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中古の戸建住宅や中古のマンションの売り物件情報を見ていますと、リフォーム済みという物件を一定以上の率で見る事ができます。これは売主が自らリフォームして建物をきれいにして販売されているものです。

この売主は個人の事もありますが、不動産会社が売り主になっていることもよくあります。これは一般的に買い取り再販と言われている形式で、中古のマンションや戸建て住宅を不動産会社が買い取り、リフォームなどの工事を行った上で、改めて販売するという形式です。

リフォーム済み物件のイメージ

リフォーム済み物件にはメリットとデメリットがあります。

このリフォーム済み物件の購入は、一般的な仲介物件とは違うメリットやデメリットがあるのですが、それらの内容が間違って伝えられていることが多いように感じます。私はリフォーム済み物件でも条件が合えば良いと思っていますが、それは正しく情報を得て内容が分かった上で買うべきだと思っています。

リフォーム済み物件は安く買える、という訳ではありません

このリフォーム済み物件で1番聞く誤解は、普通の中古物件を買うよりも安く買える、という点です。リフォーム済み物件が安いと主張されている方の意見として
1.新築同様の不動産がこの価格で買える
2.売主が不動産会社なので仲介手数料が不要(買取再販の場合)
という話が良く出てきます。

リフォームの価格のイメージ

リフォーム済み物件は割安に買える不動産という訳ではありません。

例外もありますので、あくまでも一般論として聞いて頂きたいのですが、リフォーム済み物件を購入するのは、自ら中古物件を購入してリフォームする場合と比べますと、金額的には高くなるケースがほとんどです。ですので、リフォーム済み物件を購入するほうが安い、という意見の大半は間違っていると私は思っています。

だからと言って、リフォーム済み物件の購入がダメという話では無く、後ほど述べますメリットを十分に受けられるのであれば、こういった物件の購入はアリだと思っています。ただ、安いから得をした、という話では無いという事を知っておくべきです。

リフォーム済み物件は新築とは大きく異なります

まず知っておくべきなのは、リフォーム済み物件と新築物件は全く異なるという事です。何が異なるかと言えば、資産価値と建物性能の2つです。

特にリフォーム済み物件の資産価値は、新築とは全く違うものであるという事を理解しなければなりません。内装や水回りが新しいものになっても、不動産としての価値は建物の築年数に大きく影響されます。比較すべきなのは同立地の新築物件では無く、同じ築年数の中古物件です。

内装を新築同然にリフォームしたとしても、その後数年住めば、その不動産は築年数相当の資産価値しか付きません。もちろんその事を最初から承知の上で、お金の計算も行った上での判断であれば問題ないのですが、単に新築との比較で安いから購入したという人の話も結構聞きます。この場合、もし数年後に売らなければならなくなった場合、経済的には大きな損をする可能性がとても高くなります。

この話は「中古マンションはスケルトンリフォームで資産価値が上がるでしょうか?」の記事でもお話ししています。マンションだけではなく、中古の戸建住宅でも同じ話が言えます。

また建物性能についても、新築のような性能になる事はありません。リフォーム済み物件の大半は、目に見える部分のみ手を入れるだけで、構造や断熱といった性能に関する部分に手を入れる事はまず無いからです。

不動産会社が販売する物件ではさすがに少ないとは思いますが、個人がリフォームした中古の戸建の建物検査をした際に、基礎に大きなひびが入っている物件を私は見たことがあります。

住宅の欠陥のイメージ

リフォーム物件の中には問題がある物件も少ないながらも混じっています。

リフォーム済み物件のすべてに問題がある訳ではもちろんありませんが、このような物件が混じっている事もありますので、より詳しいチェックが必要だという事も知っておくべきだと思います。

仲介手数料が不要な分以上に売買代金が高いケースが多くなります

また、買取再販物件で売り主が不動産会社の場合、仲介手数料が不要なので得であると主張される方が結構いらっしゃいます。仲介手数料がかからないのは確かですが、その点だけで得だと判断するのは危険です。販売されている物件価格が手数料以上に高いケースが良くあるからです。

再販物件の価格は物件毎に異なりますので一概には言えませんが、私が見た印象で言えば、200万円位の費用をかけてリフォームし、500万円高い価格で売る、というケースが多いように感じます。

この場合の不動産会社の利益は300万円です。実際には経費などが掛かりますから利益はもう少し少なくなるかもしれませんが、考えとしてはこれで大きくは間違っていないでしょう。

建物代にお金が乗っている

仲介手数料が無い分、建物にお金が乗せられています。

2,000万円の中古物件を普通に買って、仲介手数料を払い自らリフォーム会社にリフォームを依頼したとしましょう。その場合の仲介手数料は税込み最大で72万円弱、これにリフォーム代を200万円かけたとして272万円です。つまり合計で、2,272万円です。

