中古の戸建ての購入後のリフォームはどこから手をつけるべきでしょうか?

中古の戸建てを購入し、その後のリフォームについて悩んでいませんか?「どこから手をつけたらいいのか?」「費用はどれくらいかかるのか?」という疑問は尽きません。

この記事では、「これから中古の戸建てを買う人」に焦点を当て、リフォームを検討する際の考え方、費用の目安、そしておすすめの優先順位について解説します。すでに持っている家をリフォームする場合とは異なり、購入時の判断に関わる重要なポイントです。

1. 「リフォームありき」で物件を選ばないという考え方

中古戸建てのリフォームでよく聞かれるのが「安全性のために構造から手を付けるべき」という意見です。しかし、購入を前提とする場合、この考え方には注意が必要です。

🔹 構造補強が必要な物件は避けるのが賢明

構造補強が必要なほど古い建物(特に旧耐震基準の1981年以前の建物)を選ぶよりは、最初から構造に手を入れなくても良い物件を選ぶ方が、コストパフォーマンスが高い場合がほとんどです。

  • 目安とする築年数: 築20年〜25年程度までの物件であれば、2000年基準以降の建物である可能性が高く、よほどの問題がなければ構造に手を加える必要がないケースが多いです。
  • 構造リフォームの費用: 耐震補強には、最低でも150万円〜200万円程度(補助金があっても100万円程度)がかかる上、それに加えて内装・外装のリフォームも必要になり、総額で500万円を超える可能性が高くなります。

🔹 物件価格とリフォーム費用を比較する

リフォーム費用に500万円かけるのであれば、最初から物件価格が500万円高くても、大規模なリフォームが不要なワンランク上の物件を選ぶ方が得策かもしれません。購入の段階からリフォーム費用を見込んで検討することが大切です。

2. リフォーム費用のざっくりとした目安

リフォームが必要な物件を選ぶかどうかを判断するために、主要なリフォーム項目の概算費用を知っておきましょう。これらはあくまで目安であり、グレードや状況によって大きく異なります。

リフォーム箇所 費用目安 (ざっくり)
屋根と外壁の再塗装 約130万円
ユニットバスの交換 約120万円
キッチンの交換 約120万円
トイレ2台の交換 約20万円〜25万円
洗面台の交換(内装含む) 約20万円強
壁紙(主要部屋) 約30万円
床材(主要部屋) 約50万円
玄関の鍵交換 約5万円
インナーサッシ設置 約15万円

これらの主要なリフォームをすべて行うと、約500万円近くになる可能性があります。

🔑 ポイント:

理想としては、リフォーム費用が300万円以下で済む物件を選びたいところです。500万円を超えるようであれば、その物件の購入を見送ることも検討しましょう。

3. リフォームの賢い優先順位

リフォームが必要な物件を購入する場合、予算や生活の都合を考慮して、以下の順番で優先順位を検討することをおすすめします。

🥇 第1優先:防犯と衛生・節約効果の高いもの

  1. 🔑 鍵の交換(玄関、勝手口など)

    理由: 前の住人が鍵のコピーを持っている可能性を完全に否定できないため、安心を買うという意味で必須です。費用も比較的安価(3〜5万円程度)。

  2. 🚽 トイレの交換

    理由: 他人が使っていたことへの気分的な問題に加え、特に20年以上前のトイレは現在のものと比べて節水効果が大きく劣ります(水の使用量が半分〜1/3程度)。数年で水道代の節約で元が取れる可能性が高く、経済的メリットもあります。

🥈 第2優先:快適性と建物の保護に関わるもの

  1. 🖼️ インナーサッシの設置

    理由: 築20年近く前の戸建てでアルミサッシ・シングルガラスの場合、断熱性が低く、冬の寒さや結露がひどくなりがちです。リビングや寝室だけでもインナーサッシ(二重窓)を設置すると、断熱・防音効果が非常に高くなります。

  2. 🏠 屋根と外壁の再塗装

    理由: 建物の防水性、耐久性を維持するために重要です。築20年程度で一度も手を入れていない場合は、近いうちに再塗装が必要になります。入居時に綺麗にしておくことで、新生活の気分的な満足度も高まります。

🥉 第3優先:個人の価値観や予算に左右されるもの

  1. 🛁 水回り全般の交換(キッチン、ユニットバス、洗面台)

    理由: この項目は、個人の感覚差が最も出やすい部分です。同じ程度の汚れや傷みでも「クリーニングでOK」という人もいれば「新品に交換したい」という人もいます。

    判断基準: 多少古くても性能が著しく落ちていなければ、無理に交換せずクリーニングで済ませるという選択肢もあります。予算や、新しい設備で快適な生活を送りたいという価値観との相談で決めましょう。


まとめ

中古戸建ての購入は、物件価格とリフォーム費用をセットで考えることが非常に重要です。

  • 構造補強が必要な物件は避け、築20年前後を目安に選ぶ。
  • リフォーム費用が500万円を超えるようなら、購入自体を見送ってワンランク上の物件を検討する。
  • リフォームの優先順位は、防犯・節約効果・建物の保護を優先し、水回りは個人の価値観で判断する。

これらの知識を持つことで、より精度の高い判断ができ、後悔のない中古戸建て選びができるでしょう。

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