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不動産仲介会社であれば、どの会社も宅地建物取引業(宅建業)の免許を持っているはず、と皆さんはお考えになるでしょう。ですが意外と宅建業の免許を持っていない会社は数多くあります。私もここ数年の間に2社ほど無免許の不動産会社の人を見かけました(もちろん当社では取引をしていません)。

一般の方がこういった無免許の不動産会社と取引をすると、どのようなデメリットやリスクがあるのか、少しお話ししたいと思います。

違法行為を平気で行う人や会社の契約内容とモラルは信用できません

無免許の仲介会社と取引する最大のデメリットは、その会社自体が信用できないという点です。その会社がどれだけ営業力が強くても、どれだけ人脈があって色々な情報を持ってこれたとしても、信用できないという点に変わりはありません。

嫌がらせの電話

変な会社につかまって、しつこい営業電話を受けるような事態にならないようにしたいものです。

考えてみください。営業力が強かったり、人脈が豊富なのに、なぜ宅建業の免許を持っていないのでしょうか。免許をもっていない理由に何らかの問題が潜んでいます。

無免許の会社はベテランの方が多いように感じます

無免許の会社の営業マンは、一見大変能力が高いように見えます。年配の方も多く、知識は豊富ですし、色々な情報を持っているように見えます。ですが、その能力の高い方がなぜ無免許の会社にいるのか、無免許の会社を経営しているのかについて、考えなければなりません。

無免許者の営業

どれだけ能力が高いように見える人でも、何かしらの問題があったから免許が無い訳です。

考えられるパターンとして、
1.以前は免許を持っていたのにその免許を取り消された
2.免許の更新を受けなかったために免許が失効した
3.実務経験があって独立したが、宅地建物取引士の試験に合格できない
等があります。

1.の免許の取り消しというのは簡単に行われるものではありません。悪意のある法律違反など、重い行政処分を受け無い限り簡単に取り消される事はありません。つまり免許を取り消されたという事は、過去に何かしらの問題行動を起こしたという事になります。免許取り消しになるくらい重大な処分を受けた人や会社を信用すべきかどうかを考えてみるべきです。

2.の免許の更新をしなかった無免許会社も一度見たことがあります。更新にかかる費用は、知事免許であれば33,000円で手続きを外注したとしても全部で10万円位の費用で済みます。この費用を惜しんだためとは思い難いので、更新を忘れていたというケースが多いのではないかと思います。

更新をし忘れますと、次はまた新規取り直しとなってしまい、その場合には多額の費用がかかります。この費用を惜しみ、結局無免許のまま営業しているという事があるのかもしれません。このようなうっかりした会社に仕事を頼んで良いのか、更にはその後平気で法律違反をしている会社を信用して良いのか、という事を考えなければなりません。

3.については失礼ながら勉強するつもりが無い方なのでしょう。宅地建物取引士の試験はそれなりに難しいものですが、一方でまじめに勉強していれば合格できるタイプの資格試験です。時々実務経験の長い方で資格を持っていない人を見かけますが、実務が出来れば良いので、勉強はばかばかしいと感じるタイプの方々であるように感じます。しかし、だからと言って無免許での営業が許されるはずもありません。

免許がある会社を契約時に入れるとしても、信用できない点に変わりはありません

このような免許が無い会社は契約時には宅建業の免許がある会社に間に入ってもらい、その上で契約を行うので問題ありません、と主張されるようです。ですが、その意見は間違っています。この方式も実は法律違反だからです。

身分証明

免許がある会社を通したとしても、無免許事業と見なされます。

皆さんが取引している会社が無免許会社で、最終的に契約の時にだけ免許会社が入ったとしても、取引自体は無免許事業と見なされます。そしてこの場合、免許を持っている会社の方にも行政処分が下される可能性が高くあります。

取引の形等によって、無免許事業になるか名義貸しになるかは分かりませんが、どちらも重い法律違反であることに変わりはありません。この場合、間に入った免許を持っている会社は最悪の場合免許取り消し処分となります。

ある程度法律を把握している不動産会社であれば、このようなリスクは犯しません。逆に言えば、このようなリスクすら分からない会社が間に入っているとしても、信用度合いが上がる訳ではありません。

免許が無く、仲介取引を行おうとする人を、不動産業界ではブローカーと呼ぶ事もあります。昔はこのブローカータイプの人が結構多かったと聞きます。ですが今は法律の適応が厳しくなった事や、不動産協会などがブローカーを使うなと厳しく指導していることもあって、最近は少なくなったような気はします。

