扇風機も意外と低周波音を出しています
これから夏に向けてエアコンや扇風機を利用する機会が増えていきます。
普段は扇風機の音を気にすることはまずなかったのですが、たまたま2階で扇風機を使い、その真下の部屋で仕事をしていると、変に低い音のみ響き、嫌な感じを受けることが分かりました。
そこで、その扇風機の音を1/3オクターブバンド分析のできる騒音計で計測してみました。
調べてみると、100Hz前後の音圧のみ強いという結果になりました。
100Hzは低周波音ではありますが、可聴域ということもあり、はっきりと音が出ていることを感じることができます。
100Hzの音圧自体は50dBもない程度ですので、それほど大きな音ではありませんが、結構不快に感じる音です。
一般的な騒音基準となるA特性は30dB強ですので、一般的には静かと言われる音でしかありませんが、この音量でもそこそこ不快感を感じます。
2階で使用中の扇風機はこのように台の上に乗せて使っていました。扇風機と、台の下にあるのはコルクタイルです。
不思議なことに、2階で扇風機のすぐ前にいても、音がうるさいとは全く感じません。実際2階で扇風機を使っていた家族は、うるささを全く感じていなかった様子です。
しかしそれが下の階に移ると、低い音のみ届くせいか、妙にうるさく感じます。
扇風機のすぐ近くだと、いわゆるマスキング効果が働いているせいなのか、あるいは台や床に振動が伝わり、そのせいで不快な音となっているのか判断が付きません。
恐らく色々な組み合わせで、不快に感じたり、感じなかったりするのではないかと思われます。
ちなみに扇風機を目の前に置いた場合の音も併せて表示したものが下のグラフです。
周波数ごとのパターンは似ているのですが、1階で聞いた時と比べて、周波数ごとの音圧にあまり差がありません。
音全体でみると、目の前に扇風機を置いている方が音は大きいのですが、目の前にある時にはうるささを感じず、下の階で、特定の周波数の音のみ大きいとうるささを感じることができるのは、とても不思議な気がします。
単にA特性の音の大きさのみで不快度合いは分からないということを、改めて思い知らされました。
普通の扇風機であってもこのように感じることがある訳ですので、24時間換気システムなども、音が聞こえる場所や条件によっては不快に感じられるのではないかと思います。
何が不快に感じるのか、どう伝わるのかは機器そのものや設置状況などによって変わると思われます。
状況はまったく違うかもしれませんが、エコキュートの設置による低周波音の被害で、設置者は何も感じないけれども隣地の人はうるさく感じるというのも似たような展開になるのかと想像しました。
低周波音過敏症で無い人が、低周波音被害者の気持ちについて考えることは感覚的に難しいところもありますが、このようなちょっとしたところからでも、近い感覚を感じることができるようになると少しは良いかも、と思わされた出来事でした。
低周波音については「低周波音の問題が少しずつ分かってきました」のページや「低周波音の問題本を読みましたが疑問に思う点がたくさんあります」のペーでも意見を述べていますので、よろしければこちらもご覧ください。
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