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ガーベージイン・ガーベージアウトという言葉をご存知でしょうか。直訳すれば、ゴミを入れればゴミが出てくる、という事になるのでしょうが、この言葉はビジネス用語として良く用いられ、間違った情報からは間違った結果しか出てこないという事を示しています。

元々はコンピュータ用語で、どんなに高性能のコンピューターでも入力するデータが間違っていれば正しい結果を示さないという意味で、コンピュータの初心者に対する注意喚起的に使われていたと聞きます。

不動産選びも実は似たようなところがあり、正しい情報を得た上で判断しないと、結果的に失敗してしまうという事が普通にあります。そして不動産や建築の世界では、この間違った情報がいかにも正しいかのように語られている事も多いため、まずは正しい情報を手に入れる、という点に細心の注意を払わなければなりません。

正しい情報を得るには自ら積極的に行動する必要があります

この不動産についての正しい情報を得るという事は簡単ではありません。誤解を恐れずに言えば、不動産関連の人たちが出している情報には、それなりの率で間違った情報が混ざっているからです。

なぜ情報が間違っているかと言えば
1.勉強をしないため新しい知識が無く、今では間違いと言われる昔の知識で説明する
2.自分の仕事に有利な方へ誘導するために、意図して間違っている情報を流す
の2つがあります。

業界の情報

業界から出る情報が、まあまあ間違っていたり偏っていたりします。

偏見込みの私見では、建築関係では1.が、不動産関係では2.がそれなりに多く見受けられます。間違った情報と聞けば、2.の悪意ある情報を連想される方が多いと思いますが、意外と1.のパターンもたくさんあります。

ですので、相手方が誠意のある人であっても1.のパターンで失敗するという事は良くあります。欠陥住宅等は2.よりも1.のパターンの方が多いのではないかと私は思っています。

不動産系は2.のパターンの方が多いような気はしますが、1.もジャンルによっては結構あります。瑕疵保険の話などは意外と知らない人が多いため、保険制度が無かった昔の話で通してしまおうとする人は結構多くいます。

このような情報不足や間違った情報に対しては、自分で対策を立てなければならないのが実情です。もちろん信頼できる建築会社、信頼できる不動産会社を見つければ済む話なのかもしれませんが、本当に相手が信頼できるかどうかの判断にも結局は最低限の知識が必要になります。

先程も申し上げましたように、相手の人柄や誠意だけでは判断できない事も多いからです。結局正しい情報を得るためには、自分で本を選んで読んだり、サイトや動画を探して勉強しなければなりません。

当社:ふくろう不動産のサイトや動画でも役に立つ情報を発進しているつもりですが、正直これでは全然足りないだろうと私自身思っています。正しく情報を得る方法、というものを一口で説明することは出来ませんし、少しずつ様々な角度からお話ししていくしかないと私は感じています。

不動産の経済性は話では無く数値で判断しましょう

例えば不動産の経済性、買おうとしている物件が相場から比べて安いのかどうかは、皆さんはどうやって判断されているでしょうか。私個人が良くないと思う判断方法は、相手先の営業マンからこれは割安です、という言葉や話だけで判断する方法です。

基本的に営業マンは利害関係者ですので、完全に第三者的な意見を出すことは出来ません。特に不動産の営業マンは、成約報酬という形態ですからとにかく成約したいというインセンティブが強く働きます。更に価格が高い方が、手数料の取り分が大きくなりますので、大きな指値をしようという考えにはなり難くなります。

ただ、実際には第三者から話を聞くというのも現実的ではありません。まず市況に詳しい第三者はどこにもいません。友人や知人などは利害関係こそ無いものの、知識が無いために間違った情報を与える事が多いため、参考になるどころか却って誤った判断を導き出すケースもよく見かけます。

友人からのアドバイス

友人は第三者で利害関係はありませんが、そのアドバイスは役に立たない方が多いように感じます。

ではどうやって判断すればよいかと言えば、周辺の取引事例、路線価、固定資産税評価額など、数値で見る事ができるデータを見て、本当に相場に近い価格なのかどうかを判断する必要があります。

更に、10年後や20年後を想定して、より築年数の多い不動産がいくら位で取引されていたかも見る必要があるでしょう。こういった数値から自分なりに相場金額を判断できるようになった上で、他の人の話を聞くべきだと思います。

しかしこういった話も、成約事例データを見る事ができるのか、路線価とは何か等を知らないと、判断材料として使う事はできません。何を元に経済性を判断するのかという材料について知っておきべきですし、その材料はある程度は自分で調べる必要があります。

