低周波音被害が出た時のとりあえずの避難先としてURを考えましょう
ふくろう不動産では低周波音を測定できる機器を持ち、測定も行っているせいか、低周波音関連の問い合わせを多く頂きます。実のところ、不動産の問合せよりも電磁波や低周波音についての問い合わせの方が数多くあります。
もちろんご相談にのり、アドバイスもさせて頂いているのですが、実際に低周波音被害の症状が強く出始めている人に対しては、あまり良いアドバイスができず、歯がゆく思うことがあります。
被害が強く出ている方のご自宅を伺い、低周波音や電磁波の計測を行うことはもちろん可能です。しかし実際に低周波音が計測できたとして、では具体的にどう対応すれば良いのかとなると、簡単には対応できません。
考え方としては音源を出しているものを止めるか遠ざけるかしかないのですが、音源が自宅ではなく、隣地などの場合、交渉から説得までは大変時間がかかります。また時間がかかっても、音源となる機器の撤去などを同意してもらえない場合には結局解決することはありません。
その交渉期間もずっと被害を受け続けると、病状がさらに悪化する恐れもあります。そこでこのページでは、低周波音などの被害が大きいと思われた場合の、一時的な避難先について考えたいと思います。
避難先として良いと思われるのはUR賃貸です
避難先として1番リスクが少ないのではないか、と思われるのがUR賃貸です。昔でいう公団住宅のことです。避難先としては、マンションやアパート、ホテル、一戸建ての借家なども考えられるのですが、避難先でも低周波音や電磁波を体に受ける可能性があります。
もちろんどの避難先でも、低周波音などを受けるリスクがあるのですが、その中ではUR賃貸は、一般的なマンションや戸建住宅と比べるとリスクが小さいと思われます。その理由について、説明しましょう。
古い建物が多いため、オール電化住宅としている住戸がほとんどありません
すべてのURに当てはまる訳ではありませんが、UR賃貸は建物自体が古い建物であるケースが多くあります。そのため、新しい技術であるオール電化を導入している住戸がUR賃貸ではあまりありません。
一度低周波音を感じられるようになると、少しの低周波音でも体調が悪くなることがあります。そのため隣地だけではなく、若干遠い場所に低周波音を出す機器がある場合でも、症状がでることが多いようです。ですので少し離れた場所であっても、オール電化の住宅、具体的にはエコキュートがあると、体調が悪くなる可能性があります。
その点URの中の古い建物では、電気容量などが限られていることもあり、オール電化としている住戸はまずありません。また、建物の敷地自体も広いため、エコキュートがあるかもしれない戸建住宅とも距離があります。そのため被害を受ける率が低いと思われます。
24時間換気システムが入っていないという点もメリットになります
また、古い建物であれば24時間換気システムが入っていないということも、低周波音被害者の方から見ればメリットになります。新しい建物、2003年6月以降の建築確認を受けている建物であれば、住戸に24時間換気システムを入れなければなりません。
この換気システムすべてが低周波音を発生しているという訳ではありません。しかし、換気システムの種類や、排気管などの長さや形状などにより、嫌な音を出していることもあります。
実際にマンションで、隣の住宅の換気システムと思われる音で、体調を悪くされた方の話を聞いたことがあります。この24時間換気システムが悪い影響を与えるかどうかは住んでみないと分からないと思いますが、なるべく病状を悪化させると思われるものは最初から外しておいた方が安全です。
その点UR賃貸ですと、2003年以前の建築物も多く、24時間換気システムが導入されていない建物も多くありますので、その点では安心です。
エレベーターが無い建物が多いのも、低周波音被害者にとってはメリットになります
他にもURの良いところとして、エレベーターが無い建物が多いということもあります。エレベーターが動く音で問題になることはそれほどありません。それでもモーターなどを使っている機械ですので、全く影響が無いとも言い切れません。そう考えますと、エレベーターが無いURであれば、最初からエレベーターについては考えなくて良いのはありがたいと感じます。
住戸の電気容量が少ない事や内装が古い点もメリットになります
また住戸あたりの電気容量が大きすぎないことも利点です。低周波音過敏症となった場合には、電磁波過敏症を併発していることもあります。URの建物は鉄筋コンクリート造となっていることが多いので、電磁波の影響は大きくありません。しかしそれでも、近くの住まいで変わった家電製品などを使っており、その電磁波の影響が全くないとも限りません。
