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2015年も残りあと少しとなり、寒さが厳しいシーズンになってきました。そしてこの寒さが厳しいシーズンは化学物質過敏症の方にとって、つらいシーズンでもあります。

なぜつらいかと言えば、過敏症の方が使える暖房器具や寝具などが意外と少ないからです。過敏症の方の症状によって、使える設備や寝具などは異なると思いますが、過敏症の方々がどのような苦労をしているかを多くの方に知って頂きたく、このページを作りました。

過敏症の方は寝具選びに苦労しなければなりません

ベッド

化学物質過敏症の方は寝具選びも簡単ではありません。

過敏症の方、特に化学物質過敏症の方は寝具選び1つとっても簡単ではありません。今まで問題ないと思っていた布団や毛布であっても、化学物質過敏症の症状が発症すると使えなくなることがよくあるからです。

使えなくなるというのは、その布団に触れている、あるいは匂いを嗅ぐと気分が悪くなるためです。それであれば、化学物質を使っていない布団、例えばオーガニックコットンの布団を使えば簡単ではないか、と思われるかもしれませんが、オーガニックコットンであれば問題が無いかと言えば、そんなこともありません。

理由は私にもよく分かりませんが、オーガニックコットンの布団に触るだけで体調が悪くなるという話は時々聞きます。あるいは最初は大丈夫だったけれども、何かのきっかけでその布団が使えなくなるという話も聞きます。何かのきっかけというのは、洗剤で選択したとか、何かの暖房器具の近くにしばらく置いてあったとか、そのようなちょっとしたことです。

もちろんすべての過敏症の人がオーガニックコットンがダメという話ではありませんし、普通の布団でも全く問題が無いという方もいます。しかし、一定の割合で、このジャンルの布団はダメ、という方がいて、その方々は布団選びが本当に大変な作業になります。

これは人によるのですが、意外とポリエステル100%の寝具を洗って使えば大丈夫、という方もいらっしゃいます。化学物質過敏症だからといって、化学物質だけに反応するわけではなく、1度発症すると色々なモノに反応してしまうようになります。

そして自然素材であるとか化学製品であるとかに関係なく、特定の材料に反応してしまうようです。そしてポリエステル系の素材は意外と反応が出ないという方が多いと聞きます。もっとも新品のポリエステルのものは変な匂いがするので、1週間くらい外に干した後で使うというケースが多いようですが。

干した布団

新品の布団などは1度(1週間くらい)外に干した後でなければ使えないケースが多いようです。

同様に良い布団が無いという方で、ポリエステル100%の寝袋を使う方もいると聞いています。こちらも一定期間外に干さないと使えないという話ですが、逆に一定期間外で放置し、変な匂いが抜けてしまえば、ポリエステル系の素材のもので使えるものが多いようです。

もっともこれも人によると思いますので、過敏症の方は色々と試しながら、使用するものを決めなければなりません。ただ、ポリエステル系のものは価格が安いものが多いので、試すには経済的な負担が少ないので良いのではないかと思います。

他に暖かい寝具で電気毛布という選択もあるかもしれませんが、こちらは電磁波が大変大きな製品です。化学物質過敏症の方は、電磁波過敏症を併せて発症する方も多いので、正直あまりお勧めできません。

使える布団や寝袋などの種類が少なく、それだけでは十分な暖かさが得られないため、カイロや湯たんぽなどを併用される方も多いようです。過敏症の方は冬を乗り切るのが本当に大変だと思います。

暖房器具の選択も一般の方と同じわけにはいきません

石油ファンヒーター

化学物質過敏症となった方は、石油ストーブや石油ファンヒーターがダメという方が多くいらっしゃいます。

寝るときだけでなく、通常の生活をするにも冬はつらい時期です。それは暖房器具も選択肢が狭くなるからです。化学物質過敏症の方は、石油ストーブや石油ファンヒーターの匂いがダメという方が多くいらっしゃいます。ですので、一般的な石油系の暖房器具は使うことができません。

エアコン

エアコンも機種やフィルタの状況によっては使用不可という方も多くいます。

またエアコンは機種によっては全くダメという方も多数いらっしゃいます。そしてどのエアコンであれば大丈夫かは実際に使ってみないと分かりません。多機能のエアコンの方がダメな率が高いという話も聞きますが、実際のところ人によって異なりますので、何とも言えない気がします。

