ゴミ屋敷は実はお買い得かもしれません

先日お客様と一緒に中古の戸建物件を内覧したのですが、そのうちの1件は所有者が引っ越しをして1年以上経過しているにも関わらず、家の中はゴミ屋敷のようになっていました。

このような住宅は、ひと目「汚い」という印象を受けるため、他の条件が良くてもこの物件を買おうという気にはなりません。しかし、不動産屋の目から見ると、このようなゴミ屋敷になっている物件は意外とお買い得であったりします。このページではそのあたりを、もう少し詳しくお話しします。

このような内容を知っておくことで、不動産選び、特に中古住宅選びで今までとは違う見方ができる事もあります。不動産の選び方をマスターするには様々な知識が必要ですので、このページや、当社の「失敗しない不動産購入」の各項目のページをなるべく多く読んでもらえればと思います。

ゴミ屋敷になっている物件は売主さんに問題があります

ゴミ屋敷のイメージ

建物の性能に影響が無い範囲であれば、ゴミ屋敷はお買い得である可能性があります。

所有者が既に引っ越しをしている中古物件ですと、室内をきれいに掃除し、見た目をきれいにすることで印象を良くします。見に来た人の印象を良くすることで、少しでも高く売れるようにと考える訳です。

しかし売られている物件の中には、家の中がまったく整理されておらず、ゴミ屋敷のようになっている物件を見かけることがあります。そのような物件では、もう人が住んでいないはずなのに、食器などがテーブルに出しっぱなしになっていたり、ゴミ袋がいくつも床に置かれたままになっていたりします。

本来家の中に何が置かれていても、建物性能に大きな差がある訳ではありません。ですので、理屈だけで考えれば、ゴミを含めた荷物のあるなしは価格に関係がない、という事になるはずなのですが、実際にはそうなりません。

人は感情の生き物ですので、最初に汚い、とか悪い、という印象を持った建物を後から好評価に変えることは簡単ではありません。どんなにお買い得だと頭で理解したとしても、この物件は嫌、という感情を避けることができないからです。

特に家族連れで建物を内覧される場合は、物件がゴミ屋敷だとするとまずうまくいきません。小さな子どもは汚い住宅を異様に嫌います。ですので、早くその家を出たがるため、時間をかけて中を見ることができません。また「子どものこの家は嫌」という意見は決定者である親の意見にも反映されます。

どう考えても、家の中がゴミであふれていたり、汚いことで、売主が得をすることはありません。売主の側に付いている仲介会社はこのようなことをよく知っていますので、荷物の整理や部屋の清掃を売主に依頼します。しかし、売主さんによっては、面倒ですとか費用がかかるなどの理由で、荷物を放置したままにしているケースが時々あります。

売主さんは物件を売ろうという気があまり無いのか、様々な事情でそのうような事を考えられないのか、件数は少ないですが、たまにこのような物件を見ることがあります。

リフォーム済みの物件は、売主さんの利益が上乗せされています

利益のイメージ

リフォーム済み物件は、当然業者の利益が上乗せされています。

このゴミ屋敷のようになっている物件の良しあしを考えるために、逆のパターンを考えてみましょう。逆のパターンとは、中古物件を不動産業者が購入して、室内をリフォームして販売しているケースです。

中古物件を買取り、リフォームをして見た目を新築同様とし、一般のお客様に販売するということを得意としている不動産会社はたくさんあります。この会社がどこで利益を得ているかというと、販売価格から中古の購入価格とリフォームに掛かった費用を引いた額が、この会社の利益になります。

実際にはこれに加え、買い取る時の手数料や経費、販売する時の広告費や販売経費などがあり、当然それらの経費を加えても、更に利益が出るように販売価格を設定しなければなりません。

もし、一般のお客様が最初から自分でその物件を購入し、自分でリフォームの発注を行ったとすれば、買取をした不動産会社から買うよりも、販売経費や不動産会社の利益分がありませんので、その分安く購入することができるはずです。