ですが、古いURではそもそも住戸あたりの電気容量が少ないため、住まいに入れることができる家電製品も限られます。大型の家電などは入れにくいと思われ、その分、電磁波の影響を受ける危険性が低いと思われます。
さらに内装も、一定期間経過していることが多いため、建材や内装材などに含まれている化学物質などが発散しきって、室内に化学物質が出てくることが少ないというのもメリットではないかと思います。
ただ内装については、リフォームされていることも多く、リフォーム工事から時間が経っていない場合には注意が必要です。見た目のきれいさとの兼ね合いになりますが、何らかの過敏症体質になっている方であれば、新しすぎる内装の住戸は避けた方が無難かもしれません。
UR賃貸の選択は経済的にもリスクが小さいと思われます
ここまでお話ししました低周波音などの影響が少ないと思われるため、URをお勧めしているのですが、UR賃貸は経済的にもリスクが小さいと思われます。それは、問題があった場合に引っ越しがしやすいという点です。
避難先として選ぶ住まいは、もちろん事前に大丈夫だろうと考えて、その場所を選ぶわけですが、実際に住んでみると、やはり低周波音を感じる、というケースもあると聞きます。そうなると、また引っ越しを考えなければならなくなりますが、その金銭的負担はバカになりません。
引っ越し費用はもちろんですが、大家さんに払う礼金、不動産会社に払う手数料などが引っ越しごとにかかるからです。また引っ越しの状況によっては、保証料がすべて戻ってこないという可能性もあります。
UR賃貸では礼金と仲介手数料と保証金が不要ですし、敷金を抑える方法もあります
その点URはいくつかメリットがあります。まずURでは礼金、仲介手数料、保証人や保証金が要らないという点です。ですので、これらの費用が無駄になるということはありません。
一度過敏症になると、何度も引っ越しをされるという話を聞いたことがあります。そのたびに手数料などを支払うのは金銭的な負担が大きくなります。ですので、このような費用がかからないのは、とてもありがたいと感じます。
また、敷金はURであっても必要ですが、うまく使うとこの敷金も抑えることができます。それはURからURの引っ越しであれば、敷金をそのまま新しい住戸に移すことができるという点です。
低周波音被害の症状が出るかどうかは、新しい住まいに住んでみないと確実なことは言えません。当初は大丈夫だと思っていても、実際に住むと問題があったというケースも考えられます。
ただ同じ建物でも、住んでいる住戸が違うと、影響が出ないということもあります。URの場合は、同じ建物内の引っ越しであればもちろん、他のURへの引っ越しの場合でも、敷金はそのまま新しい住戸に移せるというシステムがあるため、余分な費用を払うことなく、より影響が出なさそうな住戸へ引っ越しができるというメリットがあります。
ただ、すべての引っ越しに当てはまるとは限りませんし、賃料が違う部屋の場合には差額支払なども必要になるようです。しかし一般的な賃貸マンションなどと比べると、費用を抑えられると思います。
UR賃貸を選ぶ際のお手伝いを、当社でもできるかもしれません
これらの理由から、低周波音被害を受けていると思われる場合の、一時的な避難先としてUR賃貸をお勧めしています。今まではこれらの理由をお話しし、後はご自分で探してください、とアドバイスするだけでした。
しかし先日UR賃貸住宅の取扱店の認定を受け、当社でもURのご紹介ができるようになりました。そしてURさんから出る紹介料を検査費用に充てることで、当社の紹介を受ける皆さまは無料で低周波音などの検査を受けることも可能になりました。詳しくは「4-02.低周波音被害を受けた方のためにUR賃貸住宅のあっせんも行うことにしました」のページをご確認ください。
ただし当社は売買仲介が中心のため、URのあっせんができるエリアは限られます。詳しくはお問い合わせください。
このような低周波音についての問題などをもっと知りたいという方は、当社までご連絡ください。ご連絡は「お問い合わせフォーム」のご利用が便利です。ご連絡されたからといって、当社から皆様にしつこい営業を行うこともありませんので、ご安心ください。
ここまでお話ししてきました内容を、動画でも説明することにしました。その動画はこちらです。
よろしければ、こちらの動画もご確認ください。