中古住宅の選び方は仲介会社の選び方で決まります

中古住宅の選び方は、突き詰めていくと結局は仲介会社の選び方に行き着くと私は思っています。と言いますのも、中古の戸建住宅、中古のマンションを購入する際にはチェックしなければならない項目がたくさんありますが、そのすべてを一般の方がチェックするのはほぼ不可能だからです。

チェック項目

法律で決められた内容以上のチェック項目があるため、一般の人がすべてを確認するのは不可能です。

ですので、どうしても間に入っている仲介会社に住まいのチェックをお願いしなければならないのですが、何をチェックし、何をお客様に伝えるかは仲介会社によって本当に大きく異なります。このページでは、仲介会社は何をお客様に伝えるべきか、そして不動産を買おうとしている人は何を仲介会社に求めるべきかを考えてみたいと思います。

法律で決められた報告事項は本来知るべき情報のほんの一部です

不動産仲介会社はその不動産についての情報を購入希望のお客様に伝えなければなりません。そして必ず伝えなければならない情報は、ある程度法律で定められています。ではどの仲介会社もお客様に伝える情報が同じかと言えば、大きく違うのが実情です。

物件の情報のイメージ

どの情報を伝えるかは仲介会社によって異なります。

これは仲介会社が法律違反をしている訳ではありません。法律で決められていている伝えるべき情報というのは、大きなトラブルにならないための情報に限られています。本来購入者が知らなければならない情報は、法律で定められた範囲では全く足りません

不動産の選び方には色々な考え方がありますが、私は経済性、安全性、快適性の3つの要素のバランスで不動産選びを行うべきと考えています。そして、この3つについての情報の伝え方については、ほとんどの不動産仲介会社は全く足りていないと私は考えています。

これは不動産取引を仲介会社の都合の良い方向にしたいために、わざと情報を制限している事もありますし、そもそも知識が足りないために、伝えられないという事もあります。

不動産のプロなのに知識が足りないという事があるのかとお考えかもしれませんが、不動産の営業マンに知識が足りないというケースは良くあります。こう話している私にも足りない部分はたくさんありますし、いまだに分からない点もたくさんあります。

私の場合は、分からない部分は分からないと説明した上で、不動産の購入者は何を知るべきかをお話ししています。この分かる部分、分からない部分は仲介会社によって異なります。ですので、皆さんはどの仲介会社はどういった内容について詳しいのかを、みなさん自身で判断しなければなりません。

この3つの要素や各々の内容チェックについては「失敗しない不動産購入」のページやその子ページで解説していますので、興味があるかたはこちらのページも参考にしてみてください。

この部分については動画でも説明しています

この報告事項、法律で決められた範囲内の説明で問題がないかどうかについては、動画でも解説しています。その動画がこちらです。

よろしければ、動画もご確認ください。

その中古住宅がお買い得かどうかを相場と資産価値の両方から説明すべきです

さて、まず仲介会社に求めるべきは、経済性について正しい情報を提供してくれるかどうかです。この経済性については2つの切り口があります。1つは相場と比べて高いのか安いのかという情報、もう1つは資産価値が維持できそうかどうかという情報です。

不動産価格の相場は成約事例とサイト情報から判断しましょう

相場について知るには、過去の成約事例を見るのが1番参考になります。REINSの成約事例データを見せてもらったり、土地総合情報システムから成約事例を確認したりことで、ある程度過去の成約事例が分かります。仲介会社にはこれらの事例を見せてもらい、話を聞きながら相場について学ぶのが良いと思います。

相場のイメージ

相場通りかどうかは、成約事例を見て判断しましょう。

土地情報総合システムについては「不動産の価格が妥当かどうかを調べるときに土地総合情報システムが役立ちます」のページが参考になります。

また、戸建住宅やマンションについては、成約事例に加え、サイトのデータ等も参考になります。戸建住宅であれば路線価を知り、そこから土地の価格を予測する方法がありますし、マンションについては「ウチノカチ」などのマンション価格判断サイトなどが参考になります。

路線価図の見かたについては「2-03-02.土地の値段の判断に迷う時には路線価図を目安にしましょう」のページが、マンションの価格チェックについては「住宅価格相場サービス「ウチノカチ」を使ってみました」のページが参考になります。

このような情報を教えてくれる不動産仲介会社を選び、自分で相場を考えながら不動産選び、中古住宅選びができるような体制を整えるのが良いと思います。

資産価値については10年後や20年後の価格を予想することで考えます

相場については説明してくれる仲介会社が多いと思いますが、その物件の資産価値について説明してくれる仲介会社はそれほど多くあります。

資産のイメージ(通帳)

10年後にいくらで売れるかが、10年後の資産価値です。

資産価値とは何かという判断も難しいのですが、分かりやすいのは将来の売却価格です。例えば築10年の戸建住宅を購入した場合、10年後にいくら位で売れるかが、その物件の10年後の資産価値と考えても良いでしょう。そして10年後の資産価値を予想するために、その時点で築20年の戸建住宅の売値を調べるのが分かりやすいと思います。

もちろん市況の変化などがあるため、築20年の戸建住宅は、そのまま築10年の戸建住宅の10年後とは限りませんが、ある程度の参考にはなります。

他にも再建築が可能であるのか、街自体の将来性はどうなのかなど、資産価値に影響がありそうな要素はたくさんあります。影響がある要素のうち、どの要素について説明するかも仲介会社によって大きく異なります。どういった説明をされるかによって、その仲介会社がどのように考えているのかを、ある程度判断することができます。

