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不動産を買う時には諸費用がかかるという話は皆さんよく聞くと思います。ただ諸費用と一口にいっても、具体的に何にいくらかかるのかを知っている方はあまり多くありません。そこでこのページでは、住まいを買った時にかかる諸費用にどのようなものがあるのか、いくらかかるのかを簡単に解説したいと思います。

2,500万円の中古の一戸建てを購入した前提でシミュレーションしてみました

諸費用は売買代金の6%から10%位必要と言われています。幅があるのは、条件によってかかる費用が大きく異なるからです。こういった諸費用を単に項目だけで見ていきますと、イメージし難いと思いますので、仮に2,500万円で中古住宅を取得し、2,000万円の住宅ローンを組んだ場合に、いくら諸費用がかかるのかを考えてみたいと思います。

今回のシミュレーションでは諸費用が170万円近くかかっています。購入代金の7%弱です。

実際には仲介会社によって手数料率も違うでしょうし、住宅ローンの借入金額や借入期間、金融機関によっても費用は異なってきます。また、これらの項目が安ければ良い、とは限らない項目もたくさんありますので、1つ1つ理解していきましょう。

仲介手数料と登記関連費用を把握しておきましょう

契約に関わる費用

契約時や引き渡し時に手数料や登記費用がかかります。

このシミュレーションでは契約に係る費用が124万円かかる事になりました。項目1つ1つについてチェックしたいと思います。

売買契約書に貼る印紙代は必須ですが、軽減措置がある時期もあります

不動産の売買契約書には印紙を貼らなければなりません。印紙とは何だと思われるかもしれませんが、一言で言えば税金です。文書を作るのになぜ税金がと思われるでしょうが、税法上このような仕組みになっていますので、仕方がありません。

郵便局の看板

印紙は郵便局で購入できます

印紙は、売買代金によって金額が異なります。通常の中古住宅であれば1,000万円から5,000万円の間に入っている事が多いので印紙代は2万円です。ただし、平成30年3月31日までは軽減措置があるため、実際の印紙代は1万円で済みます。

契約書は買主用と売主用で2通作る事が多いのですが、その2通とも印紙を貼らなければなりません。買主と売主で各々印紙代を出しますので、実際には1通分の印紙を用意することになります。

仲介手数料は諸費用の中の大きな割合を占めます

諸費用の中で最も大きな割合は大概仲介手数料です。

領収証

仲介手数料をもらう立場からは申し上げ難いのですが、諸費用の中で金額が大きいのは仲介手数料です。

仲介会社によっては仲介手数料をゼロとしていたり、新築物件の販売ではそもそも仲介手数料がかかりませんので、そちらの方が得だと主張される方もいらっしゃいますが、必ずしも得とは限りません。

仲介手数料がゼロで紹介される物件は、売主が仲介会社に手数料を払っているためにゼロでも商売が成り立つという仕組みになっています。つまり売買代金に最初から手数料が上乗せさせている事になります。

新築の場合は、そもそも売買代金に売り主の利益が乗っていますので、仲介手数料が無くても、それ以上に売買価格は高くなっています。一般的には新築分譲の場合の売主の利益は3%よりもはるかに大きいことが多いからです。

実際には物件ごと、仲介会社ごとに条件が異なりますので、一口では言えないケースも多々あります。ですので個別の物件ごとに得かどうかを考えなければなりません。ただ、ここでは単純に安ければ良い、という単純なものでは無いという事を知って頂ければと思います。

固都税の清算金とは、最初の年の固定資産税を売り主と分け合う分です

固都税の清算金も数万円単位で発生します。固都税とひとくくりに言っていますが、具体的には固定資産税と都市計画税の両方を指しています。

固定資産税も都市計画税も不動産を所有している場合には、土地と建物各々に対して、毎年かかってくる税金です。そしてこの固都税は、1月1日時点の所有者に請求されることになっています。ですが不動産取引ではほとんどの場合、引き渡し日以降は新しい所有者、つまりは買い手が負担するという契約になっています。

ですので、引渡しがあった年は、1月1日時点の所有者である売主さんが税金を支払う事になりますが、そのお金の引き渡し日以降の分は、引き渡し時に買主が売り主に現金で支払う事で、清算するという形を取ります。

この金額は、課税台帳や固定資産税の公課証明などを見る事で、事前に計算することができますので、物件が決まった後には、このような税金関連の書類を取り寄せ、清算金を計算してもらう事になります。

登記費用とは登録免許税と司法書士へ支払う報酬の事です

他には、引渡しの際にかかる登記費用があります。登記費用は登録免許税と司法書士へ支払う報酬の2つがあります。登録免許税は固定資産税の評価額が分かれば、そこから機械的に計算できます。

不動産を買う方にかかる登録免許税は、固定資産税の評価証明や課税台帳などで固定資産税の評価額を把握し、そこから計算することで簡単に求められます。

登記にかかる費用例

司法書士さんへの報酬額は10万円強くらいかかる事が一般的です。 登録免許税の税額は、固定資産税評価額から計算できます。

土地購入時の登録免許税は評価額の1.5%(平成29年3月31日までの場合)の税率、建物の所有権移転の登録免許税は2%の税率となります。ただし、建物の登録免許税は築20年以内の木造住宅であれば、減税措置が受けられ、0.3%の税率で済む場合もあります。

