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皆さんは「パーキンソンの凡俗法則」という言葉をご存知でしょうか。これは「組織は些細な物事に対して、不釣り合いなほど重点を置く」という事を主張したものですが、この法則は組織だけではなく不動産購入者の心理にも似たようなものが現れます。

不動産選び、住まい選びに限らず、物事を決定するには重要な項目から考えるべきなのですが、決定の優先順位は重要度の低いものから付いているのではないかと感じる方をよく見かけます。もちろん不動産選びで何を優先するかは購入される方自身が決める事ではありますが、その重要度が本当に正しいのかは、落ち着いて考える必要があります。

原子炉よりも自転車置き場の方が重要ですか

パーキンソンの凡俗法則については、サイトでも多くの情報が出ていますので、詳しくはそちらを見て頂きたいのですが、面白い内容が書かれています。

よく引き合いに出される例として、原子炉と自転車置き場の建設計画の例があります。原子炉の建設計画はとにかく費用が大きなものになりますし、内容も複雑ですので、この打ち合わせに参加している人でも内容があまり理解できていません。理解できていない事にも関わらず、話し合いに参加している他の人たちは理解しているのだろうと考え、余計な口を挟むことなく、短い時間で原子炉の建築計画が決められる訳です。

原子力発電所

原子炉の方が自転車置き場よりも重要度が高いはずなのですが…

原子炉と比べ、自転車置き場の建設計画は予算も少額で把握しやすいですし、自分でも自転車置き場を使った事がある人も多く、意見を出しやすいためか、こちらの建設計画の打ち合わせは原子炉と比べて数倍の時間がかかり、意見も活発に出たという話です。

しかし当たり前ですが、原子炉と自転車置き場の建設計画では、原子炉の方が重要性が高いはずです。費用の大きさ、安全性の問題、原子炉の完成に伴う快適性がどう変わるのかなど、生活や企業活動に与える影響は自転車置き場の比ではないでしょう。

これが住まい選びでも似たような話をよく見ます。例えば住まい選びで重要なものとして、資産性がどの位確保されているかというものがありますが、この資産性に関する部分はなかなか見えにくく、一般の方で詳しい方はあまり多くありません。分からない部分があれば、その都度調べたり聞いたりして確認しながら進めれば良いのですが、これは大丈夫だろうという根拠が無い思い込みや、仲介する不動産会社がきちんと手配しているだろうという思い込みで、深く追求する事無く話が進んでいく事があります。

資産性に関わる部分の代表例として、再建築ができるかどうか怪しい物件があるのですが、その点についてほとんど考慮されない方がたくさんいらしゃいます。そういった方は、住まい選びに無関心なのではありませんが、法的な内容のチェックよりも、今持っている冷蔵庫が置けるかどうかとか、この壁紙は好みではないといったあたりに意識が集中していたりします。

不動産選びに重要な項目は必ず理解しなければなりません

なぜこのように検討の優先順位が逆転するのかと言えば、重要な項目についての理解が足りないからです。パーキンソンの凡俗法則の説明の中にもありますが、人は自分が理解していない事については、あまり口を挟まず、理解していると思っていることについては、深く追求するという傾向があります。

ですが、深く考えなければならないのは、より重要な項目についてです。不動産の経済性について考えた場合でも、順番としてはその不動産の資産価値はどうなのか、相場から比べて高いか安いかを先に考えるべきであって、内装や設備についてはそれよりもずっと後の優先順位とする方が効果的です。

資産価値

経済性については、金額の大きなものから考えるべきです。

資産価値に問題がある不動産を買うと、将来数千万円単位で損することもあります。相場について知らなければ数百万円単位の損をするでしょう。しかし内装の好みの問題であれば、壁紙であれば数十万円や数万円単位で交換できる事もありますし、設備についても大きなものでなければ数十万円単位の費用相当です。

経済性を考える場合、大きな金額の差が出るものの方が重要性が高いはずですが、優先順位が異なる方をたくさん見かけます。これも資産価値についての知識、相場についての知識が無いため、もう少し詳しく言えば、資産価値や相場について考えるのは難しく、内装等は簡単なために、内装方面に意識が行ってしまうという事です。

経済性と安全性については無理にでも勉強しなければ理解が進みません

一般の方が、不動産の資産価値や相場などについて、日常生活の中で考えたり調べたりすることはほとんど無いでしょう。だからと言って知らなくても良いという話ではありません。

当社では不動産の選び方は、経済性、安全性、快適性の3つバランスが重要であると考えています(「失敗しない不動産購入」参照」。そしてこの3つの要素のうち、快適性については詳しい方がたくさんいます。ですが、経済性については急に数が少なくなり、安全性についてはもっと数が少なくなります(あくまでも私の経験上そう感じるという事ですが)。

そして経済性や安全性については、自分から積極的に調べたり勉強したりしないと、必要な情報を手に入れる事はできません。不動産取引の関係者はこのような内容を教えてくれませんし、それどころか重要な内容を隠しながら取引を進めたいと考える人が多い世界です。

不動産の勉強で一番手っ取り早いのは、不動産の買い方についての本を10冊ほど読むことだと私は考えています。違う著者、違う考え方の本を10冊くらい読めば、ある程度の知識は身につきます。

本10冊

1番のお勧めは不動産関連本を10冊読むことです。

あるいは当社:ふくろう不動産のサイトを一通り目を通してみるという方法もお勧めです。うまくまとまっていない内容も多いのですが、合計で400ページ以上使い、不動産の選び方について解説しています。書かれている内容については「失敗しない不動産の選び方のサイトマップ」と「投稿ページ(ブログ)の一覧」からタイトルを見て、興味がありそうなページを選んでみてください。

この不動産選びについて私が声を大にして言いたいのは、不動産の見かたはひと目でわかるものでは無いという事です。よくテレビやサイト等で、この点だけ注意すれば良い、適な話がありますが、1点だけ見れば後は大丈夫という程、不動産選びは簡単なものではありません。実際に私は不動産選びの参考になる話を400ページ以上書いていますが、これで充分という事はありません。おそらく1,000ページ以上書いても完全に網羅は出来ないでしょう。

不動産選びの考え方や知らなければならない事は決して難しい事ではありません。ただ知らなければならない項目の量が多いだけです。皆さんは不動産のプロではありませんので、すべてを把握しなければならないという事はありませんが、それでもある程度の知識を得ていないと不動産の売買で失敗する可能性は高くなると思います。

このページでは「パーキンソンの凡俗法則」の話は不動産選びの失敗に通じるという話をしてきました。皆さんも不動産選びの優先順位が間違っていないかどうか、1度確認される事をお勧めします。

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