この記事の所要時間: 1014

先日住宅雑誌に、新築マンションと中古マンションについての比較記事が載っていました。ただ記事の内容自体に間違いは無いのですが、結局は新築の方が良い、と誘導するような記事内容になっていました。

この記事を読んで思うところがありましたので、新築マンションと中古マンションの違いについて、私なりに説明してみたいと思います。

雑誌の記事は広告主の意向にも影響される事を知っておきましょう

雑誌を読む人

雑誌に掲載される内容は、広告主の影響を受けるという事を知っておきましょう。

記事の内容についてお話しする前に、まずは雑誌の記事内容は広告主の影響を受けるという事を知っておいた方が良いと思います。

世の中に出回っている雑誌やムックと呼ばれる形態の本には広告が掲載されています。雑誌がどのような雑誌であるかによって、広告主の重要性は変わるのですが、一般的にはその雑誌の売上は雑誌の販売による売上よりも広告収入の方が大きな金額になります。ですので雑誌の内容に、広告主が嫌がるようなものが書かれることはあまりありません

そして、新築マンションについては、広告が多く出されますが、中古マンションについては、大きな広告が出ることはありません。新築マンションはディベロッパーが多くの住戸を1度に販売するために、広告の予算が使えますが、中古マンションであれば、売主は個人である事も多いため、広告掲載を行うという事はほとんど無いからです。

そう考えますと、雑誌の記事の内容はどうしても新築マンションに悪い内容を書くことは難しくなります。特に同じ雑誌に新築マンションの広告が掲載されているようですと、なおさらその傾向は強くなります。

雑誌の記事を読む前に、あまり大きな偏見を持ってしまうと良くないのかもしれませんが、まずは雑誌の記事はそのようなものだと思っておいた方が、記事内容に流されずに済むと思います。

中古マンションのデメリットを多数掲載していました

中古マンション外観

雑誌では中古のデメリットを多数掲載していましたが…

広告主の意向があったかどうかは別として、その雑誌では中古マンションのデメリットを多数述べていました。その内容は次のようなものです。

・最新の冷蔵庫や洗濯機が入らないケースがある
・そもそも築浅のマンションは販売数が多くない
・リビングの天井高が低い
・柱や梁が室内に出っ張っている
・インターネットの光回線が通せない事がある
・窓が小さいことが多い
・直床が多く、配管の修理がしにくい
・バルコニーが狭い
・バルコニーの手すりは光を通す素材ではない
・キッチン設備が充実していない
・お風呂が小さい
・浴室乾燥機やミストサウナなどの機能が無い
・収納が充実していない
・宅配ロッカーが無い
・セキュリティ機能が充実していない
・バリアフリー対応になっていない

といったものです。確かにそうだと納得できるものもあれば、その理屈には無理がある、と感じるものもあります。これらの内容について、いくつかを詳しく見ていきましょう。

あるスペースを広げた場合はその分どこかにしわ寄せが来ています

クローゼット

例えば収納スペースを増やせば、その分居室スペースが狭くなります。

お風呂については、確かに最近の方が広いユニットバスを入れるケースが増えているように感じます。もっともこれはマンションによっても違い、最近のマンションでも小さめのユニットを入れていることもありますから、絶対ではありません。

収納スペースについても、新しいマンションの方がウォークインクロゼットなどの採用率が高いように感じます。また、専有面積全体に対する収納スペースの率も高くなっているように感じます。そういった意味では収納は新しいマンションの方が充実しています。

このような特定場所の広さについては、確かに新しいマンションの方が広くなっていることが多いようです。ですが、マンションの専有面積自体が広くなっている訳ではない以上、結局これらの面積を広くすることで、他のスペースにしわ寄せがくるだけです。結局どのスペースを広く取るかの判断に過ぎません。

収納スペースの充実はその最たるもので、収納が増えている分は居室などのスペースが狭くなっています。どちらを優先するかは、住む方の生活スタイルに依るでしょう。

お風呂のスペースの違いは確かに大きいのですが、この広くなったお風呂のスペースの代わりに、どこかの面積は減っているでしょう。他にも冷蔵庫スペースの幅を広げた分だけ、キッチン収納の量は減っているかもしれません。全体の面積が変わらない以上、どのスペースを優先するかの違いだけです。

冷蔵庫

冷蔵庫のサイズが入るかでマンション選びを考えるのはいかがなものでしょうか。もちろん考えるべき内容の1つではありますが…。

また、マンション購入者は以前の住まいよりも広い面積の住戸を購入するケースの方が多いと思います。そうなりますと、今まで使っていた冷蔵庫や洗濯機が使えないというケースはそれほど多い訳でもありません。

もちろん今持っている冷蔵庫では入らないために、冷蔵庫を買い替えしなければならないケースもあると思います。ですが、そのためにかかる金額は10数万円から20万円台でしょう。マンション全体の金額から見れば、大きな金額ではありません。