ですが実際にそのようになることはあまりありません。先にお話ししましたように、一般の方から見れば、汚い家はそれだけで購入対象から外れるからです。逆に言いますと、もしこういった汚い住宅であっても購入対象として考えられるのであれば、お買い得な買い物ができる可能性が大きく上がります。

リフォーム後の姿がイメージできれば、安く購入できる分得する可能性が高くなります

リフォーム後をイメージ

リフォーム後をイメージできるかどうかが問題です。

ゴミ屋敷のような住宅があったとして、そのゴミを撤去し、室内をリフォームできた段階をイメージすることができればどうでしょうか。先程紹介したリフォーム済み物件を購入する場合と比べて、
・不動産会社の利益
・不動産会社の販売に関する費用
・不動産会社が購入して販売という取引を2回行うために必要なコスト
などを省くことができますので、リフォーム済み物件を購入するよりも、安い価格で不動産を購入することが可能です。

リフォーム済み物件にも色々なケースがありますから、正確にいくら安く買える、とは言えませんが、おそらく数百万円単位で安く購入することが可能だと思われます。

またリフォームの内容も自分で決めることができるのもメリットです。一般的に室内のリフォームはお風呂、キッチン、トイレといった水廻りとリビングや寝室の壁紙の変更が中心です。

水廻りや壁紙などは、住む人の好みで何が良いかは左右されがちです。リフォーム済みの中古住宅の場合は、既に工事が終わったものを気に入るかどうかということになりますが、自分でリフォームするのであれば、好みのものを入れることができます。

自分でリフォームする方が工事内容が分かり安心できます

自分でリフォーム内容をチェック

リフォームの内容を自分で把握している方が安全です。

このリフォームですが、自分で発注するのは面倒だと考える方も多くいます。また、素人である自分たちが発注するよりも、プロである不動産会社に任せた方が安心だと考える方もいるでしょう。

この考えは必ずしも正しくはありません。まず、販売する不動産会社は不動産のプロであっても建築のプロではありません。どのようなリフォームがきれいになるかは知っていても、どのようなリフォームが本当に建物のためになるかを把握しているとは限りません。

それ以上に問題なのは、不動産のプロが行うリフォームが見た目重視のリフォームで終わることが多い事です。中古住宅は築年数が経過している訳ですから、建物自体にも問題がでていることもあります。しかし、売れるかどうかに影響が無いと思われれば、その問題点は無視されることもあります。

例えば浴室周りなどは、構造体である木材が腐朽していることも多く、その場合には木材の交換などの工事が必要になります。ですが、リフォームの予算が限られており、不動産業者が知識も誠意もない会社であった場合には、木部はそのままでユニットバスのみ取り付けられるということもあり得ます。

売主が不動産会社である場合には建物に保証が付くことが多いのですが、その保証は短期間であることも多く、更に大きな地震などがなければ発覚しない問題も多いため、きちんとした工事が行われなかったとしても、実際には問題にならないケースも多くあります。そのため、目先の利益のために、見た目だけのリフォーム工事を行う会社もゼロではありません。

その点、自分でリフォーム工事を行う場合には、工事現場を自分の目で確認することも可能です。耐震工事と見た目をきれいにする工事をセットで行うことが可能になりますし、その内容も説明を聞いた上で、自分で判断して決めることができます。

不動産業界やリフォーム業界は、残念ですがまだまだ怪しい人が多い業界でもあります。見えない部分で何をされているかが不安なところが多く出るような形はできる限り避けた方が安心です。

そういった意味でも、リフォームは自分で指示して、内容を確認しつつ進める方が、安心度が高いと言えます。

ゴミ屋敷でも建物性能が維持されていることが大前提です

建物に問題があるイメージ

ゴミ屋敷と言っても、単に見た目だけの問題であって、建物性能は大丈夫であるという前提での話です。

このような状況を考えると、ゴミ屋敷のような戸建住宅であっても、リフォーム前提で考えると最終的に得をすることがあります。特にメリットとして大きいのは、ゴミ屋敷のように汚くなっている住宅は、通常よりも安く購入できることが多いからです。

