リフォームをする前に読んでおくとためになる本を紹介します
このサイトでは、住まいを購入する前に読んでおいてためになる本を定期的に紹介しています。今回はリフォームに関する本の紹介です。
中古住宅を購入しますと、リフォームをセットで考えなければならないケースがよくあります。ただ、リフォームは新築住宅以上に分かりにくい部分があり、この内容を理解することは簡単ではありません。また、リフォーム業界にはまだまだ詐欺的な会社が残っていることもあるため、リフォームの内容をどうするか、リフォーム会社をどう選ぶかは難しいものがあります。
そこで、リフォーム前にはこの本を読んでおいた方が良いと思います。紹介するのはダイヤモンド社の「リフォームはこうしてやりなさい」です。
濃い内容がたくさん詰まったリフォーム本です
一般的なリフォーム本や、雑誌のリフォームコーナーでは写真が中心になっていることが多いと思います。ですがこの本ではビジュアル的なものはあまり入れず、リフォームの意味や注意点、リフォームの金額の目安などが書かれており、大変実用性が高い本になっています。
発行は2007年と少し古いのですが、今でも十分に役に立つ本だと思います。内容が濃く、ページ数も290頁以上あるため、一般の方がいきなりこの本を読むのは難しいかもしれません。ただ、必要な部分を読むだけでも十分に価値がある本だと思います。
この本の中で、特に皆さんが知っておいた方が良いと思われる部分について、いくつか取り上げ、解説してみたいと思います。
建設業の免許を持たないリフォーム会社が数多くあります
この本では、建設業の免許を持たず、自社では営業を行うだけで、施工はすべて外注という会社もあり、その中には悪質なリフォーム業者もいるとしています。
これは一般的には知られていないのですが、建設工事を行う会社はすべて建設業の免許が必要かと言われれば、そうではありません。工事金額が500万円未満の工事については、特に資格や免許などが無くても、工事を請けることができます。そして、中規模以下のリフォームであれば、工事金額が500万円に満たないことが多いため、建設業の免許が無いリフォーム会社も多く存在する訳です。
建設業の免許がない会社のすべてがダメであると決まっている訳ではありませんが、問題がある会社では、建設業の免許を持っていない率が高いように感じます。後々のメンテナンスなどを考えても、建設業の免許を持っている会社に依頼する方が安心ではないかと私も思います。
リフォームに価格破壊は通用しないと断言しています
この本では、リフォームに価格破壊は無い、と言っています。この意見に私も同意します。リフォームの場合ですと、適正な価格と割高の価格の2種類があるだけで、内容が良いのに安いというリフォームは無いと思っています。
もっとも価格だけは安いという工事はあります。外壁の塗装工事が一般的に80万円するはずが、交渉して40万円になったとしましょう。一見大きく得したよう見えますが、本当に得だったかどうかは分かりません。いえ、ほとんどのケースでは恐らく損をしています。
それは40万円でも利益が出るように、材料を落としたり足場を組まずに工事したりと、本来の性能が発揮できないレベルまで質を落として、施工される危険があるからです。
しかし、手抜き工事をされたからといっても、それが手抜きであったかどうかは数年経ってみないと分かりません。数年後に問題が出てきて、実は損な工事だったと初めて分かります。
リフォームに限らず、工事費を比較するには相見積を取りましょう、とよく言われます。これはもちろん間違いではないのですが、工事内容がよく分からないまま見積金額が安い会社に工事を頼むと、安かろう悪かろうという工事をされてしまう可能性もあります。
そこでこの本では、まずリフォーム工事の大体の適正価格を知りましょう、という点と、リフォームの内容を確認しましょう、と言っています。この2つを押さえることで、割高の工事をしてしまう可能性を減らせるとしています。
代表的なリフォーム工事については、いくら位という目安もこの本では書かれていますので、それを参考にすることで適正価格が大体分かるような本になっていますので、そういった点でもこの本はお勧めです。
リフォーム済みはむしろ要注意であるとしています
また、リフォーム済みの中古物件はむしろ要注意と、この本では主張しています。先日「ゴミ屋敷は実はお買い得かもしれません」という記事でも、自分でリフォームの手配をした方が、工事内容が分かり安心という話をしました。
ですので、私もリフォーム済み物件は要注意と意見に賛成です。不動産会社が販売のために行うリフォームは、販売しやすくするために行われるリフォームです。そのためどうしても見た目中心のリフォームになりやすく、目に見えない性能面でどこまで対策が立てられているか、不安に思われる物件もあります。
それであれば、最初から自分で建物の検査を行い、リフォームの手配をした方が、費用も安く済みますし、安全性が高くなるリフォームができると思います。
読むのは大変ですが、役に立つ部分がたくさんあります
「リフォームはこうしてやりなさい」はこのような内容が、ぎっしりと書かれている本です。建物に対する知識が無いと、読むのは大変かもしれません。ただ、中古住宅の購入は1,000万円以上はしますし、リフォームも数十万円から500万円位かかるケースは良くあります。
これだけの費用が掛かるものについて、知識が無いまま不動産の購入やリフォーム工事依頼を行うのはとても危険です。知識を得るのは難しい、と言っても、1つ1つの内容は決して難しいものではありません。単にちょっとした事を知っているか知らないかで、差が出るだけです。そして、そのちょっとしたことを知るには、このような本は大変有用だと思います。
当社:ふくろう不動産はリフォームの専門ではありませんが、それでも一般の方よりはそれなりに知識もありますし、アドバイスもできます。
また、リフォームの専門家の中には、専門が偏っているために、全体的に見て間違った意見を持っている方もいます。例えば職人さん出身のリフォーム屋さんですと、その特定ジャンルは詳しくても、他のジャンルや全体的な話になると大きく間違っているということもあります(「4-06.家を建てる職人さんたちも家の全てを知っている訳ではありません」参照)。
当社:ふくろう不動産もリフォームについては、若干不動産屋的な偏見があるかもしれませんが、それでも色々な見かたでリフォームについてアドバイスできると思っています。
例えばそのリフォームで資産価値は上がるのか、とか、快適性はどうか、経済性はどうか、予算が限られている場合はどのリフォームを優先すべきか、といった話はリフォーム専門の会社ではできない話だと思っています。ふくろう不動産では単に中古物件を紹介するだけでなく、このような内容とセットで皆様にアドバイスできることが強みだと思っています。
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