さらに言えば、新築マンションと中古マンションの金額差は10万円単位ではなく、少なくとも数百万円の単位、一般的には1,000万円以上の差がでます。このような金額差を無視して、冷蔵庫などの費用で差が出るから新築の方が良い、という話はすこしおかしいのではないかと思います。

冷蔵庫については、単に金額ではなく、その後の利用状況や利便性に差が出る、という考え方もあるかもしれません。ただ、最近の冷蔵庫は昔と比べても幅が狭い割には容量は多くなっています。一般的に利用では、まあ十分な容量があるとも言えます。

もちろん住む方の生活スタイルがありますから、すべての人に絶対的に当てはまるという話ではありませんが、冷蔵庫や洗濯機のサイズからマンション選びを考えるのは、優先順位の付け方について、問題があるのではないかと感じます。

新築マンションの設備の充実は本当にメリットかどうかが疑問です

ガスコンロ

住宅設備は特別なものを除けば、後から交換した方が安く済みます。

他に新築マンションのメリットとして、設備の充実が挙げられています。しかし、マンションの設備については私はあまり高く評価できません。住宅の設備によって快適性は高くなるのですが、資産価値として評価されることは多くありません。そして大半の住宅設備は取り換え可能です。設備にもよりますが、その取り換え費用は新築と中古の価格差程は大きくありません。と言いますか、ずっと小さな金額差です。

もちろんディスポーザーのように、最初から想定していないと導入できない設備もありますから、どうしてもこのような設備が欲しいという方は、そういった設備導入済みのマンションを選ばざるを得ません。ただ、特別な装備を望まない人から見れば、住宅設備の充実はそれほど大きなメリットにはならないのではないかと思います。

実際に設備の交換でも安く済むものはたくさんあります。例えばコンロなどは、新築の方がガラストップコンロなどを導入していて良い、という主張がありますが、コンロの交換はそれほど高いものではありません。ガラストップのコンロでも現在10万円以内で買えるものも増えていますし、交換費も数万円単位です。

特殊な設備を望まない限りは、中古だからと言って大きなデメリットが出るとは思えません。そして、特殊な設備は一般性が低いため、資産価値にはあまり反映されないケースも多くあります。これも住む人の好みに依りますので、一律には言えませんが、過度に大きなメリットと考えるのは間違っていると思います。

バルコニーの手すりにも一長一短があります

ガラス系ベランダ

手すりはガラス系の方が人気です。でもデメリットもあります。

バルコニーも確かに新しいマンションの方が、広いタイプが多いようです。これは広い方が使い勝手が良いので確かにメリットとしてあると思います。

一方で新しいタイプのマンションは手すりがガラスなのでメリットが大きい、とありますが必ずしもメリットばかりとは限りません。手すりがガラスになっているタイプは採光が取れるので、リビングまで明るくなりやすいですし、植栽を置くのには良いというメリットは確かにあります。

一方で下の部分が空いているので、上からのほこり、上に植栽がある場合には土などが落ちやすいというデメリットもあります。コンクリート壁でバルコニーが覆われていれば、下にはあまり物は落ちないのですが、ガラスタイプ、手すりタイプは掃除などをした場合には、ごみが落ちやすいという難点もあるようです。

もっともメリットデメリットを考えた場合、ガラスタイプの方がメリットを強く感じる人の方が多いと思いますし、私もそう思いますが、絶対的に良いという話ではない事も知っておいた方が良いと思います。

マンション選びは結局はバランスで決めることになります

天秤

もちろん最後はバランスを見て決めることになります。

他の項目についても、考えさせられることはたくさんあるのですが、最終的にはバランスを見て決める、という事に尽きます。仮に上記の項目が実際にすべてデメリットだったとしても、その分金額が安ければOKという考え方もあります。

ですので、自分で住む住まいを購入するのであれば、自分では何が問題で何を譲りたくないのか、などを考え、譲っても良い、という点があれば、その内容を踏まえたうえで、新築と中古を見比べて決めていくのが良いのではないかと思います。

ちなみに私個人の意見としては、経済的な要因が大きいと思っていますので、中古マンションの方を選ぶ方が良いと思っています。新築マンションのメリットの大半は、気分的なものであることが多く、実際に機能差があったとしても、当初浮いたお金の範囲で、対処することが十分以上に可能だと思っているからです。

もっともこれは、私が中古住宅の売買を行っているので、中古の方が良いというバイアスが掛かっているからなのかもしれません。マンション選びを考えている皆さんは、色々な意見を聞いた上で、ご自分の判断で決めてもらえますよう、お願いいたします。

ふくろう不動産は中古マンションの仲介を行っています

当社:ふくろう不動産は売買仲介中心の不動産会社です。それも、不動産を購入したいという人の代理人として活動するバイヤーズエージェントです。バイヤーズエージェントでは、最初に不動産ありきではなく、まずは不動産の選び方、物件のチェックポイントなどをお客さまに説明し、ご納得いただいた上で、その条件に合った物件をその後に探し始めるというスタイルを取っています。

詳しくは「第1章.米国式エージェントサービスは片手取引の仲介です」のページをご覧ください。