国では中古住宅の流通をもっと普及させたいと言っていますが、こういった登録免許税の減税で中古住宅に対して優遇する措置を取っていません。もっとも瑕疵保険の付保証明を付ける事で、減税措置を受けられる事にはなっていますが、この保険の認定を取るのも意外と難しかったりします。

木造の戸建住宅の場合、築20年以内か超えているかで、この登録免許税をはじめ、住宅ローン減税の措置が受けられるかどうかなど、大きな差が付くことがありますので、築年数にも注意して選ぶようにしましょう。

他に抵当権の設定にも税金がかかり、原則0.4%の税率となっています。ですがこれも、上記の条件などを満たすことで0.1%で済む場合もあります。数万円単位とはいえ、条件によって金額が異なりますので、事前にチェックして把握しておくべきだと思います。

これらの税金に加え、司法書士さんへ支払う報酬金があります。報酬額は司法書士さんごとに異なりますが、10万円から15万円位が一般的ではないかと思います。司法書士さんは金融機関が指定することが多いため、買い手で選ぶことがあまりできませんが、とりあえずはこういった費用が掛かるという事は予め知っておくべきことだと思います。

住宅ローンに係る費用も大きな金額になる事もあります

ローンや火災保険や瑕疵保険

火災保険料については、1回だけではなく、定期的に費用が発生します。

他の諸費用で金額が高いものとして、住宅ローン関連費用があります。その中で特に高いのは手数料と保証料です。保証料はローン返済が滞った時に必要なものと考えている方もいるかもしれませんが、そもそもこの保証料は金融機関を守るための制度であって、借り手を守るものではありません(「住宅ローンの保証料は借りる人を助ける仕組みではありません」参照)。

最近ではこの保証料がゼロという金融機関も増えています。その代わりに手数料が高くなっているケースが多くなっています。この保証料と手数料が各々いくらなのかを確認した上で、住宅ローンを選ぶようにしましょう。住宅ローンの選び方については「2-02-06.住宅ローンは5つの要素を考えて決めるべきです」のページも参考になります。

瑕疵保険に入る場合の費用も考えておきましょう

今はまだ一般的ではないかもしれませんが、瑕疵保険の費用も諸費用として考えておきたいところです。保険会社によって検査料金や保険料は異なってきますが、いざという時のためには、瑕疵保険に入っておく方が安心です。

瑕疵保険付保証明書

この証明書を取る事で、築20年以上の戸建住宅でも住宅ローン減税を受ける事ができます(実際にローン減税を受けるためには他にも条件があります)。

またこの瑕疵保険は建物検査がセットになっており、この検査で問題が無いと認められないと、瑕疵保険に入る事ができません。費用が掛かる点はデメリットかもしれませんが、後々の安心のために検査を受けておくというのは良い事だと思いますので、こちらも諸費用として見込んでおくべきだと思います。

瑕疵保険に入る事で費用はかかりますが、もし購入検討している中古住宅が築20年を超える戸建住宅である場合には、この費用は十分に元が取れます。本来使えなかった住宅ローン減税が使えるようになりますし、登録免許税も安くなります。とくに住宅ローン減税の効果は大きく数十万円単位の減税効果が出る事も多いため、ぜひこの瑕疵保険を活用してみてください。

瑕疵保険に加入できる建物かどうかの目安については「2-04-10.中古住宅購入時に瑕疵担保保険に入れるかどうかの目安をお教えします」のページでも解説しています。よろしければこちらのページもご確認ください。

引っ越し費用やカーテン代、家具代なども諸費用に考えても良いかもしれません

他にも不動産購入後には、引っ越しをしなければなりませんので、そういった費用も諸費用として考えなければなりません。また、新たにカーテンや家具などを追加購入しなければならないケースも多々あります。

カーテン

カーテンも数が多くなると、その費用は予想以上に高くなることもあります。

これは購入する建物や、購入する人が現時点で何を持っているかによっても大きく内容が異なります。ですが、カーテン類などは意外と高いものですので、もしこちらの費用をあまり考えていないのであれば、こちらも事前にいくらくらいかかるのかは考えておきましょう。

この記事の内容を動画でも説明してみました

このページでお話ししました内容を動画でも解説してみました。その動画がこちらです。

よろしければ、動画もご確認ください。

物件が決まった段階で仲介会社にシミュレーションしてもらいましょう

カーテンや家具類を除けば、諸費用の大半は仲介する不動産会社がシミュレーションで出してくれます。仲介会社によって、どの項目を諸費用とするかは異なりますが、このページでお話ししました項目について診てもらえば大きな見逃しは無いと思います。もし担当する仲介会社が提出する諸費用の中に、このページでお話ししました項目が入っていないようであれば、その都度確認するようにしてください。

不動産を選ぶ時は、気持ちが舞い上がっている事も多いため、このような諸費用関係を軽く見てしまいがちです。ですが、この諸費用も結構大きな金額ですし、この内容を把握していない事で、後々の資金計画に大きな差がでる事もありますので、不動産探しの中の、どこか早いタイミングで、1度シミュレーションをしてもらい、内容を確認することをお勧めします。

当社:ふくろう不動産でも、もちろんこのようなシミュレーションをお客様に提出し、諸費用についても確認してもらった上で、不動産選びをしてもらえるよう心がけています。

このページの内容等について、ご意見やご質問などがあるかたは「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ふくろう不動産までご連絡をお願いします。