赤外線サーモグラフィによる建物診断についてお話しします
中古の戸建住宅や戸建て住宅用の土地、あるいは中古マンションを探す場合に、不動産会社を訪問します。ですが今では、REINSという不動産業界で共通のデータベースシステムがあるため、どの不動産会社に行っても紹介される物件は変わりません。
では、どういった基準で不動産会社を選ぶと良いでしょうか。これは不動産会社毎に特徴があり、その特徴を気に入るかどうか、皆さんの志向に合うかどうかで、不動産会社を決めることになります。
当社:ふくろう不動産は土地や建物の検査をウリにしています。物件情報が同じであれば、土地や建物についての検査が付いている分、当社を選ぶと得をする、というメリットを打ち出しています。
土地や建物検査は色々な角度から行っていますが、その検査の1つにサーモグラフィカメラを使った雨漏りチェックがあります。ただ、サーモグラフィカメラを使った雨漏りチェックと言っても、どのような内容なのかは分からないでしょう。そこでこのページでは、サーモグラフィカメラをどのように使い、建物のチェックを行うかについて、お話ししたいと思います。
住宅のトラブルの8割以上は雨漏りです
建物のトラブルと言うと、構造上の問題を思い浮かべる方が多いかもしれません。ですが、実際の住宅トラブルのほとんどは雨漏りについてです。
もっともこれは構造上の問題が無いという事ではないでしょう。構造上の問題は大きな地震などが起きないと問題が表面化しません。それと比べ、雨漏りは少し強めの雨が降ったり、台風が来たりすれば問題が表れます。そのため、一般的に出てくるトラブルは、圧倒的に雨漏りに関する話が多くなります。
この雨漏りは、古い建物しか出てこないとお考えの方もいるかもしれません。ですが実際には新築住宅であっても、それなりの確率で雨漏りします。これは設計に無理があったり、施工業者のレベルに問題があったりと様々な理由で起きるものですが、この雨漏りが起きているかどうかは、実は簡単には分かりません。
室内まで水が入ってくれば、完全に雨漏りだと分かりますが、屋根裏までや建物の壁の内側までしか水が入っていない場合には、部屋の内部から目で見ただけでは、雨漏りしているかどうかが分かりません。これは見る人がプロであっても同様です。目視での調査は、本当に水が出ている場所が見えないと雨漏りしているかどうかが分からないようになっています。
そして長年この雨漏りを放置していると、カビなどが出て、室内の空気環境を悪くしたり、木部を腐朽させることで、建物を構造的に弱くすることがあります。そして、問題が表面化する時にはもう手遅れであることもあるのです。
赤外線サーモグラフィカメラは目で見えない壁の内側を見えるようにします
サーモグラフィカメラは、写した物体の温度を色を付けて示します。壁の裏に水がある場合にはわずかですが、壁の表面の温度が下がります。そして、サーモグラフィカメラはその温度差を色で示すことができるため、壁の裏の水の有無が分かる訳です。
壁の裏に水がある場合と水が無い場合では、温度差はわずか1度でしかありません。ですが、きちんとしたサーモグラフィカメラを使い、きちんと画像の意味を解釈することができる専門家であれば、水の有無をある程度高い精度で判断できます。
この判断ができるかどうかを確認する資格審査の試験があり、この試験に合格すると赤外線建物診断技能師の資格を取得することができます。私も2014年にこの試験を受け、この資格を保有しています。試験合格後の実地研修も受けていますので、ある程度の精度で建物の雨漏りの有無を判断することができます。
このような検査結果はもちろんですが、そもそも雨漏りのしやすい場所や雨漏りが起きやすい建物というのはそれなりのパターンがあります。このパターンと照らし合わせて、どの場所が雨漏りしているかを判断しています。
雨漏りがしやすい建物については「4-02-01.雨漏りしやすいタイプの戸建住宅について知っておきましょう」のページをご確認ください。
雨漏りだけではなく、結露の状況や他の欠陥が分かることもあります
壁の裏側に水があるかどうかがある程度分かりますので、雨漏りだけでなく、結露の場合もその状況が分かることがあります。これは温度差だけでなく、その場所や温度が低い部分の形から判断しています。
壁の裏側の水の有無だけでなく、断熱材が入っていないという欠陥が分かることもあります。上記の例はとても分かりやすい例ですが、何となくこの場所が怪しいな、と分かるだけでも、その部分を重点的にチェックしますので、目に見えない欠陥を事前に察知できる場合があります。
もちろんサーモグラフィカメラで全ての欠陥が分かる訳ではありませんが、単なる目視よりも正確に判断できるのは確かです。赤外線サーモグラフィカメラによるチェックが優れている点は、建物を全く壊すことなく欠陥を判断できるという点です。ですので、物件の購入前であっても、売主に大きく気を使うことなく、建物のチェックが可能です。
他にもサーモグラフィカメラを使うことで、外壁タイルが浮いているかどうかの確認や、太陽光パネルに不具合があるかどうかが分かることもあります。ただ、私の技能ではそこまで判断できませんので、主に住宅の雨漏りや断熱欠損の確認に使っています。
ふくろう不動産ではサーモグラフィカメラと資格の両方を保有しています
当社:ふくろう不動産は検査機能を充実させている不動産会社です。皆さんが購入される予定の戸建住宅やマンションについては、無料で建物の雨漏りの有無などの確認を行っています。
雨漏りが確認できる精度の赤外線サーモグラフィカメラを所有しています。この機器で建物に雨漏りなどがあるかどうかを事前に確認しています。
実際に建物診断ができる能力があるかどうかを判定する資格試験にも合格しています。
これらの機器を使用することで、単に目視で行うチェックよりも精度の高いチェックを行っています。また赤外線建物診断技能師だけでなく、ホームインスペクターの資格も保有していますので、雨漏り以外の建物チェックもきちんと行っています。
他にも様々な角度から土地や建物のチェックをしています。チェック内容などについては「第2章.技術的・経済的な土地建物チェックに優れています」のページや、そのページの子ページをご確認ください。
赤外線サーモグラフィカメラについては「2-01.サーモグラフィカメラは雨漏りの建物を見つけます」のページでも解説しています。
当社:ふくろう不動産がどのような会社であるかは「ふくろう不動産は買い手の味方として活動する仲介会社です 」のページが参考になります。
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