窓にどのくらいの遮音効果があるのか測ってみました

周波数ごとの音を測定することができる低周波音測定器を購入してから、時間があるときに色々な音を計測しています。今回は普通の窓がどのくらい音を遮るのかを簡単に計測してみました。

メトロノームというスマホのアプリを音源としました

メトロノームのアプリ

音はスマホのアプリで500Hzの音を出して測ってみました。

遮音性能を調べようと思っても、元の音がどこから出ているのかはっきりと分からないと、窓の遮音性能を確認できません。そこで特定の周波数を発生させるスマホのアプリを音源として使うことにしました。

音源から約70cm離した場所で計測してみました

開口部の遮音性能はT値と呼ばれるもので、等級によって周波数ごとにどのくらい音を遮るかが決められています。私の自宅のサッシは特に遮音サッシではありませんので、一般的と思われるT-1のレベルではないかと思われます。T-1であれば500Hzの音は20dB減衰する性能を持っているはずです。では実際どうなのかを調べてみました。

70cmの距離で計測

音源から70cm離した距離で計測しました。

計測は3種類、窓を開けた状態、窓を閉めた状態、窓を閉めてさらにカーテンを引いた状態で計測しました。その結果がこちらです。

500Hzの音の遮音性能

音源が確実に外にあるのは500Hzの音ですので、その周波数の分のみ見てみましょう。

他の周波数の音の遮音性も気になるところですが、確実に外で音を出しているのは500Hzの音ですので、そちらの遮音性能を見ることにします。窓を開けた状態ですと46dB、窓を閉めた状態ですと27dBですので、19dB分下がったことになります。

充分音は小さくなっているのですが、一般的なサッシは500Hzの音であれば20dBの音を遮ると言われていますので、この窓はやや性能が劣っているようです。もっともきちんとした計測方法で測っている訳ではありませんので、現実的にはこのくらいが妥当なのかもしれません。

低周波音に近い音の遮音機能も確認してみました

スピーカーを接続

低い周波数の音は音量が小さいせいか音を拾わないので、スピーカーにつないでみました。

スマホのアプリでは周波数の低い音は出力が小さいようで、測定器をスマホのすぐ横に近づけないと音を拾うことができません。そこでスマホをスピーカーに接続し、大きめの音を出すことにしました。本来であれば100Hz以下の低周波音を出したいところですが、スピーカーにつないでしまうと音の種類が変わってしまうのか、低周波音をうまく出すことができません。そこで、低周波音に近いと思われる125Hzの音を出してみました。

125Hzの音

125Hzの音を中心に出したのですが、スピーカーを通すと他の周波数の音も混ざってしまうようです。

125Hzの音は窓を開けたままだと45dBだったのですが、窓を閉めると34dBまで下がりました。スピーカーを通すと他の周波数の音も発生させてしまうようで、500Hzや1kHzの音も結構出ていました。500Hzの音については22dB分遮音しているようです。

周波数の低い音の方が遮りにくいと聞きますが、実際125Hzの音は11dB分、500Hzの音は22dB分と確かに低い周波数の音はうまく遮ることができないようです。実際の低周波音をうまく作ることができないのですが、これ以上低い周波数の音ですと、もっと音の減衰分は少なくなると思われます。

上のグラフでは125Hzの音は11dB分と下がっている量が少ないのですが、一般的な騒音のレベルであるA特性の音(グラフの1番左側)については17dB分下がっています。実際の測定結果ではなく予想の話で恐縮ですが、恐らく低周波音の場合でも、人の耳に聞こえる音の大きさ(A特性)の数値が下がっても低周波音の音の大きさはあまり下がらないため、より誤解を招きやすいのでしょう。

音を出している方からすれば、囲いなどを作りこんなに音(人の耳で聞こえる音)を下げていると思うでしょうし、被害者の立場からすればまったく音(低周波音)の大きさが変わっていないと感じるでしょう。そのため、余計にトラブルを起こしやすいのではないかと想像してしまいました。

今回は低周波音の音源をうまく作ることができなかったため、計測がこのレベルで終わってしまいましたが、今後何らかの形で低周波音の音圧を何かで遮ることができるのか、あるいはできないのか等について、実際に自分で調べていきたいと思います。また、低周波音を簡単に出す方法をご存じの方がもしいらしゃれば、教えて頂ければと思います。

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