【既存住宅瑕疵保険】検査費用を無駄にしないための知識を得ておきましょう

中古住宅の購入をご検討中の方にとって「既存住宅売買瑕疵保険」はもしもの時の建物の不安を解消してくれる心強い味方です。
しかし、「すべての中古戸建てが瑕疵保険に加入できるわけではない」という現実をご存知でしょうか?
今回は、検査費用を無駄にしないために、「検査を受けるまでもなく、最初から瑕疵保険に加入できない可能性が高い中古戸建ての特徴」を解説します。

1. 既存住宅瑕疵保険の基本と加入対象

検査費用を無駄にしないための前提条件

既存住宅瑕疵保険の加入を検討すべきなのは、以下の条件を満たす物件です。

1中古の戸建て住宅であること

2売主が個人であること

【補足】

  • 売主が業者の場合: 法律により2年間の保証が義務付けられているため、基本的に瑕疵保険は不要です。
  • 中古マンションの場合: 構造や雨漏り(共用部)の修繕は管理組合の積立金で対応することが多いため、必要性が低いとされています。

2. 瑕疵保険に「不適合」となりやすい物件の5つの特徴

建物状況調査で「不適合」となる主な理由は、建物の主要な構造部分や雨水の侵入を防ぐ部分に問題があると判断されるためです。以下の5つの問題が多いです。

1. 外壁の「コーキング切れ」と「チョーキング現象」

  • コーキング(シーリング)のひび割れ・切れ: パネルの継ぎ目や窓周りのコーキング材が劣化し、雨水侵入の可能性があると判断されます。
  • チョーキング現象: 外壁を触って白い粉がつく状態。防水性が低下している証拠と見なされます。

※ 外壁(一次防水)の劣化をもって「雨漏りの可能性が高い」と判断されます。

2. 室内や外部の「雨じみ」判定箇所がある

雨漏りによるシミが1箇所でも見つかれば、ほぼ加入不可です。

  • 壁と天井の境目: 1階であっても、バルコニー下などにある境目のシミは雨漏りの形跡と判断されやすいです。
  • 窓の下の濡れ跡: 結露や窓の閉め忘れによるシミでも、「雨じみ」と判定されるケースがあります。

3. 基礎コンクリートの大きなクラック(ひび割れ)

  • 幅0.5mm超えのクラック: 1箇所でもあれば不適合になる可能性が高くなります。
  • 多数のヘアクラック: 小さくても、1面で数多く(3箇所程度)確認されると問題視されます。
  • 深さのあるクラック: 構造内部に達しているものは、保険以前に建物の安全性に関わるため要注意です。

4. 蟻道(ぎどう)やシロアリの食害跡がある

床下や基礎周りでシロアリ被害の形跡が確認された場合、ほぼ間違いなく不適合です。建物の耐久性に関わるため、最も重大な問題の一つです。

5. 建物の傾きが基準値を超えている

  • 基準値: 傾きが6/1000以上ある場合は不適合です。
  • チェックの目安: 窓やドアの開閉が異常にしにくい、建て付けが悪いと感じる場合は、建物全体が歪んでいる可能性があるため、注意が必要です。

3. 瑕疵保険に入れない物件でも検討する価値はある?

上記の項目に該当する場合、保険に加入できない可能性は高いですが、「保険に入れない=絶対にダメな物件」というわけではありません。 例えば、外壁の問題は、直ちに建物の性能に大きな問題を引き起こすとは限らないからです。

最終的な購入判断のためのアドバイス

もし、価格や立地で検討したい物件が保険不適合の可能性が高い場合でも、建物状況調査(インスペクション)を受ける事をお勧めします。

問題の正確な把握: 事前情報にはない、さらに大きな不具合(傾き、シロアリ被害など)が隠れていないかを専門家の検査で確認できます。

交渉材料: 検査結果を基に修繕費用を見積もり、売主様との価格交渉や修繕義務の交渉を行うことができます。

瑕疵保険は「必須」ではありませんが、建物の問題点を正確に把握するための検査は重要です。知識を持った上で、費用と建物のバランスを総合的に判断し、後悔のない中古住宅選びをしてください。

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