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前回の記事で、欠陥住宅の代表例についてお話ししました。では、このような欠陥住宅を選ばないようにするにはどうしたら良いのかが問われるところだと思います。

欠陥住宅を選ばないための方法については、様々なサイトで対策が書かれていますが、その中には正しい内容であっても現実的に役に立たないことや、そもそも間違っていることも多く見受けられます。このページではもう少し具体的に、欠陥住宅の見分け方について考えたいと思います。

戸建て住宅の構造的な問題を図面で確認するのはあまり意味が無いと思われます

「戸建て住宅の構造的な欠陥がある住宅を選ばないようにするには、図面を見ましょう」と書かれているサイトがあります。図面を見ること自体は間違いではありませんし、それはそれで意味があることもありますが、図面がきちんとしているから欠陥住宅ではないかと聞かれれば、もちろんそうとは限りません

設計図

設計図を見ましょうというアドバイスは、欠陥住宅を防ぐ効果がそれほど高くありません。

構造上の欠陥は大きく分けますと設計上と問題と施工上の問題の2種類があります。図面を見ることで設計上の問題は分かるかもしれませんが、施工が図面通りに行われていない場合には図面チェックの意味はありません。また、設計図面は一応は建築確認申請が通っている図面のはずです。ですので、その図面、つまりは設計自体に大きな問題があるケースはあまり無いと思います。

この状況を考えますと、設計上の問題ではなく、施工上の問題で欠陥住宅が作られる事が多いと思われます。そして図面を見ただけでは施工上の問題は分かりません

また「設計図面のチェックポイントとして、火打土台や火打梁、筋違などのナナメの部材が入っているかどうかを確認しましょう」と書かれているサイトも多く見かけます。しかし建物の強度を保つ方法は筋違や火打材だけで決まるものではありません。

特に最近では構造用合板などを使って、壁全体や床全体で強度を出している建物も多くあります。そしてこれらの建物では火打材や筋違などは使いません。図面を見て、ナナメの部材があるから良い、無いから弱いという判断は、あまり正確な判断にはならないと思います。

一方で図面に細かな情報が正確に書かれている場合は、精度が高い建物ができやすいという点も確かにあります。図面が適当に作られている場合には、現場の判断で作られる部分が多くなります。その結果、構造上問題がある建物ができる可能性が高くなりますので、そういった意味では、内容が詳しく書かれた図面を元に作られた建物の方が、欠陥住宅になる率は少ないかもしれません。

また、建物建設途中や建物完成後に検査を受ける場合にも、建築図面の内容が詳しい方が、チェックしやすくなるという点もあります。建物完成後は建物すべてをチェックすることはできませんが、それでもある程度確認できることはあります。その確認内容と図面の内容が合っているかどうかが確認しやすい方が、チェックの精度も高くなります。

筋違が見える

例えばサーモグラフィカメラがあれば、壁の中の筋違が確認できることがあります。図面上で筋違のある場所が示されていれば、その場所に本当にあるかどうかのチェックは可能の時があります。

内容がよく分からない図面の場合、できた建物が当初の予定通りなのかの判断はほとんどできません。そのためチェックも感覚的な部分が増えてしまい、おざなりなチェックになってしまう危険もあります。

そいうった意味では、図面を見ることは間違いではないのですが、構造的な内容が書かれているかどうかというチェックではなく、図面に内容が詳しく書かれているかどうかをチェックすべきです。そしてできた建物が図面と同じ内容で作られているかの確認をすることで、構造的な問題があるかどうかを、より詳しく調べることができます。

床の傾きの判断方法も間違った意見が多いように感じます

戸建て住宅の床の傾きがある場合には、確かに何らかの問題がある可能性があります。ただ、その判断方法については、間違った意見や怪しい意見も多いかもしれません。

代表的な意見として、ビー玉を転がせば床の傾きが分かるというものがあります。ただこちらは分かる部分と分からない部分があります。

ビー玉

ビー玉を転がす方法は、完全に傾きが分かる訳ではありませんが、プロに調査を頼む前段階の方法としては有効です。

ビー玉の転がり具合は床材の素材にも大きく影響されます。フローリングであれば、床材の反りや施工状況によっては、床の傾きが無い場合でも転がることがあります。逆にカーペットなどの場合は、問題がある傾斜であっても転がらないこともあります。

