不動産の検討物件を3つに絞るのは不動産会社の都合です
当社にいらっしゃるお客様から他の不動産会社さんの話を聞くことも多いのですが、そこで驚かされるのが、購入を検討する不動産は3つくらい見て決めるのが普通だと説明される、という話です。
賃貸物件であれば、エリアや条件は予め決まっていますので、3つくらい見て決めるという事でも問題は出にくいと思いますが、売買物件でも同じような話をされていることに、驚きを感じます。
もちろん不動産会社によって、方針や考え方がありますので、どの意見が必ず正しいという話ではありませんが、このページではこの話題について、考えたいと思います。
新築や中古を問わず、3つという物件数に根拠はありません
見るべき物件数が3つという話の根拠として、3つ見れば十分です、とか、お客様の条件を聞いて厳選した3件をこちらで選びますから、と言われる事が多いのではないかと思います。
私見では、購入する不動産を決める時は、見るべき物件が3つでは不十分だと考えています。特に物件を見始めたころは、何に注意して見るべきなのかはほとんどの人は分かっていません。複数の物件を見て、各々の物件のポイントについて説明を受け、自分の価値観と照らし合わせるという行為を何度か行って、初めて正しく不動産が選べると私は思っています。
そのためには、ある程度の物件数を見て、判断能力を高めなければなりません。そのために見る物件数は3件ではとても足りないと思います。物件数は人にもよりますが、10件以上の不動産を見なければ、判断基準は身に付かないのではないかと思います。
また条件を聞いてその条件にあてはまる物件を不動産会社が厳選する、というのも私的にはあり得ません。事前にお客様からどれほど詳しく状況を聞いたとしても、実際にいくつか物件を見ていくうちに考え方が変わることがよくあるからです。
と言いますか、変わる事の方が普通です。最初に頭だけで考えていたことが、実際の物件を見ていくうちに、本当に求めているのが何であるかに気が付き始めます。ですので、最初の考え方だけで物件を確定させず、いくつか物件を見た上で、改めて自分の考え方を検証し、再度どのような物件を選ぶのかを考えなければなりません。
そう考えますと、話を聞いた上だけで物件を3つに絞り込んでも、あまり意味はありません。
不動産物件を見る順番がコントロールされていることもあります
不動産を見る順番も、自分で決めた順序でなければ、不動産会社が意図的に順番を決めていることもあります。不動産会社の昔の営業マンの表現を借りますと、不動産を見せる順番は「ブス・ブス・美人」という流れを作っている事があります。
これは物件を3件見せる場合には、3件目を買ってもらえるように、先の2件は敢えて良くない物件を見せるという手法を表した言葉です。
マンションにしろ戸建住宅にしろ、このパターンでよくあるのは、最後に新築物件を見せるという手法です。1件目と2件目は中古物件を見せますので、古かったり汚れている個所がある物件を見る事になります。それと比べ最後に見る新築物件は、実際にきれいですし、人が住んでいない物件ですから見せ方も自由にできます。
一般の方が、中古物件と新築物件を同時に見た場合、テンションが上がるのはもちろん新築です。これが中古物件を見た後であれば、なおその傾向が強く出ます。その結果、最後に見た新築に決めてしまうというパターンが結構あるように感じます。
しかし、なぜこのような順番で物件を案内されたかを考えなければなりません。今回のケースでは、最初の2件は通常の仲介物件で、不動産会社に入る手数料は、買主の方から出る仲介手数料だけだったりします。しかし最後の新築物件は、売主が不動産会社である事も多く、そしてその売り主からも手数料が出る、というケースもあったりします。
その場合、案内をした不動産会社が、買主から手数料をもらえる事に加え、売主からも手数料が出ますので、1回の取引で売上が2倍になることもあります。更に新築物件であることから、価格自体も高いことが多いため、そもそもの仲介手数料も高くなります。
このケースでは、最後の物件を買ってもらった方が、最初の2件のどちらかを買われるよりも、不動産会社の売上が大きくなる訳です。
そのため、意図的に、物件見学の順番を決め、セールストークも最後の物件を買ってもらえるように仕向け、お客様を誘導していることもあり得ます。
このような作戦に引っかからないように、複数の物件を見に行く時には、訪問の順番は自分で決める方が望ましいと思います。
図面やスペックを見てから現地を見る方が正しく判断できると思います
よく、図面やスペックを見ると先入観を持ってしまいますので、とりあえず物件を見てみましょう、と言われるケースもあるようです。しかし私はこの意見には同意しません。むしろ事前の知識が無く、すぐに物件を見る事も先入観を持たせる方法の1つだと思っています。
建物のきれいさや周辺環境、窓からの景色などを見る事で、良い物件だと舞い上がってしまい、他の条件を軽視してしまう事にもなり兼ねません。本来であれば、不動産は経済的な条件や利便性、安全性などをバランスで考えなければなりませんが、事前知識が無く、第一印象の勢いで決めてしまうと、後から後悔することにもなり兼ねません。
もちろん事前に図面などを見ておいても、物件を見て舞い上がることはありますが、それでも事前知識がある場合は、舞い上がり度合いもある程度は抑えることもできます。最初に良い気分になってしまうと、後のデメリットがどうでもよいように感じてしまう事もありますので、当初から物件を見る際には冷静に見る事ができるような体制を整えておくべきだと思います。
これも感覚だけで決めないためには、事前に資料や図面、条件などを確認した上で現地見学を行えば、感情だけに振り回されるリスクを減らすことができます。
最後はどの不動産会社を選ぶのかによります
もっともこのような注意点を個別に考えなくとも、案内をしてくれる不動産会社がどのような方針で営業しているかによって決まりますので、信用できる不動産会社に依頼すれば、このような事を細かく考えなくとも済みます。
これは考え方の1つですので、物件を案内のやり方だけで、良い不動産会社であるか悪い不動産会社であるかを判断することはできませんが、ここまでお話ししましたやり方で物件案内をしようとする会社であれば、本当に信頼できる会社なのかどうかを、様々な角度からチェックするようにして下さい。
不動産を選ぶ際に、訪問する不動産会社が1社だけですと、その不動産会社がどのような方針で活動している会社なのか、そのやり方が一般的なのかどうかが判断できません。
ですので、不動産選びの際には、不動産会社は3社ほど訪問し、各々の不動産会社がどのような方針で営業しているのかを確認し、自分で良いと思う会社に決める方が無難ではないかと思います。
この記事の内容を動画での説明してみました
このページでお話ししました内容を動画で解説してみました。その動画がこちらです。
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もちろん当社も不動産会社ですので、不動産選びの際には、当社もその候補として入れてもらえると、色々なアドバイスも出来ると思います。当社:ふくろう不動産がどのような会社なのかについては「ふくろう不動産とは」のページをご覧ください。
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