しかし少なくなったとは言え、完全に無くなった訳ではありませんし、何かのきっかけで入り込もうとするブローカーの方も多いようですので、注意が必要です。

トラブルがあった場合の保証や保険がありません

昔の話ですが、私が仲介している不動産に対し、とあるブローカーが取引にからもうと横やりを入れてきたことがあります。その際に、そのブローカーさん(の知人)から「最終的に儲かればいいじゃないか、免許のある無しは重要じゃない」と逆切れされたことがあります。しかしこの意見も間違っています。免許の有無で、保証や保険といったものが全く付かなくなるからです。

保険証券

無免許会社は保証協会に入っていませんし、保険にも加入していません。

まずは保証についてですが、宅建業の免許を持っている会社であれば、どこかの保証協会に加入しています。保証協会に入らないと免許を取得することができないシステムになっているからです。もし仲介会社と何らかのトラブルがあり、その仲介会社に対して支払ったお金の返済を求めなければならなくなった時に、保証会社がそのお金を弁済してくれます。つまり仲介会社が倒産したり逃げたりした場合の肩代わりをしてくれる訳です。

実際にどのようなケースで弁済をしてくれるのかについての規定はあるものの、万一の際の安心材料にはなります。そして無免許の会社は当然保証協会には入っていませんので、支払ったお金の肩代わりをしてくれる団体はありません。

このような保証協会はいくつかあるのですが、当社が加入しています「不動産保証協会」にもホームぺージがあり、どのような活動をしているかも記載されていますので、よろしければご参考にしてください。

保険についてもそうです。これは免許のある無しとは直接関係は無いのですが、免許がある会社の大半は損害が起きた場合の保険にも入っています。ですので、仲介会社が倒産するような大きな支払いを仲介会社に求められた場合には、この保険でまかなえる可能性が高まります。当社ももちろんこの保険に入っています。ですが、無免許の会社はこのような保険には入れませんし、そもそも入る気も無いでしょう。

このような保証や保険という切り口だけ見ても、安心度合いは全く異なります。無免許の会社がいくら誠実に仕事をしたからといっても、トラブルを100%完全に避けられる訳ではありません。トラブルの際に、何らかの保証ができないという点だけ見ても、無免許の会社は避けるべきです。その前に、そもそも免許が無い、つまりは法律違反をしている会社が誠実に仕事をするという前提自体があり得ない話ではあります。

宅建業の免許があるかどうかは名簿で確認ができます

PCで確認

宅建業の免許の有無は、ネットで確認することも可能です。

この宅建業の免許がある会社なのかどうかは、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を使えばすぐに確認ができます。取引するかもしれない会社の社名を、このサイトの検索窓に入力し、検索ボタンを押すだけです。もし、付き合う予定の不動産会社に怪しさを感じた場合には、こちらのサイトから、きちんと免許を持っている会社であるかどうかを確認してみてください。

コンサルティング料など別名目のお金を請求される事もあります

他にも無免許の会社と取引する際のトラブルとして、仲介手数料とは別にコンサルティング料など別名目のお金を請求されるという事もあります。名刺などにも「不動産コンサルタント」という肩書を付け、営業している方もいるようです。

請求書

いきなり高額なコンサルタント料を請求されることが無いように気を付けます。

これはきちんとした不動産コンサルタントから見れば大変迷惑な話ではありますが、自称コンサルタントも多くいるため、注意が必要です。

もっともこのコンサルタントという表記自体は違法では無さそうなので、これがより問題を大きくしている気がします。

不動産コンサルタントは、公的には「財団法人不動産流通推進センター」が認めた不動産コンサルティング技能登録者の事を指すようです。ようです、というあいまいな表現になりますのは、このセンターはではコンサルタントの正式名称は「公認不動産コンサルティングマスター」という名称になっているため、紛らわしくなっています。これらの制度ができる前に、コンサルタントが多数出ていたため、わざと名称を変えているのかもしれません。

更には、この「公認不動産コンサルティングマスター」については検索は出来るのですが、希望者のみ掲載されるとか、業務内容の細かな条件に合う人のみ検索されるなど制限があるために、調べたい人がすぐにコンサルティングマスターなのかどうかが分かりません。

制度自体が出来てから時間が経っていないために、このような状況なのかもしれませんが、コンサルタントという名前のブローカーを入れないために、もう少し法整備が進む事を期待したいものです。

自称不動産コンサルタントというブローカーに騙されないように、事前にどのような事をアドバイスしてくれるのか、費用はいくらかかるのかを確認しておくべきですし、怪しいと感じるのであれば、実はブローカーではないかと疑ってみる事も必要です。

不動産取引は多額のお金が動く取引であるため、問題がある人たちも、とにかく取引に絡もうとします。コンサルタントを入れたいと考えられる方は、どういったコンサルをしてくれるのか、その費用はいくらなのか、支払う費用分の価値があるコンサルなのか等を十分に検討された上で、そのコンサルタントと取引されるかどうかを決める事をお勧めします。

くれぐれも、コンサルタントを自称するブローカーには騙されないように、ご注意ください。

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