特徴として
・フットワークが良い
・融通が利く
・地域の情報に詳しい
等が挙げられますが、これも売買仲介に関してはあまり当てはまりません。

フットワークの良さが不動産会社のサイト等で挙げられている事はよくありますが、実際にフットワークが良いかどうかは分かりません。私の経験上で言えば、営業マンのフットワークの良し悪しは、会社の規模にはあまり関係が無いように感じます。

融通が利くというのも、何に対してどのように融通が利くのかが微妙です。賃貸系であれば、大家さんとの連絡が密に取れているという点があるかもしれませんが、売買系では売主さんと不動産会社との関係は、会社の規模にはあまり関係が無さそうです。

小学校

学校の情報に詳しい営業マンがたまにいるのはありがたいです。

唯一地域の情報に詳しいという点のみ、当たっている事があります。ただ、売買系で必要な地域の情報は、小中学校の雰囲気や治安上の情報である事が多いのですが、これらに詳しい営業マンはごく一部であるように感じます。実際には情報が間違っていたり、古い情報であるケースもありますので、結局は自分自身で確認する必要が出てきます。

地域密着という言葉は他にうたい文句がないからというケースもあります

これはうかつな事を言いますといけないのですが、不動産会社の特徴をアピールしようにも、他に特徴が無いために、仕方なく地域密着である、というトークが組まれる事があります。

特典

他にアピールできるポイントが無いだけ、というケースもありそうです。

地域密着と言いますと聞こえは悪くありませんし、地元に根付いていると悪い事はしていないだろうというイメージを持たれやすいというメリットがあります。一方で地元で数十年活動しているからといって、きちんと仕事をしているとか悪い事をしていないと言い切れるかと言えば、そうとも限りません。

実際に長年営業を行っている会社、免許番号が大きな会社で、囲い込みやしつこい営業、法律違反と思われる行為を行う会社はそれ程珍しくありません。具体例を出すには差し障りがありますので詳しい話は出来ませんが、長年の営業イコール安心な会社であるとは思わない方が良いと個人的には思います。

不動産会社の選び方については、当社のサイトでも多くの記事を書いていますので、その内容を確認しつつ、皆様には良い不動産会社を見つけて欲しいと思います。

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