住宅ローンの保証料は借りる人を助ける仕組みではありません

ほとんどの住宅ローンでは、借入をする際に保証会社に住宅ローンの保証をしてもらわなければなりません。そしてその際にかかる保証料は結構高額です。保証料は金融機関や借りる額、返済期間などによって額は変わりますが、一般的な住宅ローンの借り入れでは費用が40~50万円ほどかかります

ローンの保証と聞きますと、ローンの返済ができなくなった際に、代わりに弁済してくれるありがたい存在のように聞こえますが、実際は借りる人に何のメリットもない制度です。このページでは住宅ローンの保証料について、解説します。

借りる立場から見れば、債権者が金融機関から保証会社に代わるだけです

住宅ローン保証の関係図

保証会社はあなたの債務を肩代わりするのではなく、銀行に対して肩代わりするだけです。

もしあなたが住宅ローンの返済を滞らせることになり、支払いができなくなったとしても、住宅ローンを保証した保証会社は、あなたの債務を無くしてくれる訳ではありません。保証会社はローンの貸し出しをした金融機関に対して、借入金を保証しているだけです。

ですので、あなたがローンを払えなくなった場合、金融機関は保証会社が払ってくれますのでリスクはありません。ですが、あなたのローンの支払先は金融機関から保証会社に代わっただけで、あなたの借金が減る訳ではないのです。

保証料はかかるけれども、いざという時に保証会社が対応してくれるから大丈夫、ということはありません。大丈夫なのは貸し出しをする金融機関だけです。このあたりは、最初から勘違いしないようにしましょう。

保証会社は金融機関のグループ会社であるためリスク回避という意味はありません

金融機関は「いざという時のために保証会社の保証を取ってください」と説明します。金融機関は「保証会社は別の会社であって、その会社に保証してもらっています」と説明するでしょう。

ですがこの保証会社は金融機関の関連会社だったりします。同じグループ会社でリスクを押し付けあっても、あまり意味がない気がします。私個人の感覚では、貸付部門と回収部門という違いだけで、結局は同じ財布ではないという気がします。

財布のイメージ

組織上は別であっても、実際に財布は同じようなものです。

つまり住宅ローンの保証料は実質は融資手数料と同じです。金融機関の表向きの手数料は3万円プラス消費税くらいの価格に設定されています。しかし考えてみれば、審査や窓口業務を含めてこれだけ手間がかかるものを、3万円でできるはずもありません。

ですのでその分、保証料という名目で利益を得ているのではないかと思います。実際に数は少ないですが、保証料不要という金融機関も出ていますが、その場合融資手数料は保証料とさほど変わらない金額だったりします。

結局のところ、お金を借入するには、それだけ費用がかかるという事を知っておかなければなりません。保証料も手数料の両方が安い場合は、その分金利が高いというケースもあります。

2-02-06.住宅ローンは5つの要素を考えて決めるべきです」のページでは、住宅ローンは金利だけでなく、金るも含めた5つの要素を考えてきましょうという話をしました。このページでも保証料や保険料などの話を載せていますので、こちらのページもご覧ください。

手数料と違う点は、返ってくる可能性があることです

戻りのイメージ

保証金は手数料と違い、一部が返金されることもあります。

ただ、厳密に言いますと保証料は手数料と異なり、一部返ってくることがあります。例えば繰り上げ返済などを行って、借入金の残高が減った場合には、保証金額が減りますので、その分保証金が返ってくるケースがあるからです。

ただ、どのくらい返ってくるかは金融機関によっても異なりますし、戻ってくる金額はそれほど大きな金額にはなりませんので、手数料よりはマシ、といったレベルではないかと思います。

一方でこの保証料という言い方は少し腹正しいものを感じます。素直に手数料とした方が実情に合っているでしょうし、分かりやすいでしょう。あえて住宅ローンの利用者の誤解を招くような表現を残しているところに、金融機関の悪意を感じることがあります。

住宅ローンが始まった当初は、金利で稼いでいるのにさらに手数料を取るのか、という流れを嫌い、このような保証料というシステムを考えたのではないでしょうか。しかし今の情報化時代では、なるべく実情に即した名前にして欲しいと思います。

ふくろう不動産では住宅ローンについても様々な切り口からアドバイスしています

ふくろううのイメージ

技術的な内容はもちろん、住宅ローンについても詳しく説明します。

このような保証料の内訳を聞いたとしても、実際の住宅ローンを借りるという行為に、直接役に立つことはありません。ただ、保証料や手数料などについては内容を知ることで、住宅ローンという商品の全体がある程度分かり、住宅ローン選びに役に立つこともあります。

当社:ふくろう不動産はお客様が購入予定の建物を無料診断するなど、技術的な内容に特徴を持っています。だからと言って、住宅ローンや物件の価格などの経済的な内容について注意しないという事ではありません。

住宅ローンという商品も数がたくさんありますが、その選び方やタイプごとのメリットやデメリットを詳しく解説した上で、お客様に住宅ローンを決めてもらっています。

住宅ローンなど経済的な話は「2-02.住宅ローンは審査や破綻について考える前に本質を知りましょう」のページや、その子ページを参考にしてみてください。

このページの話を動画でも解説してみました

このページでお話ししました内容を動画でも解説してみました。その動画がこちらです。

よろしければ、動画もご覧ください。

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