一定方向にはっきりとビー玉が転がる場合には確かに問題があるケースがありますので、プロに詳しく見てもらう前段階で試してみるという方法としては良いかもしれません。ただ、ビー玉だけで傾きが確定するとは限らないという事は知っておいたほうが良いと思います。

またビー玉はダメで水準器を持参しましょう、という意見のサイトも多数見かけます。ただこちらも床材の状況によって、傾きは影響を受けますし、そもそも水準器の幅では部屋全体の傾きは判断できません

水平器

ホームセンターなどで売られている水平器です。部屋全体の傾きチェックには利用できません。

一般的な住宅診断で建物の傾きを見る場合は、3m位の距離で傾きを判断します。それより短い距離の計測ですと、床材の張り方や反りなどの影響が大きく、正しく判断できないとされているからです。

そして一般的な水準器では数十cmの幅でしか傾きを測れません。また傾きが何度あるかが判断できない水準器がほとんどです。ですので、水準器があれば床の傾きが判断できるという主張は、基本的には間違っていると思います。

では一般の人はどうやって判断すれば良いのかと言えば、まずは自分の感覚で傾きがないかどうかを感じてみること、次にビー玉を置いてみて、おかしいなと感じた場合には、インスペクションなどを入れてみるというやり方が良いのではないかと思います。

また最近では価格が安いレーザレベルも多数売られています。プロが使うものと比べると正確さには欠けるかもしれませんが、それでもビー玉などよりは十分なチェックができると思います。使い方もそれほど難しいものではありませんので、気になる方は、レーザーレベルを購入してチェックするという方法もあると思います。

レーザー墨出し器

ふくろう不動産ではこのレーザー測定器を使っています。

床の傾きについては「3-02-15.床の傾きは何度あると危険ですか?」でも内容を説明していますので、こちらの記事も参考にしてみてください。

建築工期の長さや下請け構造の話は、欠陥住宅のチェックには役に立ちません

他にも欠陥住宅が起きやすい理由として、無理な工期で建物を建てたせいだとか、下請けの数が増えるたびに、建物の質が落ちるなどの意見もあります。ただ、工期や下請けの状況がそのまま欠陥住宅につながるのかと言えば、あまり大きな関連性はないのではないかと私は思っています。

工事現場

工期が短いからとか下請けが作っているからという理由は、あまり判断の役には立ちません。

工期が長い建物でも雑に作られている建物はたくさんありますし、下請けが少ない直接施工の建物であってもダメな建物はたくさんあります。

結局は作る人と管理体制の良しあしで、欠陥が出るかどうか決まる部分が多いと思います。工期や下請け構造などは、購入者の立場から見てもチェックできるところもあまりありません。この部分は、あまり気にしなくても良いのではないかと思います。

このページの一部を動画でも解説してみました

このページで説明しました内容を動画でも一部解説してみました。その動画がこちらです。

よろしければ動画もご確認ください。

ふくろう不動産では無料の建物診断を入れることで、欠陥住宅を選ぶ率を減らすようにしています

当社:ふくろう不動産は、購入者のためのサービスに力をかけている不動産仲介会社です。不動産の購入者が間違って欠陥住宅を選ばないように、様々な検査を無料で行っています。

雨漏りなどについてはサーモグラフィカメラを使いチェックしたり、建物の傾きについてはレーザーレベルで確認しています。通常建物検査は数万円から10数万円かかることも多いのですが、当社を通して不動産を購入される方は、同レベルのサービスを無料で受けられます。

サーモグラフィカメラ

サーモグラフィカメラで建物の外壁や内壁などを撮影し、温度差から水の有無を確認します。

ふくろう不動産の検査内容などについては「無料で戸建て住宅やマンションの建物診断が受けられます」のページをご確認ください。

ふくろう不動産がどのような会社なのかについては「ふくろう不動産とは」のページをご確認ください。