不動産の安全性も話では無くデータから判断しましょう

安全性も同様に、話だけで判断するのは危険だと私は思っています。よく不動産の営業の方から、このエリアは地盤がしっかりしているからとか、売主さんからこの土地は地盤が強いから大丈夫という話を聞くことがあります。

しかし実際にその場所ピンポイントで土地情報を調べてみますと、盛土や埋め立て地等で地盤が強くないという例もありますし、周辺の地盤調査データを見ますと軟弱地盤の調査データが数多く見つかるという事もあります。

最終的にはその土地の地盤は、地盤調査データが無ければ判断できませんし、それが無い場合であっても、周辺の地盤データや土地条件図、地形区分図等を見なければ、予想の精度は高くなりません。

データのイメージ

話だけではなく、データを判断材料に使いましょう。

当社ではお客様が検討されている土地については土地情報レポートを発行し、どのような土地であるのかをデータを見せながらお話しするようにしています。こういったデータを見ることなく、根拠のない話だけ信じて購入を決めるのは、リスクが高い判断方法だと思っています。

建物についても同様です。よく売主さんから、この建物は○○の大工さんがしっかりと建てたから、と自慢される事も多いのですが、その話が直接建物の安全性につながるかと言えば、そうでもありません。

当社では建物検査も行っているのですが、自慢された建物であっても、傾きやひび割れや、雨漏りらしき跡が見つかる事もあり、事前の話程には良くない建物も多数あります。

これも話だけで判断せず、インスペクションを受けているとか、耐震等級の3を取得しているとか、既存住宅かし保証保険の適合通知書があるとか、何らかの根拠のある資料で判断すべきではないかと思います。

そして当然こちらもこのような判断材料があるという事を知っていることが前提になります。

不動産の快適性は比較よりも体感や価値観を深く考えましょう

快適性についての判断は、経済性や安全性とは違う意味で難しいものになります。と言いますのも、快適性は人によって感じ方が大きく異なるため、何がその人にとって良いのかが簡単に判断できません。

快適性については、あまり数値やデータを使うという事は無いのですが、それでも他の項目と同様に、人の話だけで決めない方が良いと思います。

体験のイメージ

快適性は自分の価値観や感覚と照らし合わせる必要があります。

例えば駅からの距離が徒歩15分だったとしましょう。近所に同じ世帯の方がたくさんいて、皆さん普通にあるいて通勤していますよ、という話を聞いて、他の人が大丈夫であれば自分も大丈夫、と簡単に決めない方が良かったりします。

人は大丈夫でも自分はダメ、という事は良くありますし、逆のパターンももちろんあります。音や環境の問題でも似たような話があり、1人1人感じ方が違う以上、そして実際に住むのは自分や自分の家族である以上、他の人との比較では無く、自分はどう感じるかをもっと深く追求した上で決めるべきだと思います。

快適性の判断材料を探すのは難しいのですが、基本は自分で体験してみる事でしょう。駅からの距離であれば実際に歩いてみる、環境については、夜や休日に近くを散歩してみる等、自分で経験、体験できることは行い、その感触で判断しなければなりません。

もっとも快適性については体験できない事も多く、例えば断熱性や日当たりが実際にはどうなのか等は、住んでみないと正しくは分かりません。ですが、今までの自分の経験で、これは我慢できるとかこれは気にしない等の感覚を思い出しつつ、最後は自分で決めるという事が必要になります。

不動産選びはこれ以上調べても、もう分からないという時が来ます

不動産選びでは、どこまでいっても100%満足するという物件は出てきませんし、情報も100%の精度で得られる訳ではありません。ですが知っている範囲が増えれば、その面については失敗する率が低くなります。

人によっては、勉強し過ぎたり考えすぎたりすると、訳が分からなくなるので感覚で決める方が良いと主張される方もいます。どの考えが絶対的に正しいとは言えませんが、私は勉強し過ぎるという事は無いと思っていますし、勉強することで混乱するとしてもそれは一時的なものだと思っています。

分かるようになる

知れば知る程混乱するのは一時的なもので、一定期間後には分かるようになります。

不動産について調べていきますと、何が何だか分からないという状態は、一定の期間を経れば混乱は無くなります。そして100%分かるという時が来るのではなく、これ以上はもう調べても分からない、という時が来ます。

そしてこの時に初めて感覚や価値観に頼る事になるのであって、それまでは正しい情報を得て考える事が重要だと私は思っています。

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