土地と建物の安全性をどこまで客観的に説明できるかを聞くべきです

仲介会社がお客様に伝える情報の内、もっとも差が出やすいのがこの安全性についての話です。これは営業マンに悪意がある訳ではありませんが、不動産業界では建物について勉強する機会があまり無いため、建物の安全性ついては特に不正確な話が伝えられる事があります。

目視のイメージ

特に建物の安全性は目視だけでは分からない事も多くあります。

建物の安全性の確認にきちんと建物検査を行っている物件は少なく、通常は売り主さんから聞いた話のみで安全性が語られるケースが大半です。しかし、地盤に問題があり建物が傾いていたとしても、一般の方は気が付かない事が多いため、実際に傾きがあっても問題なしとされるケースはよくあります。

また雨漏りについても、壁の中までにしか雨漏りが出ていない場合には、やはり売り主さんも気が付かない事が多いため、こちらも問題なしと主張される事がよくあります。

これらのチェックは目視だけでは判断がし難いため、問題なしと判定される事が多いのですが、実際には問題が出ているというケースも多いので、どういった基準で問題なしと判断されているのかをきちんと聞かなければなりません

例えば建物の傾きについては、中古住宅であれば全く傾いていない建物はそれほど多くありません。しかし、どの位の傾きであれば問題が無い範囲なのか、どう考えているのかは、実際に傾きを測定し、数値を見なければ判断できません。

単に問題がないから大丈夫ですよ、という話をそのまま聞くのではなく、調査は行われたのか、その調査結果はどうだったのか、傾き計測は何%という結果が出たのかなど、数値を聞いて客観的に判断するようにしないと、実は危険な建物を購入してしまう事になり兼ねません。

幸い最近では建物検査を標準として取り入れる不動産会社も増えていますので、その内容を聞くことである程度の判断は可能です。ただその結果は、単に大丈夫でした、という内容を聞くのではなく、数値などを見てどう判断したのかまで聞いた上で、最終的に問題が無いかどうかを聞くようにしましょう。

快適性の説明は修飾語ではなく、項目と数値を聞くべきです

快適性についての話は、安全性以上にあいまいな表現でしたか語られない事が多くなります。暑い寒いの感じ方や、便利不便の感じ方は人によって大きく異なるため、営業マンの話が自分にとっても正しいかどうかを判断することはできません。

数値で判断

数値化できるものは、数値にして考えましょう。

例えば物件が駅から遠い場合、バスが頻繁に走っていますから便利ですよ、と話をされる事は良くあります。しかしこの頻繁という基準が決まっている訳ではありませんから、説明した営業マンは1時間に2本バス便があれば十分と考えるかもしれませんが、皆さんは10分間隔でなければ十分ではないと感じるかもしれません。

このような場合は、十分という言葉だけでなく、実際にバスの時刻表を見て、自分にとって十分便利かどうかを確認することになります。

快適性のすべての項目に対して、数値が確認できる訳ではありませんが、数値化できるものは数値化して、数値化できないものは、実際に自分で体験したり見に行ったりして、快適度合いを判断すべきだと思います。

仲介会社の選び方は、不動産の知識と3社の比較で考えましょう

不動産選びについては、このような事を考えつつ、仲介会社を選ばなければなりません。この仲介会社選びで失敗しないコツは2つあります。

1つは自分である程度勉強することで、仲介会社のレベルを判断すること、もう1つは仲介会社を3社ほど訪問し、比較することで仲介会社のレベルを判断することの2つです。

不動産の勉強というのは結構面倒に感じる方も多いと思います。ですがある程度の基礎知識が無いと、仲介会社の話が正しいのかどうかの判断が出来ません。できる範囲で構いませんので、ある程度は事前に不動産について調べるべきだと思います。

もう1つの3社比較は割と簡単だと思います。違うタイプの仲介会社3社を訪問し、話を聞くだけで会社ごとの違いは結構分かります。1社目で聞いた話と同じ質問をしても、意外と違う答えが返ってきます。そしてどちらの内容が正しいかは、意見を照らし合わせる事で、なんとなく判断ができます。

3つを比べる

仲介会社は3社以上訪問し、比較しましょう。

よくある失敗は、仲介会社は1社しか行かず、物件を2つ3つ見るだけで購入を決めてしまうというパターンです。この場合、割高な物件、問題がある物件だったとしても、その問題に気が付く事無く、その物件を購入してしまいます。

実際に問題が発覚するまで10年20年かかる事は多いので、当面は問題にならないかもしれませんが、いつかはその問題に突き当たります。このような問題に当たらないためにも、仲介会社選びは慎重に行うべきだと思います。

当社:ふくろう不動産も仲介会社ですが、この検討してもらえる3社に入るべく、買い手のお客様の役に立つ仲介会社でありたいと思っています。当社:ふくろう不動産については「ふくろう不動産とは」のページをご確認ください。

この記事の内容について、ご質問やご相談がある方は「お問い合わせフォーム」をご利用の上、ご連絡を頂ければと思います。ご連絡されたからといって、当社からしつこい営業を行う事はありませんので、ご安心ください。

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