これがリフォーム済み物件の場合は2,500万円で売られていますので、費用的には228万円高いという事になります。これは物件ごとにも違いますし、他の要素との兼ね合いも出てきますので一概には言えないのですが、一般的には高くなる事が多いと考えるべきです。

ただ、例外がそれなりにあるのも確かです。買い取り業者が相場よりもかなり安く購入し、十分に利益が出る物件などは、それなりに相場に近い金額で売られていることもあるからです。この辺りも相場観や見る目が要求されるところではあります。

リフォーム代金を住宅ローンでまかなえる点が最大のメリットです

ではリフォーム済み物件が完全にダメかと言えば、そうとも限りません。リフォーム済み物件ならではのメリットもあるからです。大きなメリットは2つあります。それは
1.リフォーム費用が不動産価格に含まれているため、住宅ローンで支払う事ができる
2.リフォーム済み物件はすぐに住むことが出来るので、リフォーム工事の期間が必要ない
という点です。

今の住宅ローンの仕組みはリフォームには優しくありません。リフォームローンはあるにはあるのですが、金利が高かったり返済期間が短すぎたりと使い勝手が良くないローンが多いように感じます。

銀行のイメージ

銀行のローンはリフォームには優しくありません。

例えばフラット35でもリフォームとセットのローンはあるのですが、物件引き渡し時にはそのローンが下りないため、引き渡し時には別のつなぎ融資が必要になります。そのための経費や手続きなどは大変で、積極的にはお勧めし難かったりします。

これがリフォーム済み物件であれば、リフォーム代は売買代金に含まれていますから普通に住宅ローンが組めますし、今の安い金利のメリットを十分に受ける事ができます。

また工事期間が必要ありませんので、引き渡し後すぐに住むことが出来ます。今賃貸に住んでいる方は、賃料とローンの支払いという2重の出費を防ぐことができます。

このようなプラス要素を考え、プラス部分が大きいという事であれば、リフォーム済み物件を選ぶという選択肢はアリだと思います。

買取再販では瑕疵保証が2年付くのが大きなメリットです

売主が不動産会社の場合には、瑕疵担保保証が付くという点もメリットです。売主が個人の場合には、瑕疵担保は3か月しか付かないケースがほとんどで、保証期間としては長くありません。また中古戸建てで築20年を超えている建物であれば、そのままでは住宅ローン減税が使えないため、トータルでは得をしないというケースも多々あります。

これが売主が不動産業者であれば、機械的に2年間の瑕疵担保は付きますし、業者が保険に加入していれば、その証明書を発行することで、古い建物であっても住宅ローン減税が使えるケースが増えます。住宅ローン減税が使えるかどうかで、人にもよりますが10年間で100万円以上のメリットが受けられますから、この差はとても大きなものになります。

地震に強いか

買取再販物件は2年の保証が付くので、安心度合いが少し増えます。

これがリフォーム前の個人の販売であれば、買主自ら瑕疵保険のための建物検査を段取りして検査を受け、その結果を見て買うかどうかの判断をしなければなりません。その後は瑕疵保険の保険料の支払いも出てきます。最近では個人が売り主の場合でも保険を用意できるようにはなっていますが、まだ一般的にはなっていません。

この費用自体は10万円強といったあたりで費用的には大きなものではありませんが、検査が通らなければ検査費用は無駄になりますし、何よりこの手続きが結構面倒だったりします。

当社はこの瑕疵保険の加入はよく手配していますので慣れていますが、それでもスケジュールがうまく合わず、面倒だと感じる事も良くあります。このような手間等がなく、保証が受けられ、住宅ローン減税が使えるというのは大きなメリットだと思います。

また、瑕疵保険の手配を全く行わない会社もありますし、そもそも保険の存在やメリットの説明を全く行わない会社もありますので、本当に瑕疵保険が使えるか、ローン減税が使えるかは買い手自身が注意してチェックしなければなりません。

建物も含めた不動産の価値を正確に見る目が要求されます

リフォーム済み物件には、このようなメリットとデメリットがあります。そのためこれらメリットデメリットの両方を正確に計算した上で、得か損かの判断をしなければなりません。

そのためには、不動産を見る目、資産価値等についての経済性を見る目と、土地や建物を見る技術的な目の両方が要求されます。自分だけでは100%判断する事はできませんので、仲介会社の営業マンや建物検査員等プロの意見を聞きつつ決めなければならないでしょう。

人間の内部

レントゲンで人体を調べるように、建物と土地についてしっかりと見る目が必要になります。

ただ、このようなメリットデメリットの存在を知らなければ、プロに聞くという事もできません。くれぐれも単に得しますというセールストークだけに惑わされないように、注意して不動産選びをして頂きたいと思います。

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