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ここ数か月は騒音や低周波音について調べています。今回はその一環で読んだ本の紹介と、学んだ内容について、自分の備忘録を兼ねて記事にしました。今回読んだ本は「トコトンやさしい振動・騒音の本」です。

振動騒音の本

出典:日刊工業新聞社

前回は専門性が高い本でしたが、今回は基本に戻って騒音や振動について初心者向けと思われる本を読んでみました。初心者向けと言っても十分に詳しい内容が書かれている本で、もっと早くこの本を読んでおけば良かったと思わされました。

理想は理解できますが、現実的ではないマンション選びの話もありました

住宅についての騒音の話も、いくつか基本的な話について書かれていました。ただ、書かれている内容がちょっと現実的ではない話も多数あり、実務家ではなく学者さんの書いた本なのだなあと感じさせられます。

現実的ではないと思わされるのは、マンション購入前の注意点についての話です。この本ではマンション購入前には、隣の住戸に行ってラジカセを鳴らし、気になるかどうかを確認するですとか、上の住戸に子供を連れていき、飛び跳ねさせて下の住戸で音を確認してから、その住戸を購入するかどうかを決めましょう、と書かれています。

ラジカセ

隣や上の住戸でラジカセを鳴らして問題なければ、という調査が事前にできるとは思えません。

確かにそこまでできれば理想的ですが、実際には隣にも上にも他の人が住んでいます。他人の家に入れさせてもらい、飛び跳ねたり音を鳴らしたりという事を事前にチェックさせてくれるマンションは、ほとんどないでしょう。新築マンションであれば、まだ人が住んでいないので可能性はあるかもしれませんが、通常新築マンションの契約は建物完成前ですから、これも難しいと思われます。

一方、このようなチェックが事前にできれば本当に良いのに、と思います。将来このようなチェックが普通に行われるような社会になっていくことを期待したい気もします。

エアコン室外機の設置場所については、理想的とも思える提案がありました

一方現実性はさておき、とても理想的と思われる内容についても書かれています。
戸建住宅に取り付けるエアコンの室外機は、建物の南側に付けるように、と書かれています。理由は暖房効率を高めるため、という理由もありますが、隣地の生活空間の主流は、敷地の南側に集まっていることが多いので、そこから離すためにも自分の土地の南側に室外機を置くべし、という主張です。さらに、エコキュートは音の問題があるので、隣地からは極力離して設置するように、とも書かれています。

とてもまっとうな主張ですが、現実ではこのように考えて設置をする人が少ないのが悲しいところです。戸建住宅を建てる一般の方や、ハウスメーカーの方は、もう少しこのような配慮をして欲しいと思わされました。

著者が主張する戸建住宅で騒音問題を起こさない方法の提案です

この著者による戸建住宅で騒音問題を起こさない要点とは次のようなものがあります。
1.室外機などは家の南側に設置する
2.隣地住宅の室外機がある向かい側に室外機を設置する(お互い様という意識でクレームが起こりにくい、という発想のようです)
3.室外機は低い位置に設置する
4.楽器の演奏をしたい場合には、防音住宅とする
5.室外機などの機器を選択する際には、実際の音量も確認する
6.家を建てる前に、隣地の人に挨拶し、室外機の設置場所の了解を取る
というものでした。

今問題になっている低周波音被害について、これらの対策がどこまで有効なのかは判断が難しいところですが、上記対策の1.と6.は、近隣の方への低周波音対策としても有効だと思います。もっとも騒音問題を起こしている人で、このような気を使う方は少ないのではないかと思われるので、やはり現実的な対策にはなりにくいのかもしれません。

しかし、エアコンの室外機やエコキュートの機器などは、自分の庭に置く、隣地には向けない、という考え方は素晴らしいと思いました。

超低周波音については、聞こえる(感知できる)と明確に書かれていました

また超低周波音について、一般的には20Hz以下の音は聞こえないと言われていますが、実際には人は超低周波音も分かるとはっきり書かれています

5Hzの音は頭周りの圧迫感で分かりますし、2Hzの音も認識できることがデンマークのオールボー大学の実験で分かったと書かれていました。他の本では超低周波音を感じるかどうかについては、少しあいまいな表現だったのですが、こちらは分かるとはっきり書かれています。ただ、大きなレベル(音圧という事でしょうか?)でないと分からないと書かれており、そのレベルがどのくらいのレベルなのかが書かれていなかったことが残念です。

他にも色々と参考になる話がありました。以前は全く分からなかった音の話が、少しずつとはいえ、理解できるようになってきたのはうれしく感じます。先日注文していました、リオン社の低周波音測定器も手元に届き、使い勝手を確認しています。

低周波音測定器

リオンの低周波音測定器を、1/3オクターブバンド分析プログラムとセットで購入しました。

当社:ふくろう不動産は売買仲介専門の不動産会社ですが、建物の検査業務も行っています。低周波音や電磁波など、人の体に悪い影響を与えそうな内容についてもチェックするサービスもあります。詳しくは「6-01.健康配慮型のインスペクションを行っています」のページをご確認ください。

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