低周波音測定器のデモ機でいくつか測定してみました
騒音計などを制作している(株)リオンの営業の方と打ち合わせし、購入前提という条件の元、低周波音測定器のデモ機を数日貸してもらうことになりました。借りうけましたのは、こちらの機種です。
早速近所でエコキュートやエネファームを使っている家の前まで行き、Z特性(音圧をそのまま調べるやり方です)で超低周波音を調べてみました。
1番の驚きはエコキュートから結構超低周波音が出ているという事を改めて確認できたことです。エコキュートは自分の耳では音が全く感じられず、本当にこの機械が動いているのかどうかが分かりませんでした。ひょっとしたら今は動いていないのかも、と思っていたのですが、自宅に帰りデータをまとめてみますと、他の場所と比べて明らかに超低周波音が大きく出ていました。
もちろん知識として、エコキュートが超低周波音を出すということを知っていたのですが、自分では全く聞こえませんので改めて驚かされました。超低周波音のことを知らない人が見たり聞いたりするレベルでは、おそらく何の問題もないと思うでしょう。確かに誤解を招きやすい問題だという事を改めて思い知らされました。
エネファームの前でも超低周波音を計測してみました。ただエネファームは機種によって出している周波数ごとの音圧が大きく異なるようなので、今回の計測だけで考えるにはデータが足りないと感じました。今後なるべく多くの機種を計測して、パターン等を考えたいと思います。
もう1点参考までにエアコンの近くでも超低周波音を計測したところ、こちらもエコキュートとほぼ同様の超低周波音を計測しました。このエアコンは室外機が2台並列で並んでおり、近づくとうるさいと感じるくらい可聴域での音も結構出ていたように感じます。そして、うるさいと感じたエアコンの室外機の音もまったくうるささを感じなかったエコキュートの音も超低周波音ではほとんど同じ音圧だったという結果にも驚きです。
私は低周波音被害者ではありませんので、この超低周波音のうるささというものが感覚的に分からないところがあるのですが、超低周波音を感じられる人にとっては、このエアコン室外機のうるささをずっと感じているのかと思うと、少しは感覚的に理解できたような気がします。あくまでも気がするだけというレベルですが、実際に計測してみて結果を見るのが大事だという事を感じました。
もう1点改めて感じたのはZ特性とG特性とで見た目の数値が大きく変わるということです。エコキュートやエアコンの室外機の音圧を比較すると、15~20dB近く違う数値として計測されます。先日のブログで「低周波音問題でG特性と呼ばれる数値はかえって問題を大きくしている気がします」の記事を書きましたが、改めてこのG特性の設定やG特性での調査を行うことで、間違った計測結果を出しているのではないかという気持ちが強くなりました。G特性だけみると、エコキュートやエアコンの前と、特に機器が近くに無い室内との音がほとんど変わらないという結果になります。この結果から問題ない、と判断されるのは少し問題なのではないかと感じます。
デモ機は既に返却してしまいましたが、結局この低周波音測定器を購入することにし、3月末には機器が届く予定ですので、計測機器が届き次第、また色々な場所で周波数ごとの音圧を計測し、データを公開していきたいと思います。