また、新品のエアコンはプラスティック臭が強いため使えないという方も多いようです。ですので、新品のエアコンであっても、晴れている日に1週間ほど外に出して、匂いを飛ばしてから取り付ける方もいると聞きます。

逆に中古のエアコンを使えば良いのでは、と思われるかもしれませんが、中古のエアコンでは、エアコンの内部やフィルターがどうなっているかがはっきりしません。中古エアコンが以前使われていた家に化学物質が大量にあった場合、エアコンやエアコンのフィルターに化学物質の匂いが染みついて取れないケースもあると聞きます。

また、エアコンのフィルターを1度掃除したとたん、急に空気が悪くなったという話も聞きます。フィルターを掃除した際に使った薬品に問題があったのかもしれません。中古エアコンですと、このフィルター掃除をどのような方式で行っていたのかが分かりませんので、結局リスクがあるものになってしまいます。

電気ストーブ

電気ストーブは大丈夫という方とダメという方に分かれる印象を受けます。

電気ストーブは大丈夫という方とダメという方がいるようです。もっとも大丈夫という方でも新品はプラスチック臭があってダメというケースも多く、中古で購入するか、こちらも1週間ほど外に置いて匂いを飛ばした上で使うという利用方法のようです。

オイルヒーター

オイルヒーターはダメという人が少ないような気がします。

割と悪い話を聞かないのがオイルヒーターです。こちらは大丈夫という方の率が高いように感じます。もっとも、新品はやはり匂いがしますので、こちらも一定期間外に置いて匂いを飛ばすなどの対処が必要なようです。オイルヒーターの方は中古でも問題があまり出ないようですので、こちらは中古を狙うという方法もあるかもしれません。

暖房器具全般

他の暖房にもそれなりにリスクがあります。この絵の中で大丈夫なのは湯たんぽくらいです。

床暖房や電気カーペットという方法もありますが、こちらも電磁波の心配があります。市場に出ている大半の電気カーペットや電気式の床暖房は、電磁波的がそれなりに出ており、電磁波過敏症を併発しそうな方にはお勧めしにくいものです。

電磁波を出していません、と主張している電気カーペットもありますが、調べてみると電磁波が出ているものもあります。特にアースが付いていない製品であれば、電磁波のうち電場についてはあまりカットされていないと考える方が良さそうです。

ただ電気カーペットから出る電磁波のうちの電場については、その電場量を下げることができる製品もありますので、磁場が出ていない製品を購入し、電場は後付けの製品で抑える、という方法もあります。ただ、電磁波を少なくすることはできますが、完全にゼロになる訳ではありませんから、過敏症の症状が重い方には、あまりお勧めできる方法ではありません。

温水式床暖房であれば電磁波の心配はありませんが、別の問題が起きることがあります。温水式床暖房はお湯を沸かす給湯器が必要ですが、この給湯器にエコキュートなどを利用している場合には、騒音や低周波音の問題が起きる可能性があります。特に低周波音は毎日聞き続けると低周波音過敏症の症状も併発する危険がありますので、どのようなシステムの暖房なのかは慎重に選んだ方が良さそうです。

ガスの暖房器具は、ガスコンロを問題なく使える方であれば、ガス系暖房器具も大丈夫である率が高いと聞きます。しかし、ガス系の暖房機器が使える住まいは少なく、賃貸であれば使用不可という住まいも多いようです。

人によって対処策が異なるというのが難しいところです

ここまで化学物質過敏症の方の冬場の対策についてお話してきました。しかし、これらの方法は絶対ではなく、人によっては有効だったという話に過ぎません。ある過敏症の方に有効だった方法を試してみたところ、かえって症状が悪化したという例もあると聞きます。

対策は本当に少しずつ、他に大きな影響を与えない範囲で進めていかなければなりません。そして過敏症の方々が冬場を乗り切るためには周りの方の理解と協力が必要です。建設業界や不動産業界の人、さらには過敏症の方の家族や関わる人は、このような状況であるという事を十分理解したうえで、対処策を考えてほしいものだと思います。