建物の性能は同じ、と言っても、見た目が美しくないと購入をためらう人の方が多いでしょう。その結果、その物件はなかなか売れずに、成約までに値段を下げなければならないという事がよくあります。見た目がきれいな建物と比較して、価格が1割以上も下げないと成約できないということもあります。

一口に1割といっても、2,000万円の戸建住宅であれば200万円です。200万円あれば、ゴミの撤去代はもちろん、ちょっとしたリフォーム工事代に充てることもできます。そういった意味で、意外とお買い得物件となることも多くあるのです。

ただこれは、建物の性能が維持されているということが前提です。見た目だけでなく、実際の建物性能まで悪いのであれば、それはお買い得でも何でもありません。

特に構造部分に問題がある建物は危険です。ちょっとした耐震工事でカバーできるものであれば問題ありませんが、基礎や土台に問題があったり、雨漏りがあって、構造体にも影響がありそうな場合は、リフォーム工事では対応できないことがあります。仮にリフォームで対応できたとしても、その金額が多大になるのであれば、やはりお買い得ではなくなります。

お買い得となるゴミ屋敷とは、見た目だけが問題である物件であって、建物の機能に問題がある物件は選ぶべきではありません。

このページの内容を動画でも解説してみました

このページでお話ししました内容の一部を動画でも簡単に説明してみました。その動画がこちらです。

よろしければ、動画もご確認ください。

ふくろう不動産は検査機能が充実していますので、悪い建物を選ぶ率を下げることができます

調査のイメージ

公的調査の前に、ふくろう不動産オリジナルの建物調査を行っています。

建物に問題がないかどうかは、建物検査を受けたり、瑕疵担保保険に加入するなどの対策を取ることで、対応が可能です。最近は建物検査、インスペクションも一般的になりつつあり、検査業務を行う会社も増えています。

また瑕疵担保保険(かしたんぽほけん)に加入できれば、万一建物に問題があった場合でも、修繕費は保険で賄えますので、リスクは相当小さくなります。このような検査や保険とセットであれば、見た目に問題がある中古戸建住宅であっても、小さなリスクで購入が可能になります。

当社:ふくろう不動産は中古の戸建住宅をご案内することも多いのですが、お客様が購入対象とされる物件については、ふくろう不動産オリジナルの建物調査を無料で行っています

最終的には、公的機関の検査や保険加入の手続きをお勧めしていますが、最初から検査を入れますと、その検査費用もばかにはなりません。最終的にその物件を購入するという事になれば、検査も意味があったと思われますが、検査の結果問題が見つかり、その不動産を購入しないという事になった場合、検査費用は無駄になってしまいます。

問題がある建物を購入しなくて済んだと考えれば、完全な無駄とは言い難いのですが、それでも10万円近くかかる費用が返ってこないのでは、買手にも負担がかかります。

その問題に対し、当社:ふくろう不動産では公的検査の前に、当社で検査を入れることで、実際の検査に問題がありそうな部分を事前にチェックし、最後の公的検査に通らない建物を、それなりの確率ではじくことができます。

瑕疵担保保険に通らない建物や、フラット35の適合審査に通らない建物はそれなりにパターンがあります。当社では問題があるパターンをある程度把握している事と、サーモグラフィカメラや床下探査ロボットを使って、構造上の問題がありそうな部分を事前にチェックできるため、明らかに審査に通らないという建物についてお教えすることで、お客様に無駄な検査料を払わずに済むような体制を整えています。

ふくろう不動産の検査体制については、
第2章.技術的・経済的な土地建物チェックに優れています」とその子ページを参考に見てください。

また瑕疵担保保険に加入できるかどうかの目安については
2-04-10.中古住宅購入時に瑕疵担保保険に入れるかどうかの目安をお教えします」のページでも解説しています。

ふくろう不動産の営業についての考え方については
ふくろう不動産は買い手の味方として活動する仲介会社です」のページが参考になります。

ふくろう不動産は皆様からのご意見やご質問などを随時受け付けています。ご連絡は「お問い合わせフォーム」のご利用が便利です。ご連絡されたからと言って、当社からしつこい営業を行うこともありませんので、ご安心ください。

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